母乳にいい食べ物はある?母乳育児中の食事で気をつけたいことは?

授乳中は、赤ちゃんへの影響を考えて何をどのくらい食べればいいのか、食べてはいけないものはあるのかなど、気にしなければならないことが多いですよね。

そこで今回は、母乳にいい食べ物や栄養をはじめ、授乳中の食事で気をつけたいことなどをまとめました。

母乳育児にいい食べ物や栄養はある?

食事と母乳の量や質の関係性についてはまだ調査報告が十分にされておらず、母乳のために良いといわれる食べ物は明確にはありません。

母乳の分泌を促すためにはママが健康でいることが大切です。そのために以下の2つを心がけましょう。

食事のバランス

授乳中は、タンパク質やビタミン類、鉄分などは多めにとることが推奨されているため、意識して摂りましょう。

また、厚生労働省は、授乳中は1日に妊娠していない状態より+350kcalほどのエネルギーが必要であるとしています(※1)。主食・主菜・副菜・乳製品などをバランスよく取り入れ、健康のためにも偏った食事は避けましょう(※2)。

水分補給

母乳の成分の約90%は水分であるためママは脱水症状になりやすいです。できるだけ水分の多い食材を食べるようにしましょう。食材をバランスよく組み合わせ、旬の食材を使用した食事が母乳育児中の理想的な食事です。

授乳中の食事で気をつけたいことは?

これまで、乳腺炎などを予防するために特定の食べ物を避けた方が良いといわれていましたが、食べ物の制限によって乳腺炎などのトラブルを予防できるという根拠はないとされています。

UNICEF/WHOも「母親がさまざまな食品を十分に食べれば、必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルが摂れます。母親は母乳育児をしているときも、特別な食べ物を食べたり、特定の食べ物を避ける必要はありません」と発表しています(※3)。

ただし、注意したい飲み物はあります。授乳中は赤ちゃんのためにアルコールの摂取は控え、カフェインが入っている食べ物や飲み物は適度に嗜む程度にしましょう。

母乳を介して赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうと、発育や脳に影響を及ぼす可能性があるとされています。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では禁酒を推奨しているので、授乳中は控えるようにしましょう(※4)。

また、ママがカフェインを摂取しすぎると赤ちゃんが興奮してしまう可能性があるので、1日300mg(コーヒー2杯)程度に留める方がいいでしょう(※2)。

母乳育児は栄養バランスと水分が大切!

赤ちゃんのために何かを気にしがちな授乳中。栄養バランスと水分に気を使って食事を摂るようにしましょう。

いろんなものをバランスよく食べながら、母乳育児を楽しめるといいですね。

監修医師:産婦人科医 藤東 淳也先生

産婦人科医 藤東淳也先生
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。

【参考文献】
※1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※2 医学書院 『母乳育児支援スタンダード 第2版』p.338
※3 日本助産師会「乳腺炎ケアガイドライン 2020」
※4 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

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