お世話になっております。管です。
2016年に入社してから、2年と5ヶ月が経ちました。
メディアマネタイズやらクライアントワークやら新卒採用やらWebマーケやら経営企画やらなにやらやってきたなかで、いまは、
「パパ・ママにぜひおすすめしたい!」とtwitterなどで話題のアプリ「キッズドクター」のプロダクトオーナーを務めさせていただいております。
キッズドクターは、2017年の8月に企画が始まり、4ヶ月後の12月にv1.0リリース。
対応エリアや診察時間の拡大などのアップデートを経ながら順調に成長し、ついに先日、通算利用者数が6,000人を突破しました!
*パパママの子育て支援のためのブログメディア「すいっち」様にも取材いただきました。えへへ。
リリースして半年経ったいま、アプリの認知度をさらに高め、より多くの人に価値を提供していくべく、
「あぁでもない」「こうでもない」「日本勝ったね」などと、5人の力強い仲間と楽しく議論をしながら、日々邁進しています。
今回は、はじめて携わった「新規事業立ち上げ」から得た重要な学びについて、2つのシーンとともにご紹介させていただければと思います。
価値定義って大事だね
エバーセンスが運営している事業は、すべて「価値定義」が定められています。
「価値定義」とは、そのプロダクトが、どんなユーザーのどんな負に、どのように価値提供していくのか?なにをやらないのか?を、誰が読んでもすぐに理解できるくらい明快にしたもの。
新規事業の場合は、ビジネススキームやUI/UX、開発要件などを固めるよりも、なによりも先に策定することになっています。
キッズドクターは、価値定義の策定に2週間かけました。
私と開発担当、デザイン担当、コンテンツ担当の4人が、2週間ただただ「価値定義」のことだけを考えていたのです。
まずいちばん最初に、立ち上げメンバーで相談して決めた価値定義。
なんだか文字文字しいし、()が多くて本当に大事にしたいことがわかりづらい。。
考え始めてから1週間ほど経ち、社内のフィードバックを踏まえて出来た価値定義。
「誰に」をシンプルに捉えられるようになったが、「何を」がまだしっくりこない。ユーザーに届けたい価値は本当にこの表現で定義できているのかな。。
最終的に開発Goが出た価値定義。
けっこうバチバチに議論した結果、「何を」をさらに「具体的に」を分けて考えるようにしたことで、いろいろ整理されてかなりしっくる来るものができました。
ついでになぜかアプリのロゴもできてました。
いま思えば、もっとうまくやれば2週間もかからなかったかなぁと思わないでもないですが、
自分たちが真剣に考えて、議論して、脳みそ使い倒してひねり出した価値定義が、社内メンバーにけちょんけちょんにされ、悔しい思いをしながら改善を繰り返し、
メンバーみんなで意思決定をしていく過程そのものが、新規事業を立ち上げる私たちにとって重要なことだったのだと感じています。
アプリをリリースして半年して経ったいまでも、
みんなの魂をこめて策定した価値定義に立ち返りつつ、事業成長に必要な意思決定を行えています。
事業観点って大事だね
アプリを無事にリリースしてから3ヶ月ほど経ち、
順調に利用者数は増え始めていました。
私をふくめたメンバー全員が、アプリの利用率を更に高めるべくさまざまな施策を検討し、
そのなかでも特に、ユーザーの利用ハードルが低い「無料相談」の利用者を増やすために、依頼しやすいUI/UXの設計などを進めていました。
相談利用を通してアプリを知ってもらえれば、自然に口コミなどでユーザーも増えていくだろう、と。
ただある日、代表牧野への事業報告の場で、
私たちは根本的に考え方が誤っていたことに気付かされました。
「キッズドクターがいま最優先で注力しなきゃいけないのは、往診の利用率をあげることじゃないの?」
「事業を展開し続けていくために、アプリの使いやすさや相談利用率の向上ももちろん大切だけど、
いまはまず往診利用が文化として根付くことに繋がる施策を積み上げるべきだよね(100万ドルの超絶スマイル)」
がーん。
でもたしかに、無料相談は重要な機能ではあるのですが、事業としては、収益は1円もあがりません(無料なので・・)。
収益が上がらないと投資が行えないので、いつかキッズドクターをサービスとして成長させることができなくなる時が来てしまいます。それはよろしくない。
またキッズドクターの普及のためには、
最もアプリの価値をつよく感じられる(≒感動できる)体験である「往診」の利用者を増やさないことには、価値が伝わりきらず、ファンが増えないので、爆発的にユーザーが増えることを期待できません。
実際に事業パートナーである『ファストドクター』は、
定期的にtwitter上で話題になっていて(下記ツイートなど)、ほぼ必ず「感動」というワードとセットで紹介されています。
こないだのファストドクター、とりあえずめっちゃ感動したから粗いけど漫画にまとめて公開しときます。 pic.twitter.com/OddhyXySNF
— かんべみのり@書籍発売中 (@minorikambe) 2018年6月2日
この気付きから私たちはすぐに、
実際にアプリを利用してくれているユーザーにアンケートを取るなどして、
「どうしたら往診を利用したいと思えるか」をとことん調査しました。
そうして出てきた課題について施策を展開した結果、
往診の利用率は約1.7倍、結果的に無料相談の利用率も約2.7倍に成長しました。
*「キッズドクター」自体も、SNS上でちょくちょく見られるようになってきました✌
サービスとして未成熟で、
まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるような新規事業の立ち上げフェーズだからこそ、
やるべきことを絞って一点突破で対処していくことが重要でした。
やらないことを決めるって大事だね
さてまとめになりますが、
今回紹介したケースに限らず、この1年弱で数えきれないくらいの意思決定を行ってきました。
今までの人生で行ってきた意思決定を100とすると、5,000くらいしたと思います。リアルに。
そのなかで共通して大事だったのは、いかに
「『やらないこと』を、スピーディかつ的確に決められるか」ということでした。
価値定義を決める際、やりたいことを決めるために、
本当に届けたい人に価値を届けるために、やらないことを決めました。
方針を往診利用率の改善に絞ったとき、
サービスを良くするために無限にやりたいことが湧いて出てくるなかで、
本当にユーザーのためになることをやるために、やらないことを決めました。
ぼくもそのつもりですが、
それ以上にキッズドクターの開発メンバーは、本気で「世の中変えてやる」と意気込む猛者ばかりなので、
さまざまなアイデアを考え、熱い想いをもってぶつけてくれます。
そんなアイデアや提案を、「それは今やるべきじゃないよね」とか「やるべきこととちょっとズレるよね」と却下するのは本当につらいです。くるしいです。
それでも、つらい気持ちはぐっとこらえて、
描いている理想の未来に到達するために、「いまやるべきことはなにか」にこだわって結果を出して、
最後にみんなでわらいあえたらいいなと思っています。
キッズドクターに携わってくれてる5人の仲間たち。
プロダクトオーナーがへっぽこboyなばっかりに迷惑をかけることが多々あると思いますが、
みんなで楽しみながらキッズドクターを育てていきましょう。これからもよろしくおねがいします。
ベンチャーだから明日のことはよくもわるくもわからないけれど、
いまこの瞬間にできることをせいいっぱい頑張っていきたいと思います。
おわり。