近頃、生後6ヶ月のお祝いとしてハーフバースデーも広く知られるようになりましたが、やはり満1歳の誕生日は特別ですよね。満1歳の誕生日は「初誕生」とも呼ばれます。そこで今回は、初誕生のお祝いの仕方や、プレゼンをもらった場合のお返し方法についてご説明します。
初誕生とは?
「初誕生」とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎える誕生日のことで、「初誕生日」ともいいます。
古くは、誕生日を祝う風習はあまりありませんでした。しかし、乳幼児の死亡率が高く、1歳の誕生日を無事に迎えられることは大きな喜びだったことから、1歳の誕生日だけは盛大に祝う習慣が根づいたとされています(※1)。
その名残から、1歳の誕生日は、これから迎えるほかの誕生日とは違う特別な誕生日として、盛大に祝うことが多いようです。
初誕生はどうお祝いするの?
初誕生は赤ちゃんにとって初めての記念すべき誕生日なので、祖父母や親しい親戚を招いてホームパーティをする人も多いようです。
手形や足型を残したり、家族で集合写真を撮ったりする家庭も多く見られます。
ここからは、初誕生で行われる伝統的なお祝いについてご説明します。
初誕生の「選び取り」とは?
初誕生で行う「選び取り」とは、赤ちゃんが将来どんな職業に就くか、どんな大人に成長するのか占う儀式です。
赤ちゃんの前に並べたものから、何をいちばん最初に触ったり取ったりするかで、赤ちゃんの未来を占います。
古くは、男の子の前には筆やそろばん、すずりを、女の子の前には糸や針などを置いていました。現在では、両親の職業に関係したものや現在の職業に合わせた物が並べられています。
以下は、選び取りでよく並べられるものの一例です。
お箸・スプーン
「料理人になる」「生涯、食べるものに困らない」という意味になります。泡立て器を置くと「パティシエになる」という意味になるようです。
お金
「お金持ちになる」「お金に困らない」という意味になります。衛生的にお金を触らせるのに抵抗がある場合は、お財布や小銭入れで代用しても。
筆・色鉛筆
筆は「小説家や文筆家になる」「学問を極める」という意味になります。色鉛筆や絵筆なら「芸術家になる」という意味になります。
そろばん・電卓
「事業が成功する」という意味になります。また、「計算や数学が得意になる」という意味にもなるようです。
そのほか、マイクには「芸能関係に進む」、ボールなどには「スポーツ選手になる」といった意味があるようです。
赤ちゃんの未来を家族みんなで想像するのは、とても楽しいひと時になりますね。箸や鉛筆など、先が尖ったものを置くときは、赤ちゃんがけがをしないように気をつけましょう。
初誕生の「一升餅」とは?
初誕生では、一升餅を用意してお祝いする風習もあります。
地域によってお祝いの仕方は異なりますが、一升(約1.8kg)の米を炊いた餅を風呂敷で包んで赤ちゃんに背負わせたり、わらじを履かせて餅の上に立たせたりします。
赤ちゃんが1歳前に歩けるようになると「いつか家から離れていってしまう」という言い伝えがあるため、赤ちゃんにわざと重い餅を背負わせるようになったそうです。
赤ちゃんが尻餅をつくと「家から離れて行かない」と喜び、踏ん張って立っていられたら「力の強い子に育つ」と喜びます。
餅の上に立たせるのは、「この先の困難を乗り越えて行けるように」という願いが込められています。
初誕生にはどんな料理を用意するの?
初誕生を行う頃には離乳食も完了期に入ることが多く、いろいろな食材を食べられるようになってきます。
食材選びや味付けを工夫して、赤ちゃんにも大人と同じメニューを用意すると、お祝いの場が一層盛り上がりますね。
初誕生にはバースデーケーキを用意し、ろうそくを1本立ててお祝いする家庭が多いようですよ。
また最近は、海外で人気に火がついた「スマッシュケーキ」にチャレンジする人も多いようです。スマッシュとは英語で”壊す”という意味で、文字どおり、赤ちゃんが手づかみにしてケーキを頬張ることをいいます。
カラフルな色使いのケーキが多くとても華やかなので、赤ちゃんが頬張っているシーンを動画で撮影すると、とてもいい記念になりますよ。
初誕生のプレゼントをもらったら?
初誕生に、祖父母や親戚からプレゼントをもらうことも多いでしょう。初誕生のお祝いへのお返しは、基本的には不要です(※1)。
お礼のお電話をかけたり、お礼状を出したりして、子供の成長の様子を伝えるだけで十分ですよ。
しかし、日頃からお世話になっている人からお祝いをもらったり、高価なものをもらったりした場合は、内祝いとしてお返しの品を送るケースもあります。
初誕生はひと工夫して家族みんなの思い出に
赤ちゃんにとって初めての誕生日は、家族にとっても特別な記念日ですよね。
1年前の無事の出産、そして、この1年の赤ちゃんの健やかな成長に感謝して、特別な1日を過ごせるといいですね。
その際、赤ちゃんやママ・パパを温かく見守ってくれた祖父母や親戚などにも、感謝を忘れずに伝えられるといいですね。
※1 成美堂出版『赤ちゃん・子どものお祝いごと』pp.58-60