この記事では、たんぱく質を含む食材と、離乳食初期におすすめのたんぱく質が摂れるレシピを紹介します。
また、3大アレルゲン(卵・小麦・乳製品)には材料名に★マークをつけています。医師と相談のうえ進めてください。他の食材におきかえても構いません。
たんぱく質ってどんな栄養素なの?
離乳食において、主食の炭水化物、野菜や果物のビタミン類が摂れるようになると、次に必要となってくるのがたんぱく質です。
たんぱく質は、赤ちゃんの健康的な体作りに欠かせない栄養素の一つで、筋肉や血を作るもとになる栄養素です。
ただし、たんぱく質は不足しても過剰でも赤ちゃんの体に影響がでるおそれがあるので、適量を守りましょう。
離乳食では、他の栄養素と合わせてバランス良くたんぱく質を摂ることが大切ですよ。
離乳食初期はどれくらいたんぱく質を摂ればいい?
離乳食初期の1食分のたんぱく質量の目安は以下の通りです。初期に食べられる食材と合わせて参考にしてください。
離乳食初期(前半)の1食分のたんぱく質
● しらす…3gほど
● 豆腐…10gほど
● 卵黄…耳かき1杯分〜小さじ1/2ほど
● 白身魚…3gほど
離乳食初期(後半)の1食分のたんぱく質
● ヨーグルト…15g
● 豆腐…25g
● 卵黄…耳かき1杯分〜小さじ1ほど
● 白身魚…10gほど
分量はあくまで目安量になります。個人差があるので量は調整してくださいね。
離乳食初期に食べられる
たんぱく質を含む主な食材は?
たんぱく質は肉や魚介類に多く含まれているイメージが強いですが、実は穀物にも含まれています。
離乳食初期の赤ちゃんが食べられる、たんぱく質を多く含む食材で代表的なものは以下のとおりです。
豆腐/豆乳(※)/高野豆腐/きなこ/水煮大豆(※)
● 卵・乳製品
ヨーグルト(無糖)/卵(ゆで卵黄)(※)
● 魚介類
しらす干し/鯛/かれい/ひらめ/たら
● 米・パン・麺類
白米(10倍がゆ)/食パン(耳以外)/うどん/そうめん/オートミール(※)
※豆乳は、豆腐などの大豆食品に慣れたあとを目安に、無調整のものを使いましょう。
※水煮大豆は、米がゆや豆腐に慣れた頃を目安に使いましょう。消化しにくい薄皮はむいてから調理してください。
※果物に含まれる酵素によって、かゆみや肌に赤みなどがあらわれることがあります(※1)。初めて食べるときは加熱し、アレルギー症状や心配ごとに備えて、かかりつけの医療機関を受診できる曜日の午前中に与えましょう。
※オートミールは、米がゆに慣れたあとの離乳食初期から与えられますが、ペースト状になるまで調理するか、粒が細かい物(クイックオーツ)を使用しましょう。
上記の食材を初めて食べる場合は、必ず加熱して一品ずつ与え、食べ慣れたら他の食材と合わせてください。
大豆・豆類を使った離乳食初期のレシピ
豆腐のおかゆ
▼材料(1食分)
・10倍がゆ 大さじ3〜4
・豆腐(絹ごし) 20g
・だし汁 小さじ1
▼手順
1. 豆腐を電子レンジで30秒ほど加熱して軽く水気を切り、すりつぶす。(※1)
2. 1とだし汁を混ぜ合わせる。
3. 10倍がゆに2をのせる。
※1 電子レンジで加熱するのは水を切るためなので、ラップは不要です。
じゃがいもと豆腐のスープ
▼材料(1食分)
・豆腐(絹ごし) 20g
・玉ねぎ 5g
・だし汁(昆布だし) 20ml
・じゃがいもペースト 10g
1. 豆腐と玉ねぎを鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて沸騰させる。
2. 豆腐をザルに取り、すり鉢に移してすりつぶす。
3. 玉ねぎがやわらかくなったら、すり鉢に移してすりつぶす。
4. だし汁を鍋で温め、2、3、じゃがいもペーストを加え、混ぜながら沸騰させる。
高野豆腐とかぼちゃのトロトロあえ
▼材料(1食分)
・かぼちゃ 15g
・高野豆腐のペースト 20g
・だし汁(昆布だし) 大さじ3
▼手順
1. かぼちゃの種とわたをスプーンで取り除き、5mm程度の角切りにする。
2. 1と水を耐熱皿に入れラップをして、電子レンジで40〜50秒加熱する。
3. 2のかぼちゃがやわらかくなったら、すり鉢に入れてすりつぶす。
4. 3に高野豆腐のペースト、だし汁を加える。
5. すりこぎで全体がトロトロになるまですりつぶしながらよく混ぜる。
豆腐のクリームスープ
▼材料(1食分)
・豆腐(絹ごし) 20g
・野菜スープ 大さじ1
・★粉ミルク(調乳済のもの) 大さじ1
・片栗粉 小さじ1/3
▼手順
1. 豆腐をすりつぶす。
2. 1にミルクを混ぜる。
3. 2を電子レンジで1分ほど加熱する。
4. 3を鍋に入れて火にかけ、野菜スープでといた片栗粉を加えて加熱する。
乳製品を使った離乳食初期のレシピ
ヨーグルトとたらのあえもの
▼材料(1食分)
・たら 10g
・トマトペースト 10g
・★ヨーグルト(無糖) 10g
▼手順
1. たらをゆで、骨と皮を取り除き、すり鉢でつぶす。
2. 1にトマトペーストを加える。
3. 2とヨーグルトをあえる。
かぼちゃヨーグルト
▼材料(1食分)
・かぼちゃペースト 15g
・★ヨーグルト(無糖) 15g
▼手順
1. かぼちゃペーストとヨーグルトを混ぜる。
魚介類を使った離乳食初期のレシピ
しらすがゆ
▼材料(1食分)
・10倍がゆ 大さじ3〜4
・しらすペースト 5g
▼手順
1. 10倍がゆにしらすペーストをのせる。
ほうれん草と鯛のうま煮
▼材料(1食分)
・ほうれん草ペースト 15g
・鯛 15g
・だし汁(昆布だし) 15ml
▼手順
1. 鯛を鍋や電子レンジで加熱し、身をほぐし、すり鉢ですりつぶす。
2. ほうれん草ペーストにだし汁と1を混ぜ合わせる。
しらすのクリーム煮
▼材料(1食分)
・★粉ミルク(調乳済のもの) 10g
・しらす干しペースト 10g
・片栗粉 適量
▼手順
1. ミルクとしらす干しペースト、水で溶いた片栗粉を混ぜ合わせる。
2. 1を電子レンジで20~30秒程度加熱する
米・パン・麺類を使った離乳食初期のレシピ
ミルクパンがゆ
▼材料(1食分)
・食パン(冷凍/8枚切り) 1/8枚
・★粉ミルク(調乳済のもの) 20ml
▼手順
1. 凍ったままの食パンをおろし金ですりおろす。
2. 鍋に1とミルクを混ぜてひと煮たちさせ全体をふやかす。
※ミルクの甘味が優しいパン粥です。冷凍したパンをおろし金ですりおろすと、簡単に細かくできるので時短になりますよ。冷凍していないパンの場合は、こまかくちぎって使用してください。
きゅうりうどん
▼材料(1食分)
・★うどん 15g
・きゅうりペースト 大さじ1
・だし汁(昆布だし) 大さじ2
▼手順
1. 鍋にお湯をわかし、うどんをやわらかくゆでる。
2. 1を細かく切って、裏ごしをする。
3. 2ときゅうりペースト、だし汁を合わせてよく混ぜる。
そうめん入り野菜ミルクがゆ
▼材料(1食分)
・★そうめんペースト 10g
・★粉ミルク(調乳済のもの) 10ml
・かぼちゃペースト 10g
・ほうれん草ペースト 10g
▼手順
1. すべての材料を混ぜ合わせる。
たんぱく質を含む食材をバランスよく離乳食に取り入れよう
たんぱく質は、多くの身近な食材に含まれています。離乳食初期から使える食材も多いので、参考にしてみてくださいね。バランスの取れた離乳食を作って、赤ちゃんの健康的な体作りをサポートしましょう。
※ 赤ちゃんの成長や発達に合わせて無理なく進めましょう。
※ 赤ちゃんが食物アレルギーの診断を受けている、または疑いのある場合は必ず医師と相談のうえ進めてください。
※ レシピの食材は旬のものや自宅にあるものに置き換えてもかまいません(ただし、その時期に食べられる食材かどうかチェックしましょう)。
監修専門家:管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍、雑誌等へのレシピ提供・監修も行っています。著書に『きちんとかんたん離乳食』(赤ちゃんとママ社)、『1~3歳発達を促す子どもごはん』(日東書院)など。2児の母。