最近よく耳にする「シュウ酸」は、妊娠中に摂っても大丈夫なのか気になっているのではないでしょうか。量や調理法で気をつけておきたいことがあれば知っておきたいですよね。
そこで今回は、妊婦さんはシュウ酸を摂ってもいいのかや含まれる食材などをご紹介していきます。
シュウ酸ってどんなもの?尿路結石を引き起こすの?
シュウ酸(蓚酸)とは、アクの成分となるものでさまざまな食材に含まれます。適切な処理をせずに食べ続けると、体のなかで固まって「尿管結石」などを引き起こすことがあります。
女性の場合、15人に1人が生涯で一度は尿路結石にかかると推定されています(※1)。
尿路結石は悶絶するような激しい痛みを引き起こしますが、妊婦さんは時期によっては強い痛み止めを使えません。
治療としては、自然に結石が尿と一緒に出てくるのを待つことが多く、産後まで出てこないことも少なくありません。
シュウ酸が含まれる食材って?妊娠中は控えたほうがいい?
シュウ酸は以下のような食材に含まれます。
● ほうれん草
● タケノコ
● ショウガ
● ビート
● キャベツ
● 春菊
● サトイモ
● サツマイモ
● チョコレート(特にハイカカオのもの)
● 抹茶
● ココア
● 紅茶
● 玉露
● 煎茶 など
シュウ酸が入っている食材には栄養豊富なものもたくさんあります。妊娠中に避ける必要はありませんが、偏って食べることはやめておきましょう。
春菊やタケノコなどの野菜類はカットしてから茹でて、茹で汁は使わないようにすれば、体に入るシュウ酸の量を減らすことができます。
ほうれん草などの葉物はレンジで加熱すれば簡単に茹でられますが、鍋で茹でるほうがシュウ酸の量が少なくなります。冷凍のものは自然解凍よりも流水解凍するのがおすすめです。
妊娠中に尿路結石を引き起こさないためにできることは?
妊娠中に尿路結石を引き起こさないようにするために、シュウ酸が入っている食材を食べすぎない以外に、以下のような対策をしておくと安心です(※1)。
水分をしっかりと摂る
水分が足りないと、尿が濃くなって尿路結石ができやすくなります。こまめに水分補給をしましょう。
食物繊維・カルシウム・マグネシウム・クエン酸を適量摂るようにする
シュウ酸を多く含む食材を摂るときには、尿路結石ができにくくなる食材を一緒に摂れるようにするのがおすすめです。
● 食物繊維:きのこ類、海藻類、大豆、おから、とうもろこし
● カルシウム:小松菜、干しエビ、ししゃも、木綿豆腐、牛乳
● マグネシウム:玄米、そば、全粒粉パン、木綿豆腐、アオサ、ひじき、切り干し大根
● クエン酸:梅干し、みかん、レモン、かぼす、ライム
動物性たんぱく質・塩分・プリン体・糖分・脂質は摂りすぎない
動物性タンパク質や塩分、プリン体、糖分、脂質を過剰摂取すると、尿路結石が作られやすくなります。
体調が安定しているときは、食材をバランスよく食べることを意識できるといいですね。
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※1 日本泌尿器科学会「尿路結石症診療ガイドライン 2023年版 第3版」