抱っこでの寝かしつけに成功したはずなのに、布団に降ろした途端に起きてしまう「背中スイッチ」。赤ちゃんが寝てくれないとママやパパの負担も大きくなるため、背中スイッチを押さない方法を知りたいですよね。
そこで今回は、赤ちゃんの背中スイッチについて、原因をはじめ、いつまで続くものなのか、起きてしまうときの対策などをご紹介します。
背中スイッチはいつまで続くの?原因はなに?
背中スイッチは、新生児時期から生活・睡眠リズムが整いだす生後4~5ヶ月くらいまでに多く見られます。
しかし原因や時期が明確なものではないうえ、個人差もあるので、1歳近くまで続く子もいます。背中スイッチを引き起こす原因は、以下のように考えられています。
新生児期のモロー反射の影響
新生児期にみられる原始反射のひとつ「モロー反射」が影響して、ちょっとした刺激で手足が動いてしまい、その反動で起きてしまうことがあります。
抱っこから布団に降ろされたときの姿勢の変化
ママやパパの腕のなかで心地良く寝ついたところ、姿勢が変わったことで起きてしまうケースも。
赤ちゃんの背骨はC字の形をしているため、布団やベッドの上で真っすぐに伸ばされ、不快で起きてしまうという説もあります。
抱っこから体が離れたときの温度差
ママやパパの体温を感じながらウトウトと眠りについた途端に、冷たい布団やベッドに移された変化を感じ取って起きてしまうこともあります。
眠りが浅かった
月齢の低い赤ちゃんは大人に比べて眠りが浅いのが特徴です。
新生児の場合、レム睡眠と呼ばれる浅い睡眠が約半分を占め、このタイミングで環境が変わると目が覚めやすくなってしまいます(※1)。
浅い睡眠時間は成長とともに減っていき、6歳くらいになると、浅い睡眠と深い睡眠の割合が大人と同じくらいになります。
ママやパパと離れるのが寂しい
ママやパパに抱かれていると、体温・鼓動・声・優しく揺れる感覚がお腹のなかにいるときに似ていて、眠りにつきやすいともいわれています。
体温だけでなく、匂いや音などで、急に離れたことを察知して起きてしまうとも考えられています。
背中スイッチで赤ちゃんが起きるときの対策は?
背中スイッチで起きてしまわないようにするためには、赤ちゃんのクセや心地良い状態を見極めて対策をするといいでしょう。
以下の具体的な対策法を参考に、実践してみてくださいね。
バスタオルやおくるみに包む
バスタオルやおくるみに包んであげると、安心して寝つきがよくなるといわれています。ママのお腹の中にいたときのような、体を丸めるような姿勢で寝かせてあげるのがコツです。
ただし、きつく巻いたり、巻いたまま目を離したりしないよう注意してくださいね。
体を密着させたまま布団に降ろす
ママやパパと体を密着させたまま布団に寝かせると、温度差が少ないのでおすすめです。
事前に布団を人肌程度に温めておくのもいいですね。布団を温めるときは、熱がこもるほどにならないようにしましょう。
薄手のクッションを背中に当てながら抱っこする
あらかじめ敷布団変わりになる薄手のクッションを背中に当てたまま抱っこで寝かすと、床に降ろしても環境の変化を感じにくく、寝続けてくれることがあります。
お尻から順にゆっくり降ろす
背中が急に伸びないよう、お尻を支えたまま床に降ろし、ゆっくり手を引き抜きます。ママやパパが赤ちゃんに体を寄せながら、お尻・腰・背中の順に床につけてあげるのがポイントです。
寝ついてもしばらくは抱っこで過ごす
抱っこ中に赤ちゃんが眠り始めてから5〜8分待ってベッドにおくことで、赤ちゃんが起きにくくなったという報告もあります(※2)。
赤ちゃんが寝ついてもしばらく抱っこで過ごしてから、ゆっくりと布団に降ろしましょう。
背中スイッチは家族で協力して乗り越えよう
月齢が低いうちはどんなに環境を整えたところで、ベッドや布団に降ろした途端に起きてしまうことがあります。
今回ご紹介したような対策をしつつ、パートナーと寝かしつけを交替したり、一時保育などに預けたりして休む時間を作りながら、上手に付き合っていけるといいですね。
※1 厚生労働省「未就学児の睡眠指針」
※2 理化学研究所「赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学」