赤ちゃんが生まれてしばらくは、育児がなかなか思い通りにいかず、体も疲れやすく、思うように動かないので、ストレスは溜まりがちです。さらには、パートナーが家事や育児に協力的でなく、体調への気遣いもしてくれないと、イライラしてしまうことも。放っておくと、少しのすれ違いから大きな心の負担になってしまうケースも珍しくありません。
今回は、産後の夫婦関係について、夫婦仲が悪くなりやすい理由や修復する方法をご紹介します。
産後のママの状態は?
産後のママの状態は、肉体的な疲労はもちろん、女性ホルモンが急激に変化することで、精神面にも大きな影響を与えています。
たとえば、不安が増して急に涙が止まらなくなったり、落ち込んだり、意味もなくイライラしてしまうなど、精神的に不安定になることがあります。
産後しばらくは精神的に不安定でも、気づかないうちに落ちついていることもあれば、長期間続くことで産後うつや産後クライシスにつながるケースも少なくありません(※1)。
精神的に不安定になるのは特に珍しいことではなく、誰にでもなる可能性があります。事前にそういったことが起こると知っておくだけでも、気持ちが楽になるもの。
しかし、自分ではどうしようもない状態が続くようであれば、助産師や医師に相談することをおすすめします。
産後に夫婦仲が悪くなりやすい理由は?
産後に夫婦仲が悪くなりやすいのは、慣れない赤ちゃんのお世話による生活リズムの乱れ、出産による体の負担、ママの産後の精神状態など、ママに起こる様々な変化に対して、夫婦間での温度差があることが大きな原因の一つです。
森永乳業が行った産後のママに関するアンケートによると、産後のパートナーへの愛情に関して「変わらない」が1位、次いで「弱まった」が2位という結果に(※2)。
弱まった理由には、以下のような内容があげられます。
・ 子供が一番だから
・ 育児に手一杯
・ パートナーにイラッとする、うっとうしい
・ 自分(ママ)だけ頑張っている気になる
・ ちょっと家事や育児をしただけで得意げな態度になる
・ 育児や自分を認めてもらえずパートナーに優しくなれない
・ 育児に関してパートナーが頼りない
慣れない育児で、産後のママは精神的に追い詰められやすい状態です。体の回復を待つ間もなく、昼夜問わずのお世話がはじまることで、ストレスはたまりがち。
そうなると、どうしても身近にいるパートナーに当たってしまうことも多くなります。2人だった頃とは違って夫婦の時間がぐっと減るのも、産後に夫婦がすれ違う原因の一つです。
産後の夫婦関係を修復する方法は?
産後のママが不満を抱いている一方で、パパとしては、父親になったというプレッシャーのなかで赤ちゃんとママの間に入れず、疎外感を感じることも。
夫婦の感覚の溝を埋めるために、以下の方法を参考にしてみてください。
状況を伝えて相談する
言葉にするのが難しいときは、メールでもかまわないので、その時の気持ちを正直に夫に伝えましょう。
また、つらい状態であることを、ちゃんと伝えることも大切です。「今こういう状況だから、●●だけはしてほしい」と、夫婦で話し合ってみてください。
具体的に伝える
普段、家事や水回りのことに慣れていないパートナーには、「察して欲しい」と思わずに、具体的にしてほしいこと、お願いしたいことを言葉にして伝えましょう。
ママにとっては簡単なことでも、いざお願いすると、どこに何があるのか、どうすれば良いのか、理解していないことがほとんど。具体的にするほど近道と思って対応しましょう。
ねぎらい・感謝の言葉も添える
パートナーがやってくれたことには、クレームをつけず、ねぎらいや感謝の言葉を添えてみてください。洗濯物の畳み方、お皿の片づけ方など、多少いつもと違うやりかただとしても、「なんでできないの?」「いつも見てるよね?」と指摘せず、「ありがとう」と伝えましょう。
一人の時間を作る
数時間でも良いので、一人の時間が作れるといいですね。普段どんな風にお世話をしているのか、ママが抱えているプレッシャーがどんなものなのか、数時間でも体感することで、パパとしても自覚もより芽生えやすくなります。
夫婦の時間を作る
赤ちゃんの月齢によりますが、両親や地域の一時保育に赤ちゃんを預けて、たまには夫婦の時間を作るのも方法の一つです。
これからの育児について話すのも良いですが、我が子に対する正直な気持ちをお互いが話すこと、戸惑っている気持ちを正直に伝え合うことも大切ですよ。
産後の良好な夫婦関係のためにコミュニケーションをとろう
産後に、良好な夫婦関係を作るためには、コミュニケーションをいつも以上にとることが重要です。この時期は特に密なコミュニケーションをはかり、産後の夫婦のすれ違いがないよう意識しましょう。もし夫婦喧嘩をしてしまったとしても、できるだけ早めに仲直りできるといいですね。
また、夫婦のコミュニケーションとは別に、気持ちが不安定なことが続く場合は、無理せず病院で診てもらうようにしてください。
※1 主婦の友社『はじめてママ&パパの妊娠・出産』P.185,188~191
※2 森永乳業の育児ニュース『エンゼル 110 番レポート第 72 号 「現代のママ事情」』