赤ちゃんの背中や首にあせも!そのままで治る?それとも病院に連れていく?

赤ちゃんの背中や首にあせもができると、「かゆくないのかな」「ひどくなったらどうしよう」などと心配になりますよね。きちんとケアをして早く治してあげたいけれど、赤ちゃんの肌はデリケートなのでどのように対処したらいいのか迷うことも。

今回は、赤ちゃんの背中や首にできるあせもの原因や対処法、病院へ行く目安、予防法などをご紹介します。

赤ちゃんの背中や首のあせもの原因は?

皮膚炎 あせも 湿疹 ただれ

赤ちゃんは背中や首にあせもができやすい理由としては、主に以下の2つが考えられます。

● 生後半年頃までは寝返りができず背中が布団にくっついた状態で過ごす時間が長いため、背中の汗腺の出口が塞がってしまう

● 赤ちゃんの首はたるんで、しわができていることが多く、そこに汗やほこりなどが溜まりやすい

赤ちゃんは大人に比べて、新陳代謝が活発です。また、自律神経が未熟で冬場でも汗をかいて体温調整を行ったり、もともとの水分量が多かったりするため、汗をかきやすいという特徴があります。

汗をかいた後に、汗の拭き取りや着替えをせずそのままにしておくと、汗を出す腺「汗腺」が汗や老廃物などで塞がってしまいます。

出口を失った汗は汗腺の中に溜まっていき、炎症を起こすことであせもができます。

赤ちゃんの背中や首のあせもの対処法は?

赤ちゃんの背中や首にあせもができてしまったら、皮膚を清潔に保って対処します。

散歩やお昼寝の後などに汗をたくさんかいたときは、清潔なガーゼで汗を拭き取ったり、着替えさせたりしましょう。夏場など暑い日は、シャワーで洗い流してもかまいません。

ただし、頻回に石鹸やベビーソープで体を洗うと赤ちゃんの肌を守る皮脂までも洗い落としてしまうので注意が必要です。

1日1回を目安によく泡立ててから、やさしく洗ってあげましょう。

汗をかきすぎないように、部屋の温度の温度や湿度を適切に保つことも大切です。夏場の冷房の温度は、外の気温よりマイナス4〜5度ほどを目安にしてくださいね(※1)。

このほかに、背中と首にあせもができたときのそれぞれの対処法として、次のような方法がおすすめです。

背中にあせもができたときの対処法

背中にあせもができたときは、服と背中の間にタオルや薄いガーゼなどを入れて、汗を吸収するようにしましょう。

寝ている間にたくさん汗をかくこともあるため、寝かしつけの前にパジャマと背中の間に入れておくのもいいですね。

首にあせもができたときの対処法

生後しばらくは首に深いしわができているので、沐浴や入浴の際はママやパパの手でしわを伸ばしながら、奥まできちんと洗い流しましょう。

お風呂の時間以外でも、汗をかいたときはガーゼなどで拭いてあげてくださいね。

ママやパパと体が密着する授乳や抱っこのときは、特に首に汗をかきがちなので、背中のときと同じようにタオルやガーゼを首に当てておくのも効果的ですよ。

赤ちゃんの背中や首のあせもで病院へ行く目安は?

赤ちゃんの背中や首にあせもができて対処法を行っても症状が改善しないときは、小児科か皮膚科を受診しましょう。

特に、以下の場合は早めに受診してください。

● かゆみが強い
● 発疹が大きくなる
● かさぶたができる
● 患部がふくらんで痛がる

小児科や皮膚科では医師の判断によって、弱めのステロイドの塗り薬が処方されることがあります。

用法・用量を守って薬を使えば、数日程度で症状が治まっていきますよ。

赤ちゃんの背中や首のあせも予防法は?

赤ちゃんの背中や首のあせもを予防も、対処法と同様に肌を清潔に保つことが大切です。

汗が体に溜まらないように、通気性と吸水性の良い服を着せましょう。着せる服の枚数は、目安として大人より一枚少なくすることを意識してください。

赤ちゃんが汗をかいたときは、着替えさせたり洗い流したりしましょう。肌着は1日2〜3回、こまめに交換するといいですね。

あせもができやすい部位をしっかり乾燥させた状態でベビーパウダーを塗るのも、予防につながります。

ただし、湿った肌にベビーパウダーを塗ったり、塗った後に汗をかいた状態をそのままにしたりすると、汗腺を塞いで逆効果になるので注意してくださいね。

赤ちゃんの背中や首を、あせもから守ろう

赤ちゃんはあせもができやすいので、汗をかいたら、すぐにきれいにすることを心がけましょう。

今回ご紹介した方法でしっかりスキンケアを行って、赤ちゃんの肌の健康を守っていけるといいですね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。

※1 東京都保健医療局「赤ちゃんのための室内環境」

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