離乳食のアレルギーが心配…現れる症状は?いつ反応が出るの?

離乳食が始まると、まず気になるのが食物アレルギーではないでしょうか。アレルギーの有無は、実際に食べてから分かることも多く、どんな症状が表れるのか心配になりますよね。

そこで今回は、離乳食のアレルギー症状について、よく見られる反応や、病院に行く目安などをご紹介します。

離乳食でアレルギー症状が出やすい食材は?

アレルギー反応が出やすい食物として、厚生労働省では、過去に明らかな症例がみられた28品目を「特定原材料等」に定めています。

そのうち、食品中に特定原材料等を含む旨の情報提供として「省令で表示が義務付けられているもの(特定原材料)」、「通知で表示を奨励しているもの(特定原材料に準ずるもの)」は以下の通りです(※1)。

特定原材料等(28品目)

省令で表示義務がある特定原材料

えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、くるみ(※)

通知で表示を奨励する特定原材料

アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

※くるみの表示義務化は2025年4月からになります

離乳食でみられるアレルギー症状とは?

食物アレルギーを起こす・起こさないは、個人差があるだけでなく、食べたときの体調も影響します。症状や程度も様々ですが、どんな状態になるのか知っておくことは大切です。

ここでは、食物アレルギーの目安となる、主な症状をご紹介します(※2)。

臓器 主な症状
消化器 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、血便
呼吸器 喉の違和感・かゆみ、声のかすれ、食べ物を飲み込みづらさ、咳、喘鳴、胸の圧迫感、呼吸困難、チアノーゼ
粘膜 眼症状:結膜の充血や腫れ、かゆみ、流涙、まぶたの腫れ
鼻症状:鼻水、鼻づまり、くしゃみ
口腔症状:口の中・唇・舌の違和感や腫れ、かゆみ
皮膚 赤み、腫れ、蕁麻疹、かゆみ、湿疹
神経 頭痛、元気がない、ぐったり、意識障害
循環器 血圧低下、脈が速い、脈が触れにくい、脈が不規則、手足が冷たい、青色・唇や爪が白い
全身性 アナフィラキシー:全身にアレルギー症状が起きて命に危険を与える可能性がある症状
アナフィラキシーショック:意識障害、血圧低下

離乳食によるアレルギー症状は、いつ反応が出るの?

離乳食の時期によく見られるアレルギーは「即時型症状」「消化管アレルギー」「口腔アレルギー症候群」の3種類です。

ここでは、それぞれの症状の特徴と、その原因となる確率が高い食物として代表的なものをご紹介します(※2)。

即時型症状

即時型症状は食物アレルギーで最も典型的なタイプです。アレルゲンを食べてから2時間以内にアレルギー症状が起こり、全身症状をはじめ、鼻水・喘鳴・呼吸困難といった呼吸器症状、結膜充血・流涙などの眼症状、紅斑・かゆみ・発疹などの皮膚症状が現れやすいのが特徴です。

いずれの食材でもアナフィラキシー症状が出現する可能性はありますが、特に3大アレルゲンである牛乳や小麦、卵で出やすいです。また、アトピー性湿疹があったり、体調不良であったりする場合にも発症しやすくなります。

消化管アレルギー

吐き気や嘔吐、下痢、血便などの消化器症状が起こるアレルギーです。アレルゲンを食べてから1〜4時間以内に嘔吐したり、24時間以内に下痢をしたりして発症します。

アレルギーに気づかず連日食べさせてしまうと、体重がなかなか増えなかったり、慢性的な下痢を引き起こしたりします。

口腔アレルギー症候群

唇と口の粘膜だけに起こるアレルギーです。果物や野菜などのアレルゲンを食べて数分以内に唇や口の中がかゆい、イガイガする、腫れぼったいといった症状が起こります。

多くは粘膜の症状だけで回復に向かいますが、稀にアナフィラキシーに至ることもあります。

離乳食の食べさせ方や注意点、病院に行く目安は?

離乳食で初めての食材を与えるときは、アレルギー症状が出た場合や心配ごとに備えて、かかりつけの医療機関を受診できる曜日の午前中に与えましょう。1日1口からはじめて、様子を見ながら量を増やすようにしてください。

口の周りが少し赤くなったとしても、必ずしもアレルギー反応が出たとは限りません。初めて食べたことによる刺激で、次回以降は発症しない可能性があります。

ただし、首から下の部分に生じた場合は、アレルギーの可能性があります。

もし、機嫌の悪さが続いたり、下痢などの普段と違う様子が見られるようであれば病院を受診しましょう。

食べさせたあとは赤ちゃんに変化がないか様子をみよう

離乳食で初めての食材を食べたあとは、アレルギー症状がでていないか様子をみましょう。食物アレルギーの症状が見られた食材は、必ず医師の指示のもとで食べさせるようにしてください。

「アレルギーについてもっと知りたい」「心配で離乳食が進まない」といった場合は、乳児健診のときに相談したり、保健センターなどで行っている離乳食講習に参加してみるのもおすすめですよ。

最近は、アレルギーが出やすい食品の代替品の種類も豊富です。大豆不使用で、きび、あわ、米などを原材料にした醬油やみそ、小麦不使用のカレーやシチューのルーもあるので、上手く活用しながら離乳食を進めていってくださいね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


※1 消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」
※2 一般社団法人 日本アレルギー学会「アレルギーの病気とは」

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