子どもの歯磨き粉をみると「フッ素配合」と書かれたものが多いですよね。大人が歯のケアをするときに使うことがありますが、子どもや赤ちゃんに使っても害がないのか、心配になるママやパパは多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フッ素入りの歯磨き粉について、子どもや赤ちゃんに使っても良いのか、害があるといわれる理由などをまとめました。
そもそも、フッ素とは?どんな役割があるの?
フッ素とは、人の健康維持に欠かせない元素であり、WHO(世界保健機関)は必須栄養素の一つとしています(※1)。
フッ素は主に元素名として使われているため、最近は水や食品中、歯磨き粉などに含まれるフッ素のことを「フッ化物」と呼びます。
歯磨き粉に含まれるフッ素には、虫歯の原因となる歯垢を作る酸の量を抑えたり、歯を強くするカルシウムの再沈着を促進したりする働きがあります(※2)。
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、フッ化物に関する記載がないので、推奨摂取量が定められていません。
しかし、虫歯予防や対策を目的としたフッ化物の使用は、口内の健康を向上させるためには重要とされ、厚生労働省は「フッ化物洗口マニュアル」を定めています(※3)。
フッ素入りの歯磨き粉は子どもに使ってもいい?
フッ素入りの歯磨き粉は、赤ちゃんの歯が生えたら使うことができます。うがいができるようになったら、歯磨き後は少量の水でうがいをするようにしてくださいね。
歯が生えてから2歳の赤ちゃん
900〜1,000ppmFの歯磨き粉を米粒程度(1〜2mm程度)使って1日2回磨いてあげましょう。磨き終わったらティッシュなどで軽く拭き取っても構いません。
歯磨き粉は必ず子どもの手が届かない場所に保管してください。
3〜5歳の子ども
900〜1,000ppmFの歯磨き粉を使う場合は、グリーンピース1粒程度(5mm程度)を目安にして、寝る前を含めて1日2回行いましょう。
子どもが歯ブラシに適切な量をつけられない場合もあるので、ママやパパが歯磨き粉を出すようにしてください。
6歳以上
大人と同じ量が使えます。1,400〜1,500ppmFの歯磨き粉を歯ブラシ全体(1.5〜2cm)につけて、寝る前を含めて1日2回行いましょう。
フッ素入りの歯磨き粉は危険?害があるってほんと?
フッ化物急性中毒になる可能性があるため、子どもに対するフッ素の使用に反対という意見を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、あくまでもフッ化物を誤用してしまった場合であり、さらにフッ化物が含まれた水道水を日常的に飲用していたことが原因といわれています(※1)。
どうしてもフッ素が気になるという場合は、フッ素が入っていない歯磨き粉やジェルを選び、虫歯予防のために甘いものを控えてフロスを毎回使用するなど、その他の口腔ケアを徹底的にしてあげてくださいね。
フッ素入りの歯磨き粉は慣れるまでママやパパが管理しよう
フッ素入りの歯磨き粉はもちろんですが、それ以外の歯磨き粉でも用量を守って使いましょう。子ども用の歯磨き粉は甘い香りがついているものも多く、子ども自身につけさせると、つい多くつけてしまいがちです。適切な量が守れるよう、慣れるまではママやパパがしっかり管理してあげてくださいね。
監修医師:歯科医師 石川 宗理
千葉センシティ矯正歯科院長。北原学院千葉歯科衛生士専門学校非常勤講師。歯学部卒業後、矯正専門のドクターとして、多数の歯科医院、医療法人でさまざまな患者と向き合う。2022年6月、千葉市で自身の医院である千葉センシティ矯正歯科を開業。矯正治療を通じてすてきな笑顔と、健康に協力できることを心より願っている。
2020.2021年度インビザライン プラチナエリートプロバイダー
2021.2022年度インビザライン ダイヤモンドプロバイダー
2022.2023年度インビザライン ブラックダイアモンドプロバイダー
※1 日本歯科医師会 テーマパーク8020『フッ化物』
※2 厚生労働省 e-ヘルスネット『フッ化物配合歯磨剤』
※3 厚生労働省「フッ化物洗口マニュアル(2022年版)」