ゆったりとした動きと呼吸法を軸に、心地良く有酸素運動を行うヨガ。産後の体に負担をかけずに体を動かすことができると、産後のママたちにも人気です。
今回は、全国展開しているヨガスタジオ「スタジオ・ヨギー」の、赤ちゃんを連れて行ける「産後リカバリークラス」を取材。産後ヨガのメリットや自宅でも簡単にできるポーズもご紹介します!
産後は赤ちゃんにつきっきり…
出産の影響で骨盤が開くことにより、姿勢が悪くなって体に痛みを感じるママは多くいます。
また、骨盤が開くことで内臓の位置が下がり、代謝が低下して妊娠中に増えた脂肪がなかなか落ちないなんてことも。
とはいえ、産後は赤ちゃんのお世話で忙しいとき。「赤ちゃんを連れてジムや整体なんていけないし…」と、体をケアする機会が見つけられないのが現実ではないでしょうか。
そんなママにご紹介したいのが、赤ちゃんを連れて産後ヨガをすることができる、「スタジオ・ヨギー」の産後リカバリーヨガクラスです。
Q. 産後ヨガがおすすめな理由は?
そもそも、ヨガが産後の体型戻しやダイエットに良いのはどんな理由からなのでしょうか?
スタジオ・ヨギーの産後リカバリークラスで、ヨガ講師をしているリカ先生に、その理由をうかがいました。
ヨガにはさまざまな呼吸法があり、また深い呼吸と共に体を動かすことで気分をリフレッシュさせ、自律神経を整える働きがあります。呼吸を整えると、心も穏やかに安定します。
そしてヨガのポーズには、不安定になりがちな骨盤周りを安定させ、緩んで弱った腹筋や骨盤底筋などコアの強さを取り戻す効果が。姿勢やボディラインにも変化が現れることでしょう。
産後の体はもちろん、心をケアするためにも、ヨガはおすすめですよ。
Q. スタジオ・ヨギーの産後リカバリーヨガクラスとは?
ここまでは、一般的な「産後ヨガ」についてご紹介しました。
次からはスタジオ・ヨギーの産後リカバリーヨガクラスの目的やプログラムをご紹介します。
産後リカバリーヨガクラスの目的
産後リカバリーヨガクラスは、妊娠・出産に伴う体力や筋力の低下を回復させること、深い呼吸とともに全身の巡りを良くし心身のリフレッシュをすることが目的です。
赤ちゃんの抱っこや授乳、おむつ替えなどで、背中を丸めることが多い時期。肩こりや腰痛などの不調を抱えるママが多いので、全身を動かして巡りを良くすることで、こわばりや緊張を解放します。
産後リカバリーヨガクラスのプログラム
さまざまなヨガのポーズや呼吸を通して、緩んで不安定な骨盤を整え、腹筋や骨盤底筋の強さを取り戻す動き・肩こりや腰痛の改善や予防ための動きを中心に行います。
赤ちゃんと一緒に参加し、赤ちゃんに手を振ったり、赤ちゃんに触れたり、赤ちゃんに目をあわせながら動きます。
産後リカバリーヨガのクラスでも、ベビーエクササイズ・ベビーマッサージ・歌などもプログラムに含めることもあります。
産後ヨガを通して体の力強さを取り戻すことは、精神的な安定を促し、母としての自信にもつながります。
また、同じ境遇のママが集まることにも良さがあります。いろいろな赤ちゃんやママたちが繋がることができ、「大変なのは自分だけではない」という安心感を得ることも。
ベビーマッサージなど赤ちゃんと一緒に動くことにより、赤ちゃんとの絆も強まりますよ。
Q. 受講中の赤ちゃんの過ごし方は?
スタジオ・ヨギーの産後リカバリーヨガクラスでは、赤ちゃんを交えた動きも体験できることが分かりましたよね。
しかし、泣いてしまったときや、おむつ替え、授乳タイムのときはどうすれば良いのか気になるところ…
ママたちには、「いつでも抱っこしてね」と声掛けをしています。泣いてしまうことを窮屈に思う必要はありません。寒くないか暑くないか、お腹減っているのかな、おむつかな、眠いのかな…。深い呼吸を通して、ひとうひとつ確認していただければ大丈夫です。
授乳やおむつ替えはマットの上で、必要なときにいつでも自由にできます。壁に寄りかかって授乳したいときはスタジオの壁際に移動される方もいます。
受講しているママの感想も聞きました!
スタジオ・ヨギーの産後リカバリーヨガクラスは産後6週間以降(帝王切開の場合は産後3ヶ月後)から、赤ちゃんがハイハイで動き回り始めるころまでのママが通っています。いずれの場合も、医師の許可が必要です。
なかには、赤ちゃんを預けて、ママだけで参加することもあります。
実際に、スタジオ・ヨギーでクラスを体験したママにも、産後ヨガを行った前と後の違いを聞いてみました。
受講者の体験談
「自宅で赤ちゃんとずっと二人なので、スタジオに行くだけで気分転換になりました。体を動かすことが気持ちよく、気分もリフレッシュできました」
「他の赤ちゃんやママたちがいるなかでの『自分と子供』を知ることができました。普段1対1で過ごしているときには見せない子供の成長や変化に気づけたのが良かったです」
「産後にヨガを始めたことで、普段落ち着いて呼吸していなかったことに気づくことができました」
「深い呼吸をすることがこんなに気持ち良いと思いませんでした。活力がわいてきます」
「抱っこ・授乳・おむつ替えなど、日常の中で、いつの間にか背中を丸めている時間が多かったことに気づきました。ヨガをすることによって、腰や肩などの痛みや緊張から解放され、楽になりました」
Q. 産後ヨガに適した時期や注意点は?
「出産してすぐに運動をしても良いの?」と、不安と感じるママもいますよね。
具体的に、どれくらいの時期から産後ヨガをするのが良いのでしょうか?
産後に緩みがちな骨盤底筋を鍛える簡単なエクササイズであれば、産後24時間以降から開始できます。しかし、産後に痛みがある方は、傷が癒えてからにしましょう。
約10ヶ月かけて変化した体です。産後の状態にあわせて緩やかなものからはじめ、少しずつ負荷のかかるものへ。ご自身の体の状態に適したものから実践すると良いですね。
例えば、股関節を大きく開いて開脚することや、仰向けから上半身をおこす腹筋運動、深いねじりや深い後屈、過度に負荷がかかるものは避けた方がいいでしょう。
自宅でできる簡単ヨガポーズを伝授!
「産後ヨガってどんな感じだろう?」と興味があるママに、産後リカバリーヨガクラスでも行っているポーズの一部を伝授していただきました。
ウットゥカータ・アーサナ (椅子のポーズ)
1. 両足揃えた状態で、肩の力を抜き、背筋を伸ばして立つ
2. 息を吸って両手を正面に上げ、息を吐きながらゆっくり膝を曲げる
3. 両手は引き離しつつお腹はそっとひき入れて、5呼吸ほどホールド
4. 息を吸いながら膝を伸ばし、息を吐いて手を下す
腹筋やお尻など、下半身を鍛えるポーズです。両手を前へと伸ばすことで、腹筋に力が入りやすくなります。
膝と膝の間に、クッションや折りたたんだバスタオル・ブランケットなどをはさんで行うのもおすすめですよ。
セーツ・バンダ・サルヴァーンガ・アーサナ(橋のポーズ)
1. 両膝を立てて仰向けに寝る
2. 息を吸いながらお尻と背中を床から持ち上げる
3. お尻の下で手と手を絡ませ、胸を十分に引き上げたら5呼吸ほどホールド
4. 息を吐きながら、手をほどいて床に戻る
両足を閉じた状態で、両ひざを寄せ合うイメージで行うとより腹筋や殿筋(お尻)、骨盤周りの強化につながります。
また、猫背になりがちな姿勢を整え、胸を開くことによって気持ちが前向きになる効果もありますよ。
こちらのポーズも、閉じた膝の間にクッションや折りたたんだバスタオル、ブランケットなどを挟んでみるのもおすすめです。
産後の体の不調や産後太りに悩むママへ
産後の体の不調や産後太りに悩むママ、産後ヨガを知らないというママに、リカ先生からメッセージをいただきました。
産後のママは、ほぼ24時間赤ちゃんのために生きているといっても過言ではないかもしれません。
赤ちゃんの授乳や排せつのお世話、暑くないか寒くないか気を配って、たくさん抱っこして。そして自分の水分はとれていなかったり、トイレもずっといけなかったり…なんてこともあるでしょう。
自分自身を大切にしないと疲弊してしまいます。ヨガの時間はほんの少しでも自分自身に心を配る時間です。自分を大切にし、敬う時間です。
自分を大切にする人は、他人も大切にできますし、他人からも大切にされます。自分の内側に目を向け、深い呼吸を満たし、心地良く動くヨガにぜひ参加してみてください。
産後ヨガは毎日少しずつの継続が大切
リカ先生いわく、産後ヨガは「目安として30分ずつ、毎日少しずつでも続けることが大切」とのこと。
自己流ではなかなか難しいと感じる方も多いもの。ヨガ自体が初めてという場合は、一度専門の講師のいるスタジオで体験してみると良いですね。
取材協力:ヨギー・インスティテュート認定インストラクター リカ先生
2004年studio yoggy公認インストラクター養成コースにて本格的に学び始め、体の外側と内側に多くの変化をもたらすヨガを、多くの方と分かち合うことに感謝と喜びを感じつつ、心温まるクラスを心がけている。
スタジオ・ヨギー
全国26か所のスタジオでは、ヨガ、ピラティス、ビューティ・ペルヴィス®(骨盤調整)の3つのプログラムを中心に、年齢や性別、経験に応じて楽しめる30以上のクラスを提供。産後、赤ちゃんと一緒に行える「産後リカバリークラス」では、ヨガのほかにピラティスのクラスもあります。