赤ちゃんが生まれて最初のお祝い「お七夜(おしちや)」を知っていますか?出産が初めてのママは特に、「聞いたことはあるけど何をすればいいかわからない」という人も多いかもしれません。
そこで今回は、お七夜の基本的な説明と、先輩ママが実際どのようにお七夜を行ったのかをご紹介します。「お七夜はやらなかった…」というママの声もご紹介するので、参考にしてくださいね。
お七夜ってなに?いつするの?
お七夜とは、赤ちゃんが生まれて7日目の夜に行うお祝いのこと。日本のしきたりの1つで、産まれてきた赤ちゃんとその赤ちゃんの名前を、家族や地域の人々にお披露目する日です。
お七夜の由来は諸説ありますが、昔は出生後すぐに亡くなる赤ちゃんも多かったので、無事に1週間生きられることはとてもおめでたいことだったようです。
そこで、出生から7日目に、赤ちゃんの無事を祝ってお七夜を行っていたと言われています。
お七夜をする日の数え方は?
生まれた日を1日とカウントする昔の数え方と、生まれた日を0日とカウントする現在の医学的な数え方があります。
例えば、4月10日に誕生した場合、昔の数え方でいうと4月16日がお七夜の日。医学的な数え方でいうと4月17日がお七夜の日となります。
どちらを優先するかは、ママやパパ次第。日にちを重じるのも大切にしたいことではありますが、あまり構えすぎないでくださいね。生後7日目を目安とした前後で、赤ちゃんやママの体調が良い時などにするのがおすすめですよ。
お七夜のお祝いって何をするの?
先述のようにお七夜は伝統的な行事なので、やることがいろいろと決まっています。ここでは、その一例をご紹介します。
お祝い膳を囲む
お七夜には、祝い膳を用意するのが慣習です。
おかしら付きの魚と赤飯のセットが基本で、そこに地域や家庭によって煮物や刺し身、お吸い物などが追加されます。魚はやはり、おめでたさの象徴である鯛がよく食べられているようです。
お祝い膳を囲んで家族で食事をし、赤ちゃんが生まれてきてくれたことをお祝いするとともに、今後の健やかな健康をお祈りします。
命名式を行う
赤ちゃんの名前は、出生届を提出する生後14日までに決めればいいのですが、風習としては、お七夜までに名前を決めて、命名式を行います。
命名式では、命名書を用意してみんなに披露し、神棚などに飾ります。命名書には、親の名前と続柄、赤ちゃんの名前、生年月日を記入しましょう。
最近はインターネットでテンプレートがダウンロードできたり、可愛い命名書を購入できたりしますが、正式な命名書は、半紙に墨汁で下記のように書き込みます。
正式な命名書
命名書を書く人は、名付け親や祖父母が一般的です。なかには、字が上手な書道家やお坊さんなどに頼む家庭もあるようです。
お七夜はする?しない?
お七夜は、産後7日目を目安に行うので、まだ退院して間もない時期ということがほとんど。
「産後7日でこんなにいろいろ用意するのは到底難しい」というケースも少なくありません。日にちをずらして行う家庭もあれば、命名書だけ書いて特別なイベントとしてはしないという家庭も珍しくありません。
また、最近は自分たち流でお七夜のお祝いをしている家庭もあります。今は時代も変わってきているので、少しマイペースなお祝い方法があってもいいのではないでしょうか。
そこでここから、お七夜をマイペースに行った 4人のママの体験談をご紹介します。
ケース① お七夜の準備はパパにお任せ!
スーパーで買える簡単なものに
まずは、パパがいろいろ準備してくれたというneco_1224さんのケース。お七夜の当日に「ハッ!」と気づいて、いろいろとスーパーで買ってきてもらったそうです。
neco_1224さんのお七夜体験談
お七夜はせっかくのお祝い。おかしら付きの鯛、お赤飯、お吸い物、お造り、天ぷらを用意したいと思い、夫にスーパーまで買い出しに行ってもらったのですが、おかしらつきの鯛はさすがに売っておらず…代わりにお刺身メインになりました。
お赤飯も天ぷらも買ってきてもらって、私が作ったのはお漬物だけです。それも、塩昆布等と和えただけの簡単なもの。
お吸い物は加熱調理済みのはまぐりを買ってきて、夫が味付けしました。ほぼ温めるだけですぐにできる、簡単なものです。
本当は、自分で買い物に行って、自分で作りたかったのですが、体調が優れず断念しました。時間のかかるお赤飯は早々に諦めて、天ぷらくらいは〜…と思っていたのですが、それも諦めました。体調優先なので、しょうがないですね。
ケース② 両家でお七夜パーティー!
続いては、お七夜の日も比較的体調が良かったというaoao0204さんの体験談です。
aoao0204さんのお七夜体験談
今回は2回目の出産。長男の時にもお七夜をしたので、妊娠前から準備を進めていました。
産まれた日に主人と相談して日程を決め、出産の報告を両親と兄妹にした時にお七夜の日にちも伝えて、来てもらえるか確認しました。結果、両家で集まることができて、家族みんなでお祝いをしました。
お七夜の料理は長男の時も私の母が作ってくれたので、今回も一緒にメニューを考えて、母に作ってもらいました。お刺身や煮物、お赤飯などです。
写真に写っている誕生日ケーキは、私の姉2人が内緒で用意をしてくれていて、当日持ってきてくれたのと、主人の両親がお祝いで購入してきてくれたものです。
本当に産後すぐの行事ですが、私は幸い普通分娩で産後の経過も良好だったので、体調も悪くなく、楽しいお七夜になりました!
しきたりでは、お七夜に家族や親戚が一堂に会してお祝いをします。その場合、aoao0204さんのよう自分の母親に料理をお願いしたり、家族で分担して持ち寄ったりすると、ママの体への負担を最小限におさえられますね。出前やケータリングを頼んでもいいでしょう。
とはいえ、大人数の相手をすることでママが疲れてしまったり、両親が遠方に住んでいて簡単に集まれなかったりすることもありますよね。そういうときは、無理に集まる必要はありません。お七夜のあとはお宮参りのお祝いも続くので、ママの体調を最優先にして、パパと2人でお祝いしてもいいでしょう。
ケース③ お七夜は出前でサクッと!
mizuki.thさんのお七夜体験談
写真は、下の子のお七夜のときのものです。実は、上の子のときはお七夜の存在さえ知らなくて…。下の子の出産前に、Instagramでお七夜の投稿を見て慌てて調べ、初めて知りました。
お七夜を知ったものの、どうしようかなぁと思っていたら、お七夜の前々日くらいにお祝い膳の出前の折込チラシが入っていて、「これだ!」と、母が予約をしてくれました。
ここのお祝い膳は、前日の予約でも届けてくれたので大助かり。お弁当なので後片付けもほとんどなく、産後間もない私にとってはかなり良心的でした。
ケース④ お七夜は命名書だけで簡単に!
riii.mamaさんのお七夜体験談
妊娠してからSNSで赤ちゃんの写真を見るようになって、「お七夜」というものがあると知りました。そこからすぐに、参考にできる人を探して、命名書でお祝いして写真を撮ろうと決めました。
着せているセレモニードレスは、パパのお下がりです!退院のときにも着せたし、お宮参りでも着せる予定です。1着あると、色んな場面で使えて便利ですね。
お七夜は産後すぐのときだったので、正直体力的にはしんどかった…。ですが、写真に使う小道具などを妊娠中に準備していたので、写真は問題なく撮ることができました!事前に準備しておいてよかったなと思います。
最近は、食事などで特別感は特に出さず、命名書と写真だけでお七夜を済ませる家庭も多いようです。食事は準備の手間がどうしてもかかりますし、赤ちゃんをお祝いするという意味では命名書だけでも十分です。
最近はriii.mamaさんの写真ように、可愛らしい命名書がハンドメイドサイトなどでも販売されています。お気に入りの命名書を用意して、写真に収めましょう。
お七夜はやらなかった…Yさんのケースは?
ここまでは、自分らしいスタイルでお七夜を行ったママの体験談を紹介しましたが、「お七夜をしなかった」というママももちろんいます。
ここでは、お七夜をしなかったママの体験談もご紹介しますね。
お七夜はやらなかった!Yさんの体験談
私は2人子供を出産していますが、どちらも生後5日目に退院しました。
第一子も第二子も、7日目は正直「お祝いなんてやってる暇ない!」という感じで、お七夜のお祝いらしいことは何もしていません。
どちらも自然分娩でしたが、会陰が避けて痛かったし、慣れない育児が大変すぎて…。家での生活が始まることで、いっぱいいっぱいでした。
お七夜の代わりというわけではないですが、上の子は生まれたその日に名前を決めたので、お見舞いに来てくれた人や、出産の報告をするような親しい人には、都度名前を披露していました。
逆に下の子は、お七夜の日までに名前が決まらなかったんです。お七夜に命名書を作る…ということが、まず不可能でした。
とにかくバタバタとしていて、お七夜をするママはどうしているんだろうと、疑問だらけ。皆さん本当にすごいなと思います。
Yさんのように、お七夜の日はバタバタしていて「それどころではない!」というママが多いのも事実です。お七夜は、医療がまだここまで進んでいなかったり、親戚が近所に住んでいたりした頃の風習です。「体がつらい」「必要ない」と思ったら、お七夜をしないという選択をするのもありだと思います。
家族と話し合って、ママと赤ちゃんにとって一番いいと思える選択をしてくださいね。
お七夜はママや赤ちゃんのペースに合わせて
日本のしきたりの1つとして語られる「お七夜」は、産後7日のママには難しいことも多いもの。
風習に縛られすぎる必要はありません。今回ご紹介したケースのように、家族に頼ったり、妊娠中から用意したり、はたまたお七夜をやらないという選択もあります。くれぐれもママと赤ちゃんに無理のないようにしてくださいね。