妊娠中はどうしても体を動かしにくいですよね。運動不足は、腰痛や肩こりなど様々なトラブルにも繋がるので、家で手軽にできる「妊婦体操」を取り入れてみるのがおすすめです。
今回は妊婦体操について、効果ややり方、注意点などをご紹介します。
妊婦体操とは?
妊婦体操とは、妊娠中に起こる体の不調の解消やお産に向けた体づくりを目的とした体操です。骨盤、股関節、足などを動かしながら筋肉をほぐして鍛えることができるので、スムーズなお産の準備にも繋がりますよ。
出産が近づいてきたら、お産がスムーズに進むように産道をやわらかくする体操などもおすすめです。
妊婦体操の効果は?腰痛に効くの?
妊婦体操を行うと体全体の血流が良くなったり、骨盤まわりの筋肉が鍛えられたりするため、以下のような効果が期待できます。
妊婦体操で期待できる主な効果
・ 腰痛、肩こり、背中の痛みの緩和
・ 冷えの緩和
・ 足のむくみや足つりの緩和
・ 便秘の緩和
・ 尿もれの緩和
・ 静脈瘤や痔の緩和
・ 出産時に使う筋肉がほぐれる
・ リフレッシュやリラックス効果
妊婦体操はいつから始めていいの?
妊婦体操を行うときは、かかりつけの医師に許可をもらってからにしましょう。
軽めの体操であれば、妊娠初期から始めることができますよ。ただし妊娠初期は、体調が安定していないことも多いので無理はしないようにしてくださいね。
妊娠16週以降の安定期に入ったら、体調とお腹の大きさに合わせて取り入れていきましょう。ちょっとした空き時間を使って毎日コツコツ実践していくと、不調が緩和されたり、ストレス発散になったりしますよ。
産婦人科や助産院、地域の保健所、保健センターなどで妊婦体操教室が開催されているところもあるので、参加してみるのもいいですね。
妊婦体操をするときの注意点は?
妊娠体操は、妊娠中の体に負担がないように考えられていますが、体調不良やお腹の張りを感じた場合は、すぐに中断して安静にしましょう。
妊婦体操をするときは、腹帯やブラジャーなど体を締めつけるものは外し、ゆったりとした動きやすい服装で行ってくださいね。
切迫流産や切迫早産などで医師から安静を指示されている場合は、行わないようにしてください。妊娠経過が順調でも、前述の通り、必ずかかりつけの医師に確認してから始めましょう。
妊婦体操の基本は?腹式呼吸で行うの?
妊婦体操は、腹式呼吸で行うのが基本です。腹式呼吸による深い呼吸は自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減する効果があるとともに、内蔵の血行を良くして新陳代謝を高めます。
また、出産時に活用できる呼吸法でもあるので、早いうちから身につけておくとお産もスムーズに進みますよ。
腹式呼吸の練習方法
1. 仰向けに寝て、全身の力を抜く
2. お腹に空気を溜めるイメージで口を閉じ、鼻から息を深く吸う
3. お腹の空気を抜くように鼻から息を吐く
正しい腹式呼吸ができていれば、お腹に手を当てると下腹部が上下していることが分かります。
妊娠初期・後期の妊婦体操のやり方は?
妊娠初期と後期は激しい動きは控えたほうがいいので、足首を動かしたり股関節をやわらかくしたりする軽めの妊婦体操がおすすめです。
足首の体操
まずは、足首をほぐしていきます。椅子に座って、足首を片方5回ずつ上下させます。
次に、足を組んで上にある足のつま先を上に向け、腹式呼吸を1回行なってから下におろします。反対の足でも同様の動作を行ってください。これを左右5回ずつ繰り返し行いましょう。
股関節の体操
足首の次は、股関節をやわらかくしていきましょう。
あぐらを組んで床に座り、背筋を伸ばします。膝の上に手をおき、腹式呼吸で息を吐きながら上体を前に軽く倒します。このとき背中を伸ばしたまま倒すことを意識してくださいね。
上体を倒したまま一呼吸おき、また息を吸いながら上体を元に戻します。この動きを10回ほど繰り返し行いましょう。
お風呂の後やテレビを見ながらなど、すきま時間のストレッチにおすすめです。
妊娠中期(安定期)の妊婦体操のやり方は?
妊娠中期は、安定期といえども、お腹がどんどん大きくなり体の不調や痛みが出やすくなる時期でもあります。背筋や骨盤まわりを動かす妊婦体操を中心に行って、マイナートラブルを緩和していきましょう。
腹筋と背筋の体操
腹筋や背筋を鍛えることで、上手にいきむことができるようになり、スムーズなお産につながると考えられています。また、血行が良くなり、むくみや冷えの緩和する効果も期待できます。
まずは、四つん這いになります。顔を下に向けて、腹式呼吸で息を吸いながら背中を上に持ち上げ丸めます。下に向けていた顔を正面に向けながら、息を吐いて背中を下ろします。最後に胸を突き出すように上体を反らせます。これを5回ほど繰り返してください。
骨盤の体操
次は、骨盤を支える筋肉をやわらかくする妊婦体操です。足首の体操と同じように、出産をスムーズにしてくれる効果が期待できます。
仰向けに寝て、両膝を立てます。膝をピッタリ付けて、左右交互にゆっくり倒しましょう。この動きを5回ずつ行ってください。
滑り台のポーズ
最後は、骨盤底筋を鍛える妊婦体操です。骨盤底筋は子宮や膀胱を支える筋肉で、鍛えることによって尿もれを予防・改善することができますよ。妊娠中の尿もれは産後も続く人が多いので、妊娠中から骨盤底筋を鍛えておくのがおすすめです。
まずは、仰向けに寝て、足を腰幅に開き、膝を立てましょう。両手は下に向けて体の横におきます。次に、腹式呼吸で息を吐きながら腰を上げます。この状態を保ちながら5秒数え、息を吐きながらゆっくり腰を下ろしていきます。この流れを5回ほど繰り返してください。
なお、これら3つの妊婦体操は妊娠後期でもできますが、その場合は医師に許可を得たうえで、体調がいいときだけに行うようにしてくださいね。
妊婦体操でリフレッシュしよう
妊婦体操は体をほぐしたり鍛えたりするだけでなく、心のリフレッシュにもつながります。赤ちゃんのことを考えながらゆったり行うのもいいですね。
お腹の赤ちゃんとのコミュニケーションの時間としても、妊婦体操を日々の生活に取り入れてみてくださいね。