最近よく耳にする「自己肯定感」。子どもの自己肯定感が低いと自信が持てず、失敗をしたくないからと挑戦するのを嫌がるだけでなく、非行の原因にもなると話題になっていますよね。自己肯定感の形成には、幼少期の体験が大きく影響するといわれています。
今回は、「自己肯定感の高い子」に育てるために、親ができる子どもとの接し方をご紹介します。
自己肯定感とは?高い子は何が良いの?
自己肯定感とは、「自分は生きる価値がある、誰かに必要とされている」と、自らの価値や存在意義を肯定できる感情のことをいいます。自分の良いところも悪いところも含めて自分のすべてを肯定できる、前向きな感情ともいえます。
自己肯定感の高い子どもは、自分に自信があり、何事にも挑戦していく強い心「折れない心」を持っています。
また、自己肯定感があると心に余裕が生まれ、人に優しく親切に接することができるので、多くの人が周りに集まり、支えられて生きていくことが多い傾向にあるそうです。
自己肯定感の高い子どもに育てるためのポイントは?
自己肯定感は、0~6歳の未就学児の間に土台が形成されるといわれていて、この幼少期の間は特に親の接し方が重要です。
意識したいポイントは、子どもに「愛されているんだ!という実感を持たせる」ことと、「やればできるんだ!という自信を持たせる」ことです。ここでは、自己肯定感の高い子どもに育てる5つの方法をご紹介します。
1. どんなときも「あなたの味方」と伝える
自己肯定感の形成に悪影響を与えることの一つは、「感情で子どもへの評価を変えてしまう」ことです。
何度言ってもできないことにいら立ち、できない子と決めつけたり、子どもが間違ったことをしたら「そんなことをする子は嫌い」と否定したり、事情はどうあれ、このような接し方を経験してきた子どもは、自分は愛されていない、必要ない人間かもしれないと思ってしまいます。
ときに叱ることは必要ですが、「どんなときもあなたの味方だよ」と言ってくれる存在が、その子にとって愛情となり、心の支えになり、自己肯定感につながります。叱るときも、感情が高ぶって、いつの間にか自分の怒りのはけ口になってしまうのではなく、愛を持って叱ってくださいね。
2. 小さな成功体験を積ませ、褒めてあげる
積み木やお絵かきなど、大人にとっては簡単にできることでも、子どもにとっては大変なことがたくさんありますよね。それを乗り越え、継続することは、子どもの立派な成功体験になります。
おしっこを我慢できた、苦手な人参を食べられた、幼稚園で上手に工作を作ることができたなど、小さな達成感が自信になり、その積み重ねが自己肯定感を育みます。成功したときは少し大げさなくらいに褒めてあげましょう。
褒めてあげることで、認められている実感が湧き、パパ・ママにとっても嬉しそうにする我が子を見るのは嬉しいことですよね。
褒めるときは、周囲との比較で褒めるのではなく、その子の能力や成長に焦点を当てて褒めてあげてましょう。結果ばかりに目が向きがちですが、子どもがたどってきた、そのプロセスに焦点を当ててあげると、褒めるポイントはたくさんありますよ。
3. 頑張りを認めてあげる
ポイントの2につながる話ですが、たとえ成功に結びつかなくても、頑張った過程を認め、しっかりと褒めてあげることも大切です。
そうすることで、親が自分の頑張りを見てくれているのだと安心し、失敗を乗り越え、次の挑戦に向かう勇気や自信を持つことができますよ。何より、頑張った自分の存在を認めてくれる人がいるんだという感情が心の支えになりますよね。
子どもが自ら何かに挑戦して頑張ったのに、失敗した姿を見てパパやママがため息をついたり、がっかりしたりするのは、やめましょう。子どもは失敗するのが怖くなって新たなことに挑戦したがらなくなってしまうので注意してくださいね。
4. 子どもの話を真剣にきいてあげる
子どもが何かを話しているときは、途中で口を挟んだり、テレビやスマホを見たりせず、最後まで話を聞いてあげましょう。大人でも同じですが、途中で話をさえぎられると、自分が尊重されていないと感じるものです。
真剣に話を聞くことで、パパ・ママが自分を認めてくれる存在だと感じられ、自己肯定感が芽生えます。
5. 感謝の言葉を伝える言葉「ありがとう」
「ありがとう」は相手の存在価値を認める魔法の言葉です。自己肯定感の低い子どもは、「どうせ自分なんて…」と思う傾向にあります。お手伝いや片付けなど、少しでも子どもが良いことをしたら「ありがとう!助かったよ」と感謝の言葉を伝えてあげましょう。
「ありがとう」の言葉は、人から必要とされていると感じられ、自然と自分に存在意義を持てるようになります。
子どもの自己肯定感を育みたいときにおすすめの本は?
「自己肯定感」にまつわる本はたくさん出ています。子どもの心を聴いて共感する子育てをするには、どういう接し方をすれば良いのか、具体的に知りたい場合は、本を読んでみるのもおすすめですよ。
自己肯定感を高めるには子どもときちんと向き合いましょう
子育て中のパパ・ママは忙しく、子どもに向き合う時間が十分でないという人も多いですよね。しかし幼少期の子どもへの接し方は、子どもの人生に大きく影響を与えます。
子どもの自己肯定感を高めるために、少しずつでも生活の中で子どもとの向き合い方や向き合う時間を変えていけるといいですね。