赤ちゃんが生まれると、血液型が話題に上がることがありますよね。血液型だけで性格が決まるわけではないとわかっていても、我が子への想いを込めて口にするママやパパは多いのではないでしょうか。
そこで今回は、赤ちゃんの血液型はいつ頃調べるものなのか、新生児期に血液型の検査はできるのか、血液型の検査費用や必要性などもあわせてご紹介します。
赤ちゃんの血液型はいつわかる?新生児は検査できないの?
赤ちゃんの血液型を検査して正確にわかるのは、2歳以降だとされています(※1)。そのため、新生児の期間は検査をしないのが一般的です。
ABO血液型は、赤血球の表面にある「抗原」と、血清の中にある「抗体」という2種類の物質を検査結果を組み合わせることでわかります。
血液型検査自体は新生児からできますが、お腹のなかでママからもらった抗体の存在や赤ちゃん自身の免疫の機能の未熟さのため、正しい血液型の判定ができないことが多いです。
赤ちゃんの血液型の検査方法は?
ABO血液型検査では腕や手の甲から血液を採取して、赤血球側のA抗原とB抗原、血清側に含まれる抗A抗体、抗B抗体の有無を測定します。
それぞれの結果を照合して、A型・B型・O型・AB型の4つの血液型のいずれかであると判定されます。
ただし、事故や病気の治療で輸血が必要になった場合は、以前に血液型の検査をしたことがあっても必ず手術前に血液型の再検査が行われます。
赤ちゃんや子どもの血液型検査の料金はどれくらい?
赤ちゃんや子どもの血液型検査の料金は血液型を調べることが目的であれば、全額自己負担で2,000~5,000円程度で受けられます。
血液型検査は小児科や内科で受けられますが、病院によって金額が異なるので受診する前に確認するようにしてくださいね。
子どもの場合は、アレルギー検査で採血をしたときに一緒に血液型を調べてもらうことも対応可能です。ただし、アレルギー検査に対しては保険が適用されますが、血液型検査分は自己負担となります。
他の検査と一緒に血液型の検査を受けるときは、料金や保険適用される範囲を聞いておきましょう。
赤ちゃんや子どもの血液型は親の血液型の組み合わせで分かる?
赤ちゃんや子どもの血液型の可能性を知りたい場合は、親の血液型の組み合わせから絞ることができます。
血液型はわかりやすくA型・B型・O型・AB型の4つに分けられていますが、正確にはRH(+)(-)や、場合によっては少し特殊な血液型を持っている場合もあるので、あくまで予想の域を出ません。
以下に、単純にママとパパの血液型を組み合わせた場合に、赤ちゃんがどの血液型になる可能性があるのかをご紹介します(親の血液型×親の血液型=子どもの血液型の可能性)。
ママの血液型がA型の場合
ママの血液型 | パパの血液型 | 子どもの血液型の可能性 |
A | A | A、O |
A | B | A、B、O、AB |
A | O | A、O |
A | AB | A、B、AB |
ママの血液型がB型の場合
ママの血液型 | パパの血液型 | 子どもの血液型の可能性 |
B | B | B、O |
B | A | A、B、O、AB |
B | O | B、O |
B | AB | A、B、AB |
ママの血液型がO型の場合
ママの血液型 | パパの血液型 | 子どもの血液型の可能性 |
O | O | O |
O | A | A、O |
O | B | B、O |
O | AB | A、B |
ママの血液型がAB型の場合
ママの血液型 | パパの血液型 | 子どもの血液型の可能性 |
AB | AB | A、B、AB |
AB | A | A、B、AB |
AB | B | A、B、AB |
AB | O | A、B |
※稀に一般的な組み合わせと異なる血液型になることもあります。
また、A型とB型を細かく分けると、「AA型かAO型か」「BB型かBO型か」という違いがあります。
「AA型とBB型からはAB型しか生まれない」「AA型とO型からはA型(AO型)しか生まれない」など、ママ・パパの血液型がAA型かAO型か、BB型かBO型かで赤ちゃんや子どもの血液型パターンは異なります。
赤ちゃんや子どもの血液型は必要なときに調べよう
赤ちゃんや子どもの血液型は、日常生活において知っておかなくても問題はないので、焦って血液型検査をする必要はありません。
成長して血液型が確実にわかる時期になるまで待つか、必要なときになったら血液型を調べるようにしてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
※1 日本輸血細胞治療学会誌66巻第4号「新生児・乳幼児におけるABO血液型の一致率の解析」