川崎病の原因と初期症状は?うつるの?

子どもが注意すべき病気の一つに「川崎病」がありますが、詳しくは知らないという人がほとんどではないでしょうか。もしかかったときに早く適切な治療を受けさせるためにも、症状についてママやパパが知っておくことが大切です。

そこで今回は、川崎病とはどんな病気か、原因や初期症状、うつるのかなどをご説明します。

川崎病とは?原因は?

川崎病とは、全身の血管に炎症が起こる病気です。生後数ヶ月から4歳以下の子どもを中心に発症し、特に1歳前後の乳幼児で最も多く見られます(※1)。

特に日本などの東アジア系の人々に多く見られ、女の子よりも男の子の方が発症人数が多いのが特徴です。

川崎病の原因ははっきりと分かっていませんが、遺伝的な要因も関係しているのではないかと考えられています(※2)。

川崎病の症状の特徴は?

川崎病は、発熱や咳、鼻水など風邪のような初期症状の後、以下のような特徴的な症状が現れてきます(※3)。

● 高熱が続く
● 全身にいろいろな形の赤い発疹が出る
● 両方の目が充血する
● 唇が腫れのどが赤くなり、舌に赤いブツブツができる(イチゴ舌)
● 手のひらや足の裏が赤く腫れて指がむくみ、熱が下がった後に皮がむける
● 首のリンパ節が腫れる

上記の症状のうちいくつか該当する場合は、念のため早めに小児科を受診しましょう。

川崎病の治療方法は?後遺症は残る?

川崎病と診断された場合、入院をして薬や点滴によって炎症を抑える治療をします。

川崎病では心臓に血液を送り込む「冠動脈」に小さなコブのようなものができる場合があり、10日以内に炎症を早期に抑えることが重要です(※2)。

治療をしっかりと行うことで、死亡率は1%以下まで抑えられます(※4)。

症状がおさまった後も、発症から2~3週間後、6~8週間後、6ヶ月〜1年後、そして長期的には5年間検査を繰り返して、異常が現れていないかを確認します(※2)。

もし後遺症が残った場合は、長期に渡って服薬や検査が必要になります(※2)。

川崎病はうつる?

川崎病自体は感染症ではないため、うつることはないと考えられています。

ただし、川崎病は兄弟姉妹で発症するケースがあり、これらは兄弟姉妹間の感染ではなく、発症しやすいかどうかの体質によるものと考えられているので、特に対策を練ることはできません。

川崎病が疑われる症状が出たらすぐに病院へ

4歳以下の子どもを持つ親にとって、川崎病は注意したい病気の一つです。発症率はそれほど高くありませんが、症状が治まったあと心疾患が現れることもあり、命に関わる危険性もあるので油断はできません。

子どもはよく熱を出すものですが、風邪のような初期症状が出た後、高熱が続いたり全身に発疹が出たりと川崎病特有の症状が現れたときには、躊躇せず小児科を受診しましょう。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


【参考文献】
※1 日本川崎病研究センター「第26回 川崎病全国調査成績」
※2 MSDマニュアル プロフェッショナル版「川崎病」
※3 日本川崎病学会「川崎病診断の手引き 改訂第6版」
※4 日本医師会「川崎病 川崎病の予後と後遺症」

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