食べつわりの症状と対策まとめ。いつまで続く?

妊娠初期に現れることが多い症状の一つである「つわり」。人によって症状は違いますが、空腹になると気持ち悪くなってしまう「食べつわり」について聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

今回は、食べつわりとは一体どういう症状なのか、対策も含めてご説明します。

食べつわりの症状って?

妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐などの消化器系の症状をつわりと言います(※1)。

「食べつわり」は医学的な用語ではありませんが、一般的には、つわりの時期に空腹になると胸焼けがして吐き気をもよおして、何かを食べ続けなければならない状態のことをいいます。

ただし、食べ続けてお腹がいっぱいになると気持ち悪くなることもあるので、食べる量には注意が必要です。

また、胃の中に食べ物が入っていて空腹感はないはずなのに、何かを口にしていないと気持ちが悪くなることもあります。

妊娠初期からずっと食べつわりの人もいれば、最初は吐きつわりだったのが途中で食べつわりに移行するケースもあります。

食べつわりはいつからいつまで続く?

食べつわりは他の種類のつわりと同じで、妊娠初期の早い段階で始まることが一般的です。

食べつわりは妊娠12週目頃から症状が改善し始め、妊娠16週目までには治まることが多いといわれています(※1)。

ただし、つわりは個人差が大きいため、人によっては妊娠16週を過ぎても食べつわりが続き、妊娠期間中ずっと食べつわりに悩まされるということもあります。

食べつわりで注意することは?

食べつわりになり、食べ物をずっと食べてしまうとカロリーを摂取し続けることになるので、体重が増えすぎてしまう可能性があります。

妊娠中は、赤ちゃんの成長とともにママの体重も増加します。しかし、体重が増えすぎてしまうと、妊娠糖尿病などを引き起こしたり、産道に脂肪がついて難産になったりする可能性もあります(※1,2)。

ただ、空腹になると気持ちが悪くなってしまうので、なるべく脂質や糖類を多く含む食品は避けて、栄養バランスのとれた食品を食べるようにするといいですよ。

食べつわりの対策は?

食べつわりでは、空腹を感じないようにすることが対策の基本になります。

食事を小分けにして食べる

1回あたりの食事量を減らして、1日5~6回に小分けにして食事するのがおすすめです。

空腹でいる時間が短くなり、食べつわりの症状を和らげることができます。なるべく素材にこだわった、栄養バランスのとれた食品を選ぶといいですよ。妊娠中に栄養素について意識することで、赤ちゃんが生まれたあとの食事作りにも活かせます。

食事量を小分けにすることで1日の総カロリー摂取量を維持できるので、体重が増えすぎてしまう可能性も減りますね。

よく噛んで食べる

食べつわりが治るまでは、いつも以上によく噛んで食べるようにするといいですよ。満腹中枢が刺激されて、1回あたりの食事量が減っても満腹感を得ることができます。

枕元にすぐ食べられるものを置く

一番空腹を感じやすいのが、朝起きたタイミングです。食べ物をすぐ口に入れられるように、枕元にすぐに食べられるものを用意しておいてもいいですね。

朝食までの一時しのぎなので、ほんの少し食べるだけでも十分です。個別包装されているものや、密閉式の袋に入っているものがおすすめですよ。

間食には何を食べたらいいの?

食事の回数を増やしても、その合間にお腹が空いてしまうこともあります。そのときは、低カロリーの食材を間食して、食べつわりを乗り切りましょう。

飴やガムは長時間口の中に含んでいられるので、空腹感をごまかすにはうってつけです。また、寒天ゼリーや小魚などもカロリーを気にせずに間食できるので、食べつわりの間は常備しておくと安心です。

炭酸水も一時的にお腹が膨れるので、食べつわり対策になります。ただの炭酸水では味気ないという人は、レモンなどの柑橘類の絞り汁を入れると、口の中がスッキリするのでおすすめですよ。

食べつわりのときは虫歯にも気をつけよう

食べつわりになったら、体重の大幅な増加とあわせて、虫歯にも気をつける必要があります。

妊娠中は生理的に虫歯になりやすくなっているため、食事や間食の後には必ず歯磨きをするようにしてくださいね(※2)。

監修専門家:助産師 鶴町 はるな

助産師 鶴町はるな先生
茨城県立中央看護専門学校助産学科卒業後、総合周産期センターの産婦人科・NICU勤務を経て、クリニックでのフリースタイル分娩や無痛分娩にも携わってきました。現在は産後ケアや母乳外来を中心に活動しています。お母さんと赤ちゃんに寄り添いながら、妊娠生活や出産、育児が楽しめるようなサポートを心がけて、日々働いています。現在、IBCLC(国際ラクテーションコンサルタント)取得のために奮闘中です。

【参考文献】
※1 メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』pp.86-87,200-202
※2 メジカルビュー社『プリンシプル 産科婦人科学2 産科編』pp.267,470-471

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