赤ちゃんが泣いたりぐずったりしたときに便利な「おしゃぶり」。しかし、おしゃぶりの使用については賛否両論あり、使うかどうか迷うパパ・ママも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、赤ちゃんのおしゃぶりはそもそも必要なのか、使う場合はいつからいつまでが良いのか、新生児にも使えるのかなどをご紹介します。
そもそもおしゃぶりって?メリットは?
おしゃぶりは、赤ちゃんに生まれつき備わっている「吸啜反射」という原始反射に基づいて作られた育児のサポートグッズです。
赤ちゃんは、おっぱいや哺乳瓶の乳首をはじめ、何かを吸っていることで安心感を覚えます。
吸いつきやすく作られているおしゃぶりは、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせてくれることからあやすために使われています。
おしゃぶりをくわえていれば一人で眠ってくれる赤ちゃんもいるので、忙しいママやパパを助けてくれるアイテムとしても重宝されていますよ。
バスや電車といった公共の交通機関に乗っているときやスーパーで買い物をしているときなど、ぐずられたら困るシーンでも大活躍してくれます。
おしゃぶりは絶対に必要?デメリットは?
おしゃぶりは、赤ちゃんにとって絶対に必要なものではありません。
長くおしゃぶりを使用していると、急におしゃぶりを止めたことによって落ち着かなくなり、ぐずりやすくなるともいわれています。
おしゃぶりに頼りすぎてしまうと、以下のようなデメリットがあるとも言われています。
● 親子の触れ合いが減る
● 言葉がけが減る
● 掴んだものを口に入れて感覚を養う機会が失われる
おしゃぶりのメリット・デメリットを理解したうえで、上手におしゃぶりを使えると良いですね。
おしゃぶりはいつから?新生児も使える?
おしゃぶりは、生まれた直後の赤ちゃんから使うことができます。
ただし、初めてのおしゃぶりを嫌がる赤ちゃんもいます。メーカーによって形や素材が異なるので、いくつかのおしゃぶりをあらかじめ用意しておいて、好みのものを探してみるのもいいかもしれません。
おしゃぶりは月齢に合わせてさまざまな種類があり、歯がためにも役立つものもありますよ。
おしゃぶりはいつまで?1歳、2歳でもOK?
日本小児歯科学会は、おしゃぶりを使い続けていると歯並びに悪影響を与える可能性があるため、1歳を過ぎたあたりから少しずつやめさせる練習をして2歳半までにはやめさせたほうがいいとされています(※1)。
おしゃぶりをやめたほうがいいといわれている2歳頃は、いろいろなおもちゃに興味を持ち始めたり、歩行が安定して遊び方が変わってきたりします。
活動量が増える分、疲れておしゃぶりをしないままお昼寝をすることも増え、自然とおしゃぶりに執着しなくなってくることも多いですよ。
気がまぎれる環境を積極的に作って、少しずつ使う頻度を減らしていってくださいね。
おしゃぶりに消毒は必要?選び方は?
おしゃぶりを使う場合、哺乳瓶などと同じように消毒が必要です。哺乳瓶の消毒方法と同じでかまいません。煮沸消毒か消毒液などで消毒を行ってくださいね。
おしゃぶりは、赤ちゃんの口に直接入るものなので、以下の管理方法や選び方、使い方のポイントを把握しておくことが大切です。
選ぶときのポイント
● 形状
洗いやすい形・煮沸消毒ができるものなどを選び、常に清潔に保つようにしましょう。ケースやふたがついていて、汚れにくいものがおすすめです。
● メーカーやブランド
哺乳瓶を使っている場合は同じ乳首でないと嫌がることも。おしゃぶりにもそれぞれ形や硬さがあるので、哺乳瓶と同じメーカーやブランドで選ぶと良いですよ。
● サイズ
おしゃぶりは、月齢に応じて歯やあごの発達を阻害しない工夫が施されています。赤ちゃんの発達に応じたおしゃぶりを、時期に応じて選ぶようにしてください。
使うときのポイント
● 使いすぎない
入眠儀式として使っていると、なかなか泣き止まなくなるなど後々ママやパパが大変になってしまいます。なるべく最終手段として使うのがおすすめです。
● 危険を取り除く
もし赤ちゃんがおしゃぶりをしたまま寝てしまったら、様子をみながらそっと外してあげましょう。口に入れ続けることで窒息するといった可能性は低いですが、念のため外しておくと安心です。
おしゃぶりのメリットとデメリットを知っておこう
おしゃぶりは忙しいママやパパをサポートしてくれる心強いグッズです。その一方で、赤ちゃんの精神的にも、身体的にもさまざまな影響を与えるものなので、メリット・デメリットをしっかりと考えて使うか決めてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
※1 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱 産まれてから2歳頃まで」