こんにちは、編集部の石川です。「赤ちゃんにスキンケアをしてあげた方がいい」とは聞いても、実際どのようにしたらいいのか分からない…と悩んでいませんか?
今回は、皮膚科専門医で、子供の皮膚に詳しい「恵比寿mamaクリニック」の加藤円香先生に、赤ちゃんのスキンケアについて解説してもらいました。
なぜ、赤ちゃんのスキンケアが大切なのか
取材前私は、赤ちゃんの肌は何もしなくても「もちもちすべすべ」というイメージがあったのですが、実は赤ちゃんにとってスキンケアはとても大切なのだそう。
赤ちゃんにはスキンケアをしてあげた方がいいのですか?何もしなくても良さそうなイメージがあるのですが…。
編集部 石川
加藤先生
とても敏感な赤ちゃんの肌を守るために、きちんとスキンケアをしてあげてください。
赤ちゃんの肌は大人と比べて薄く、刺激に弱い状態です。
また、皮膚のターンオーバーのサイクルが速く、肌の水分や脂を溜め込む角層がきちんとできる前に、次の皮膚に入れ替わってしまいます。そのため、赤ちゃんの肌は乾燥しやすいんです。
肌が乾燥していると、何か悪いことがあるのでしょうか?
編集部 石川
加藤先生
肌が乾燥していると、皮膚のバリア機能が弱くなって、食べ物や花粉、ホコリといった外からの刺激を受けやすくなります。
そうしたものが肌を通して外から入ってくると、アレルギーが起こりやすくなります。ただでさえ刺激に弱いのに、乾燥してしまうと肌トラブルも起こりやすくなってしまいます。
いつから赤ちゃんのスキンケアは必要?
そうなんですね…知らなかったです。保湿が大切なことは分かったのですが、具体的にいつ頃から保湿が必要なのでしょうか?
編集部 石川
加藤先生
最近、新生児の頃から肌の保湿を始めることで、アトピー性皮膚炎の発症率が低くなるという研究結果が報告されています。
ですので、特に肌が弱いなと感じるお子さんや、家族に敏感肌の方がいる場合は、早めにスキンケアを始めることをおすすめします。
なるほど…赤ちゃんのもちもちすべすべ肌を守るためには、スキンケアが必要なんですね。では一体、赤ちゃんのスキンケアはどのような方法で行えばよいのでしょうか?
加藤先生曰く、大切なのは「優しく洗い、保湿し、保護すること」。ここからは、赤ちゃんのスキンケア方法を詳しくご紹介します。
赤ちゃんのスキンケア1. やさしく洗う
ポイント
- 石鹸・ベビーソープをふわふわに泡立てる
- 手でやさしく洗う
赤ちゃんの体を洗うときは、弱酸性の石鹸またはベビーソープをしっかり泡立てて洗いましょう。このとき、ガーゼなどは使わず、手で優しく洗うことが大切です。
加藤先生
最近は、沐浴の際に赤ちゃんに直接シャワーをかけて洗うことが推奨されています。湯船のお湯の汚れが肌を刺激してしまいますし、長時間お湯に浸かっていると肌が乾燥してしまうからです。
赤ちゃんは、きれいなお湯で洗ってあげることも大切ですよ。
赤ちゃんのスキンケア2. しっかり保湿する
ポイント
- お風呂を出たら5分以内に保湿
- 保湿剤はたっぷり塗ってOK
先述のように赤ちゃんの肌は乾燥しやすいので、お風呂を出たらなるべく5分以内に保湿剤を塗ってあげましょう。
ベビーローションやクリームなどの保湿剤は、赤ちゃんの肌がテカテカになってティッシュが1枚つくくらいたっぷり塗ってあげて大丈夫です。
加藤先生
保湿は1日2回、朝と夜にしてあげることをおすすめします。日中出かけると、肌が外から刺激を受けやすいので、なるべく出かける前に保湿をして、刺激から肌を守ってあげましょう。
赤ちゃんのスキンケア3. 肌を保護する
ポイント
● 授乳や離乳食の前後に、ワセリンやクリームを塗る
実は赤ちゃんのスキンケアでは「肌を保護する」ということも大切です。母乳やミルク、離乳食などが肌につくと、それが刺激となって乳児湿疹やよだれかぶれを引き起こしてしまいます。
そのため、授乳や離乳食の前後はワセリンやクリームを顔に塗って、食事による刺激から肌を保護してあげましょう。
赤ちゃんのスキンケアで気をつけることは?
赤ちゃんのスキンケアで注意が必要なのは、「とにかく優しく」ということ。
赤ちゃんの肌トラブルは、「きれいにしてあげよう!」と、ママがゴシゴシ洗ってしまうことも原因の一つです。
赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、赤ちゃんを洗ってあげるときは、肌をこすらないようにしてください。
また、前にも述べた通り、肌が乾燥すると赤ちゃんの肌のバリア機能がさらに弱くなってしまうので、こまめな保湿を心がけてくださいね。
赤ちゃんのスキンケアに使う保湿剤はどれがおすすめ?
保湿剤というと、ベビーローションやベビークリーム、ベビーオイルなど様々な種類があってどれを使えばよいか迷ってしまうかもしれません。
加藤先生
保湿剤は、ベビーローションとベビークリーム、どちらでも使いやすい方を使えばいいと思いますよ。夏はサラッとしたベビーローションですませ、乾燥しがちな冬場はこってりとしたベビークリームを使う、といった感じでもかまいません。
あえておすすめするとしたら、セラミドやヘパリン類似物質などが入った保湿効果の高いもので、なおかつ水分と油分のバランスのよい乳液(乳状ローション)タイプやクリームタイプがおすすめですね。
正しいスキンケアで赤ちゃんの肌を守ろう
3歳頃までは、ママ・パパが丁寧にスキンケアをしてあげた方がいいと、加藤先生は言います。
スキンケアをしていても肌トラブルが起きてしまうこともありますが、少しでも肌トラブルを減らすために、正しい方法でスキンケアをしてあげてくださいね。
取材協力
恵比寿mamaクリニック
恵比寿にある、ママと家族のための漢方&皮膚科クリニック。一般皮膚科だけでなく、小児皮膚科や美容皮膚科など、肌に関する悩みの総合的なサポートを行なう。