目的意識の足跡

2018.05.17

石田 祥英
エンジニア

初めまして。
入社6ヶ月目の石田と申します。社会人歴は早いもので1年7ヶ月も経ってしまいました。

この記事を見ているあなたは、就職活動をしている学生の方や転職活動中の方だと思います。
どちらも経験した一端として、迷っている方の背中を押す意味と、自分の棚卸しも含めて、自分の描いたキャリア計画に沿って、これまで辿ってきた軌跡をご紹介させていただこうと思います。

いてもたってもいられないこと

GoogleやFacebook、lineなど、僕たちが毎日使っていて、かつ登場前後で人の生活を大きく変えた、ああいったものが如何にして生まれて(それは構想段階から含めて)、成長していったか、また自分も多く助けられているそういったものを自分が如何にして生みだしていけばいいのか、そういった思念がいつの日からか自分の頭を占拠しています。
その上で今まで何を思い、いかに考え、どう行動してきたかを紹介させていただきます。

何をすべきか 大学院前半

今に至る線の始まりは大学院生時代まで遡ります。


当時、北海道大学の情報系学部からそのまま大学院に進んだ自分は、事業に必要な企画構想力と実行力、そのどちらも持ち合わせていませんでした。
体育会空手部で培った戦略力・根気・と少しの筋肉、実用には耐えない情報系学生レベルのアルゴリズム力・実装力だけ。

何も持ち合わせていない自分が何か世を変えるために迫られていた問いは、
「ITの事業会社で実行能力を鍛えるべき」か、「外資の戦略ファームに行き戦略に長けた投資される人材になるべき」か、でした。

そこでどちらを選択すべきかを確かめるべくとった行動は 1.大量に書籍を買い読む。 2.色んなインターンに行って判断材料を集める。でした。

書籍はITのサービスに何が必要かという観点で

  • ビジネス構想力: マーケティング・コーポレートファイナンス
  • ビジネス実行力: ビジネスケース・ITエンジニアリング

加えてインターン突破のためにフェルミ推定や判断推理や数的推理も読み漁っていました。
今から考えると事業の実行能力に関する知識が全く見えていませんでしたが、それでも何かしらの活力が漲りすっかり熱中していました。

行ったインターンはITの事業会社(ビジネス職/エンジニア職)と外資系の戦略ファーム。
実際に働く人にたくさんのことを聞き、自分への問いの答えの材料を大量収穫することができたと思います。

そうやって情報を集めた結果、感じたことは以下の様なものでした。

  • 実行能力で一番難易度と不確実性が高いのがエンジニアリングなのではないか
  • 特にビジネスのトライアンドエラーに合わせて柔軟にプロダクトを変更すること、新規事業時にさっとプロダクトを作ることに苦しんでいるのではないか
  • 残念ながらビジネスの企画力で凄い人・学びたいと思う人に出会えなかった(限られた時間の中では当たり前なのですが)

それらを踏まえた自分の結論は「自分で一番困難なポイントに対処しながら立ち上がって行くために、ITの事業会社にエンジニアとして行くべき」でした。

SXSW挑戦記 大学院後半

いざ方針は決まったが、自分はまだ作る力が弱い。
どうすれば普遍的で質の高いサービスを作るエンジニア力が身につくか、が目下の課題でした。

「何かを作ってエンジニアリング力を鍛えよう」
それが一番骨太で早いと考え、サービスを作ってコンテストに出すことに。

ということでタイに留学していた親友を呼び戻し開発を開始。(帰ってきてくれて本当にありがとう)
北海道大学の産学連携の方や、そこから紹介していただいた方の縁にも恵まれて、資金の援助もいただきながらSXSWというコンテストにアプライすることにトントン拍子に決まっていきました。

SXSWというのはテキサスで行われる映画やアートのお祭りで、かつてのtwitterやAirbnbも出場し入賞するITの部門もあり、日本でいうとperfumeなどがアーティスト部門で参加していました。

提出までの期間は2ヶ月。
大学受験期に感じた、英語学習の作業の部分に課題を感じた経験をベースに発想し、以下のプロダクトを作ることに決定。
自宅のマンションに机を並べ、寝たらお互いに起こし合いながらで作ったプロダクトは以下のような自動辞書引きサービスでした。

  1. どんなWEBページやPDFでも、自動でマウスの近くの英単語の訳を画像と共にスライドバーとともに表示してくれるブラウザの拡張。(アメリカでのコンテストにあわせて英英辞書を使っていた。)
  2. 出会った単語の管理や、チェックした単語を忘却曲線に沿って表示する管理画面
  3. 忘却曲線に沿って今日確認すべき単語をpush通知、スワイプで覚えたかをテストするiOSアプリのモック
  4. 動画が流れて目を引くサービスのLP

無事一次選考は通り、根拠のない自身と度胸だけで乗り込んだ2次選考地のテキサスでは、ブースの前を通る審査員を捕まえ終日プレゼンしました。
親友と潜るテキサス大学のコンピュータサイエンスの授業や、会場となるマリオットでの発表、同じ発表者との打ち上げなどは今でもいい思い出です。

しかし、結果は落選。

痛感したのは、自分にまだサービスを作る力が足りないということ。

この時の不安に思った各論をあげればキリがないけど、一番コアなポイントは
「技術で何ができるのか?」が見えていないことでした。
ネイティブアプリの限界やwebの限界、ネットワークのパフォーマンスの限界など、どこをどれだけの変えられるのか、はたまたその実現方法・難易度が見えない。

技術力の無さが自由にアプリケーションを発想したい欲求を虐げていました。

実際に広告配信やGoogleAnalyticsなどを取ってみるても、httpプロトコルにてCookieやリファラをくっつけて送っていることを知らなければ実現できないソリューションであり、ユーザの課題に対して取れる技術力の幅こそ、ビジネスを発想・企画する際に重要であると考えていました。

とってもラッキーなことに投資家の人に目をかけて頂き出資の話もいただきましたが、まだまだビジネスとエンジニアリングどちらの回し方も見えず、大きなムーブメントを起こすに足りないものを身につけてから勝負したいと辞退したのは悔しい瞬間で、その時のうつむく隣の友の顔を忘れることはできません。

もう、二度と悔しい思いをしないように。自分の理想を実現するには何が必要か。

社会人になるに向けて、今までに得た経験と知識を総動員していつまでに何をやるかの技術力・ビジネス力に大別された項目をリストアップしました。

技術力ではデザインパターンやアーキテクチャから、様々なミドルウェアを使えること、大規模なトラフィックさばくためのシステムコールなど粒度も様々だったけど、出来る精一杯の網羅度を持って、これができれば大抵の最初のサービスを作るのにまず大丈夫だろうというのを捻出しました。

ビジネス力に関してはリスト化が中々難しく、採用活動を利用して色んな人から情報を集めました。
とあるITの社長は重要なのは「チャレンジの数だ」、またとある社長は「資金調達および上場させるまでのステップだ」、他にも「実地経験の数」「集客の方法」「経営の理論」が大事だと、異口同音ということはなく、様々な方が実に多種多様なことを重要視していました。

結局は再現性の低いものだから基本的にいろんな人がいろんなことを言うのだと解釈し、誰にも見劣りしない見識を身につけながら再現性のある方法は自分で導き出していこうと決め、excelでの財務モデリングができる、広告マネタイズでの収益計画が建てられる、戦略策定ができる等の、「~できる」の職業能力の項目化と、押さえるべき経営書(の分野)をリストアップした後は走りながら増やして行くことにしました。

限界まで出来ることを増やす 社会人1年目

出来上がった膨大なリストを見て2年はかかるな…。 しかしそれでケリをつけようと自分に誓い社会に出ました。
幸いなことにいくつものITベンチャーに内定をもらい、中には有名・高給なメガベンチャーやキラキラなメガベンチャーなどいろいろあったけど、そのリストを自分なりの論理で出した順序で消化することを優先させ、そのために配属リスクを最大限に低減したうえ以下のような条件を加えて、前職に当たる広告配信会社に決めました。

  • BtoB企業であること (ゆくゆくはB to Cをやりたいがために最初はB to Bを見ておきたい)
  • 高トラフィックの広告配信サービスを持っている (広告でマネタイズするセオリーを立てておきたい。大きなサービスを作るエンジニアリングを知っておきたい)
  • 事業開発にロジカルさをすごく求める会社であること。(ビジネス力も鍛える術を知りたい)

話は脱線しますが、新卒で入った会社にはもう1つ大きな決め手がありました。それはどこよりも本気だと感じられた点。社長をはじめ意志が強く、気持ちが熱く、行動力がある人が集まっていて居心地が良さそうだと感じた部分でした。(Bossとなった人や同期など、実際に入ってみても相違は無かった。)
実はギリギリまで有名な緑色のメガベンの広告部門にいくつもりでした。
就職活動を始めるまで知らない会社にいくのはリスクを感じていたのですが、内定を断りに行った面談で「こんなに本気の会社はないな」と覚悟を決めて入社することに決めてしまいました。
その時はわからなかったのですが、最近になってようやく、気持ちが強く本気で行動している人が自分は好きで、そういう熱い気持ちに抗えない人間なんだな気づきました。
抗えなかったので面談中に、「大学院はやめることに今決めたから入社させて欲しい」 とお願いして入社させてもらいました。

話が逸れましたが、大学院を辞め10月に新卒入社してからは、初社会人として限界まで能力を上げるプロセスを楽しみました。
ある月は週に4日徹夜してみたり、1日に2時間だけ寝る生活にしてみたり、その結果風邪を引いたりしたけど体力的には十分なんだなという自信も持てたし、何より行動した分だけ力もたまった実感がありました。
しばらくは仕事に没頭することでリストの解消になる一石二鳥の状態が続き、夜もあまり寝ずに勉強していたので、自分のスマホの電話番号も思い出せなくなったりしたけど、自分の目標以外あまり気にならなかったのをよく覚えています。

そして、予想と反してリストの消化はだんだん加速し、思ったよりも早いペースで消化して行きました。
そのおかげもあり、リストを作った時に「モバイルのネイティブアプリはやらない(捨てる)」と決めていたところに欲が出て、能力としてシナジーが高いからやろうと決めて転職しようと決断しました。
残念ながら前職は広告配信会社で、ネイティブアプリの開発余地がなかったのです。

加えて、この頃から自分の1番の課題が開発力からビジネス力に移って行きました。
技術で何がどのくらいで出来るかの目利きができたところで、「ものを作れるか」よりも「人が喜んで使うサービスとその持続性を企画でき、実際のグロースさせるプロセスを構築して実行できるか」が最大の頭を悩ます関心ごとになりました。

そこで転職する会社の条件として以下の条件をあげ、転職活動を始めます。

  • toC向けサービスの企業 (半分受託のような形でも売上になるBtoBサービス企業と違い、本当にニーズのあるものを作らないといけないという状況はtoC向けの方がシビアだと考えて)
  • 30人規模 (前職の200人より小さく、企業がグロースしていくところを見てみたい)
  • ネイティブアプリ開発ができる (自分の取れる手段としてネイティブの開発はできるようにしておきたい)
  • 自分の興味に関係のない領域 (サービサーとは本質的には他人の問題を解くことであり、どうせなら全くわからない領域の方が力がつくだろう)
  • 無借金無調達 (これができる企業はリーンな検証ができているのではないか)

しかしながら正直あまり選択肢は多くなく、探して探して当てはまった企業はエバーセンス一社だけでした。

現職の今

このような理由で入社し、半年が経とうとしています。
色々なアプリの開発プロジェクトにアサインしていただき、px単位で行われるネイティブアプリ開発や仮説検証・分析のためのユーザ行動の分析データの取り方、どんな機能がどのくらいの難易度と期間で構築できるか等、様々なことが見えるようになってきました。

いよいよ自分の課題が「製品を作れるか」から「持続可能なビジネスモデルとともに人が使うサービスを構想でき、実際のグロースさせるプロセスを構築して実行できるか」に移ってきまして、年間150~200冊ほど買う本も技術書よりHarvard Business Review系のような経営戦略をはじめとしたビジネス本の割合が大幅に増えた半年間でした。

誰に何をどのように提供して、どんな気持ちになってもらうのか

全てはこの最善手の為にだったら、デザイン思考やサービスデザイン、リーンスタートアップ系や戦略ファーム系の仮説構築と検証、ポジショニング・プロダクト戦略論から具体的なアプリのユーザの分析手法、マネタイズ手段まで、取れる手段の最大限のパースペクティブを持ってどんな方法も取れるようにしておくという姿勢で吸収してきました。

必要な情報取得の量を緩める気はありませんが、社会人経験も1年半以上が過ぎ、今までに得たものを思いっきり発揮していくフェーズにきたと感じています。
ここ最近は製品開発からアプリの戦略・施策策定の部分も担い始めたので、さらにスピードを加速させてこれからも最終目標の達成へと思いっきり邁進して行こうと思います。

最後に、自戒の意味も込めて就職や転職で迷っている方と過去と今の自分へ思うこと。
意外と人間は細かい事で悩んだり二の足を踏んだりしてしまいますが、なんとなく気になるレベルの細かいことはほとんど大勢に影響はなく、
自分の目標の実現への方向性と速度が正しいかを常に確かめることこそが重要だと過去を振り返って思いました。
自分がどうなりたいかを本当に素直に認めて、正しい計画を立て、行動し、定期的に振り返って、方向を大胆に修正することで結果をいい方向に変えてきた自負があります。
正しいアウトプットは正しいインプットからしか生まれないように、自分の目標達成に必要な力を伸ばすのに必要な体験(仕事)ができていなければ、振る舞いや立場を変えて正しいインプットを得ることでしかそれは達成されないと思うので、転職は一つの手なのでしょう。

エバーセンスはママさんが多く家族向けのゆるふわな職場に見えますが、目的意識しかないような自分もいて多様性には寛容な会社だと思います。
「コーヒーを豆から挽いて淹れている間に人が集まってきて、おしゃべりを楽しむ」
こんな光景は他の会社で中々見られないと思います。最初はびっくりしました。
しかしだんだんと、社内の人材も空間づくりも同じ価値観の人が集まりやすいようにとても細かなところまで作り込まれているんだなと感じています。

自分の体験を赤裸々に書きましたが、この記事が誰かの背中を押すことができたなら幸甚の至りに存じます。

目的意識をもって行動を起こし、そのなかでエバーセンスへの入社を選択肢の一つとして考えている人は、話を聞きに来ると、いいことがあるかもしれません。