双子の出産費用は?帝王切開になるの?どんなリスクがある?

双子を妊娠すると嬉しさを感じる反面、わからないことが多く戸惑う人も多いかもしれませんね。

そこで今回は、双子の出産について、費用やリスク、帝王切開になるのか、準備しておくと良いものなどをご紹介します。

そもそも双子って、どういう状態で妊娠してるの?

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双子とは、子宮内に2人の胎児がいる状態を指し、医学的には「双胎妊娠」や「多胎妊娠」と呼ばれます。

双子には「一卵性双胎」と「二卵性双胎」の2種類があります(※1)。

一卵性双胎

1つの受精卵が2つに分裂し、それぞれ胎児へと成長していきます。遺伝情報が同じなので、性別・血液型なども一緒で、顔や体つきもそっくりになります。

二卵性双胎

2つの卵子がほぼ同時に受精して着床することで誕生します。遺伝情報は異なるため、性別・血液型は一致しないこともあり、顔や体つきは一卵性ほどは似ていません。

一卵性と二卵性以外にも双子の妊娠にはさまざまなケースがあり、胎盤と羊膜が1つの場合と2つずつある場合、胎盤が1つで羊膜が2つある場合などがあります。

双子を出産する週数の平均は?

双子が生まれる分娩週数は個人差がありますが、37週未満の人と37週〜42週未満の人が半々程度です。

単胎妊娠の分娩の多くが37週〜42週未満であるのに比べると、早産になるケースが多いといえます(※2)。

双子を妊娠すると、妊娠8ヶ月(妊娠28週~31週)の時点で、子宮が通常妊娠の臨月とほぼ同じ大きさになっていることがあります(※3)。

子宮が伸びきってしまうと早産につながる可能性があるため、妊娠8ヶ月頃には心の準備だけでなく、出産準備も早めに整えておくと安心ですね。

双子の妊娠・出産にともなうリスクとは?

双子の妊娠・出産におけるママと赤ちゃんのリスクには以下のようなものがあります(※4)。

双子妊娠・出産のママに関するリスク

● 早産・流産
● 妊娠高血圧症候群
● 妊娠糖尿病
● 羊水過多症
● 貧血
● 血栓症

双子妊娠・出産の赤ちゃんに関するリスク

● 早産・流産
● 双体間輸血症候群
● 胎児発育不全
● バニシングツイン

このようなリスクがあることから、双子を妊娠した場合は妊婦健診の回数が多くなることがあります。

そのため、自治体によっては双子を妊娠した人に対し、単胎妊娠人よりも多く費用補助を行っています(※5)。

双子は帝王切開になるの?病院を選ぶポイントは?

病院

双子の出産が帝王切開になるのかどうかと、病院を選ぶ際のポイントを説明します。

帝王切開になる確率は?

日本産科婦人科学会によると、双子の場合は8割近くが帝王切開になるという報告があります(※6)。

自然分娩で出産できるの?

赤ちゃんが2人とも出産に適した頭位(頭が下向き)で、経過に問題がなければ、自然分娩は可能です。場合によっては1人が逆子でも自然分娩できるケースもあります(※6)。

ただし、病院によっては自然分娩を行わない方針のところもあるので、自然分娩をしたいと考えている場合は、病院選びをするときに確認が必要です。

双子を出産する病院選びのポイント・注意点

● 万が一に備えて、NICU(新生児集中治療室)などの設備が整った総合病院を選ぶ

● 大学病院は研修生が見学にくることがあるので、立会いが気になる場合は病院に伝える

● 小規模な産院にかかる場合、提携している大学病院などへ転院となることもある

● 医療行為ができない助産院では双子を出産することはできない

双子の出産費用はどれくらい?帝王切開の場合は?

双子の出産費用や補助金については以下の通りです。

出産費用

病院や妊娠・分娩の経過、分娩方法によって異なりますが、自然分娩での平均的な出産費用が約47万円ですが、多胎妊娠の場合はこれに追加して赤ちゃん1人あたり30万円程度かかるようです(※7,8)。

補助金

出産育児一時金

健康保険に加入していれば出産育児一時金の50万円(産科医療補償制度の対象外の出産、または制度に加入していない産院での出産の場合は48万8000円)が赤ちゃんの人数分支給されるため、双子の場合は100万円が支給されます(※9)。

高額医療費制度

病院窓口で支払う額が上限額を超えた場合、差額が戻ってくる高額医療費制度があります。

事前に、住んでいる自治体の窓口に「限度額適用認定証」を発行してもらえば、この認定証を入院時に提示することで、窓口で支払う費用を所得に応じて減額してもらえます(※10)。

もし、健康保険証利用の申し込みが済んでいるマイナンバーカードを持っている場合は、手続きは不要で自動で適応されます(※11)。

双子の出産で準備しておくと良いものとは?

双子の出産で準備しておくと良いものは、生まれてからではあまり選んでいる時間がないけど必要なもの、特に日用品として消耗しやすいものです。

日用品・育児の便利グッズで準備しておきたいもの

● 哺乳瓶×2本~
● ハンズフリー授乳クッション×2つ
● ハイローラック×2台
● ベビーバス×1つ
● 爪切り・ヘアブラシ×各1つ
● 体温計×1つ
● 衣類・ガーゼ×各2人分
● おむつ・おしりふき×各2人分
● 粉ミルク×1人分(確実に必要とわかっている場合は2人分)
● 双子用ベビーベッド×1台(通常のベビーベッド×1台、ミニベビーベッド×2台など)、又はお布団×2人分

外出の移動時に準備しておきたいもの

● チャイルドシート×2台(自家用車に乗る場合)
● 双子用ベビーカー×1台(左右に並べるタイプ・前後に並べるタイプ)

双子の出産は早めの準備で気持ちに余裕を

お金のことや起こりうるリスクを把握しておくこと、妊娠中・出産後のサポート体制を考えておくことで、気持ちに余裕を持って出産までの日々を過ごすことができますよ。

また、双子の場合はお腹の中の状態が変わりやすいので、予約した妊婦健診には欠かさず受診しましょう。

あまり気構え過ぎて疲れないよう、不安なことがあれば医師に相談して、なるべくリラックスして過ごせるといいですね。

※1 日本産科婦人科学会「双胎妊娠の診断と管理」
※2 厚生労働省「令和3年度『出生に関する統計』の概況」
※3 日本多胎支援協会「ふたごナビ」
※4 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』pp.4,144-145,147-148
※5 厚生労働省「多胎時支援のポイント」
※6 日本産科婦人科学会「4)分娩 多胎妊娠」
※7 厚生労働省「出産育児一時金について」
※8 国立成育医療研究センター「分娩について」
※9 全国健康保険協会「出産育児一時金について」
※10 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成29年8月から平成30年7月診療分まで)」
※11 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

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