子どもが3歳になると、コミュニケーション能力がぐんぐん発達します。その反面、ママやパパが他の子と比較してしまい、「うちの子は◯◯ができないけど大丈夫かな?」と心配になることも。
そこで今回は、3歳児の発達について、一般的な発達の目安や特徴のほか、身長や体重なども含めまとめました。
● 3歳児はトイレトレーニングをした方がいいの?
● 3歳児の身長・体重は?
● 3歳児の言葉の発達はどれくらい?
● 3歳児の身長や体重など、発達に不安があるときは?
● 3歳児が受けておきたい予防接種は?
3歳児の発達の目安や特徴は?
3歳児はコミュニケーション能力が発達し、社会性が高まる時期です。自分やママとパパ以外の世界に興味を示し、好奇心が旺盛になってきますよ。
2歳から続いていたイヤイヤ期も、3歳半ばくらいまでには徐々に落ち着いてくることが多いです。乳歯もほとんどが生え揃うなど、目覚ましい成長ぶりにママやパパは驚くかもしれませんね(※1)。
3歳でできるようになることの具体例は以下のとおりです(※2)。ただし、これらはあくまで目安です。子どもの発達には個人差があるため、まだできなかったとしてもあせる必要はありませんよ。その子なりの成長を見守ってくださいね。
精神的な発達
● 物の大きい小さい・長い短いがわかる
● 赤・青・黄・緑の4色がわかる
社会性・行動の発達
● 大人の指示に従える
● 会話中に視線が合い、やりとりが成立する
● 会話中に突然別の話をしたり、動き回ったりしない
● 自分の名前を言える
運動機能の発達
● 手と足を交互に振って歩ける
● 走ったり、ジャンプしたりできる
● 三輪車に乗れる
● 足を交互に階段を上れる
● 鉛筆で○を描ける
● 積み木を8個積み上げられる
● 箸を使えるようになる
● 洋服の大きなボタンを掛けられる
● 親指と人差し指で輪を作れる
情緒の発達
● 遊びや会話でのやりとりが成立する
● 相手を見て必要な要求を伝えられる
● 親から離れて同年齢の子と遊べる
3歳児はトイレトレーニングを開始した方がいいの?
トイレトレーニングの開始時期に特に決まりはありません。
一般的には、2歳後半〜3歳頃にトイレトレーニングを始める人が多いようで、夜間や外出中はおむつを使いつつ、昼間はパンツに移行する子が出てきます。
トイレトレーニングは、早いと3歳中に完了する子もいますが、個人差があるのであせる必要はありません。子どもの成長に合わせて進めていきましょう(※3)
3歳児の身長・体重は?
厚生労働省によると、3歳児の身長と体重の目安は以下のとおりです(※4)。
3歳0〜6ヶ月未満の身長・体重の目安
身長 | 体重 | |
男の子 | 88.8~101.8cm | 11.72~17.43kg |
女の子 | 87.7~100.6cm | 11.04~16.76kg |
3歳6〜12ヶ月未満の身長・体重の目安
身長 | 体重 | |
男の子 | 92.0~105.8cm | 12.42~18.82kg |
女の子 | 90.9~104.5cm | 11.83~18.27kg |
身長・体重は個人差があるためあまり気にしすぎる必要はありませんが、身長がほとんど伸びない、体重が急に増えてきた、ほとんど増えないといった場合は小児科に相談してみましょう。
3歳児の言葉の発達はどれくらい?
3歳児の言葉の発達の目安は、2語文でしゃべれることです(※2)。
「ママ ちょうだい」「パパ あそぼ」など、意味の通じる言葉や具体的なことを伝えられるようになります。なかには3語文を話す子もいます。
発音がはっきりしなくて心配になることもあるかもしれませんが、サカナをチャカナと言ったり、ダルマをラルマと言ったりするのはよくあることです。こうした発音は5歳頃にはっきりしてくるので、安心してくださいね(※2)。
自分で考え、行動しようとする意志が強くなる時期なので、「なぜ」「どうして」と盛んに質問するようになります。言葉の引き出しを増やせるように、たくさんコミュニケーションをとってあげましょう。
相手の気持ちを考えながら、日常的な会話ができるようになるので、子どもとの会話がこれまで以上に楽しくなってきますよ。
3歳児の身長や体重など、発達に不安があるときは?
3歳児の身長や体重、発達に不安があるときは、3歳児健診で聞いてみましょう。
3歳児健診の検査内容
3歳児健診で行われる代表的な検査は以下のとおりです(※2)。
● 問診
● 名前や年齢などを聞き、簡単な会話が成り立つか
● 目、耳、鼻の検査
● 歯磨き指導
● 栄養指導
● 尿検査
医師などの専門家に相談する目安
保健師や医師から「異常あり」と言われると不安になりますが、集団健診は短時間に検査しなければならない事情や、いつもと違う環境から緊張してできないということもよくあります。
あくまで目安ですが、次のような場合には市の保健師や小児科の医師に相談するママやパパが多いようです(※5)。
● 一人で遊ぶことが多い
● 人との関わりを拒否する
● 本来のおもちゃの遊び方以外の方法で遊ぶ
● 特定の物事に強い興味関心がある
● こだわりが強い
● 肌や足の裏などの触覚が過敏である
3歳で受けておきたい予防接種は?
3歳になったら定期接種の一つである「日本脳炎ワクチン」を接種しましょう。
日本小児科学会は、初回接種を3歳のときに6日以上の間隔を空けて2回、3回目を初回からおおむね1年後に、4回目を9〜13歳未満に受けるよう推奨しています(※6)。
日本脳炎ウイルスに感染すると、急な発熱や頭痛、場合によってはけいれんを起こしたり、昏睡状態になったりするおそれがあります。なるべく早めに、かかりつけの小児科でワクチンを接種しましょう。
3歳児の可能性を広げてあげよう
3歳児になると、やりたい気持ちと行動が伴いはじめ、どんどん自立していきます。「危ないから」「急いでいるから」という理由でダメと言わずに、色々なことにチャレンジさせて、可能性を広げてあげてくださいね。
一方で、親としては子どもへの接し方に悩む時期でもあります。共働き世帯にとっては子どもと一緒にいられる時間の長さが気になるかもしれませんが、短い時間でも子どもの気持ちにしっかり向き合ってあげられるといいですね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
※1 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱」
※2 国立成育医療研究センター「改訂乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」
※3 日本小児泌尿器科学会「小児の排尿機能発達・尿失禁症」
※4 厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査」
※5 福島県「福島県発達障がい児 『気づきと支援』ガイドライン」
※6 日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報 日本脳炎ワクチン」