妊活をしていると、排卵日が気になりますよね。普段から目にする「おりもの」でも排卵日がわかると耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、排卵日前後のおりものの特徴や、チェックの方法についてご説明します。
おりものは排卵日前後で変化するの?
「おりもの(帯下/こしけ/たいげ)」とは、子宮や腟、汗腺などからの分泌物が混ざり合った粘液のことです。
おりものには、雑菌から腟内を守る「自浄作用」と排卵日近くになると現れる「受精のサポート」という2つの役割があります。
生理周期に合わせて量や色、状態が変化するため、排卵日を知る手助けになってくれますよ。
排卵期のおりものの量や色、粘り気は?
排卵日あたりのおりものには、次のような特徴があります(※1)。
排卵期のおりものの特徴
● 量が多い
● 透明
● 卵の白身のようなとろみ
● 水っぽい
● よく伸びる
サラサラしていたおりものに、とろみが多くなってくる時期に性交をすると、妊娠の可能性を高める手助けになるかもしれません。
一般的に排卵が終わるとおりものの量はだんだんと少なくなっていき、白濁して粘り気が強い状態になったのち、生理がはじまります。
排卵日をおりもの以外で予測するには?
おりものの量が増えて水っぽくなり、指でつまむと伸びるようになると、排卵日が近いと考えられます。
ただし、おりものだけでは正確な排卵日を予測することはできません。
おりものの変化以外にも、基礎体温をつけたり、排卵検査薬を使ったりすると、より正確に排卵のタイミングを知ることができますよ。
基礎体温をグラフにつけてみると、上図のように「低温期」と「高温期」の二相に分かれます。低温期の終わりにガクッと体温が落ちる日があり、この日を中心として2~3日間のあいだに排卵が起こると考えられます(※1)。
排卵検査薬は、排卵直前に分泌量が増える「LH(黄体形成ホルモン)」を感知すると陽性反応を示すもので、陽性が出たタイミングで性交をすると妊娠の可能性が高まります。
排卵日以外に、おりもので病気もわかる?
女性にとって、おりものは健康のバロメーターです。色やにおい、状態を日々チェックすることで、排卵だけでなく病気のサインも見つけられるかもしれません。
おりものからわかる異常のサインには、次のようなものがあります(※2)。当てはまるものがあれば、なるべく早めに婦人科を受診してくださいね。
おりものの色
正常なおりものは、透明か、少し白っぽい色をしています。おりものが黄色、緑色、灰白色などをしている場合は、腟炎や感染症の恐れがあります。
おりもののにおい
少し酸っぱいにおいがするくらいであれば、通常のおりものですが、生臭い場合は腟トリコモナス症など性感染症が原因の可能性もあります。
おりものの状態
おりものに膿(うみ)が混じる、カッテージチーズのように白くポロポロとする、細かく泡立っているなどの状態が見られるときは、腟カンジダ症など性感染症が潜んでいる場合もあります。
おりものをチェックして排卵日を把握しよう
排卵日の手掛かりのひとつとして、日頃からおりものの状態を意識して見ておくと、ある程度予測できるようになるかもしれません。
おりものの色やにおい、状態などに気になる変化があるときは、そのまま放っておかず、早めに婦人科を受診するようにしてくださいね。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 日本産婦人科医会「排卵の予測」
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第3版』pp.24,92-93