クーイングとは?時期や意味は?赤ちゃんへの反応の仕方は?

生まれてすぐは泣いてばかりだった赤ちゃんも、しばらくすると泣き声以外の声を出すようになります。「あー」や「うー」といった、言葉とも泣き声ともいえないやわらかく優しい声を出すようになったら、「クーイング」かもしれません。

今回は、クーイングにはどんな意味があるのか、いつから始まるのか、どう応えてあげるといいのかなどをご紹介します。

クーイングとは?何か意味があるの?

クーイングとは、舌を使わずに「あー」や「うー」といった母音を発するもので、それまで出してきた泣き声とは違った声になります。鳩の鳴き声である「クー(coo)」が語源とされています。

クーイングをしている赤ちゃんは、何かを伝えたいのではなく、音を出すことを楽しんでいる状態です。

ご機嫌がいいときやリラックスしているときに出す声なので「プレジャーサイン」とも呼ばれています。

クーイングは赤ちゃんの成長過程のひとつで、口や喉の形が変わってきたことによって出る声といわれています。

クーイングと喃語は違うの?

赤ちゃんが発する声に「喃語(なんご)」がありますが、クーイングは喃語の前段階のものになります。

クーイングでは「あー」「うー」といったように母音を伸ばして声を発するのに対し、喃語では「まんまー」「ばぶばぶ」「だだばば」のような多音節からなる言葉を発します。

赤ちゃんのクーイングはいつから?生後1ヶ月で始まるの?

赤ちゃんの体の発達スピードに個人差があるように、クーイングを始める時期にも個人差があります。

一般的には、喃語を発する前の生後1ヶ月半~2ヶ月頃に始める赤ちゃんが多いようです。

なかには、生後3ヶ月を過ぎてもクーイングをしないケースもありますが、赤ちゃんの成長はそれぞれなのです。

あやしたときに声を出していれば、クーイングが遅かったとしてもあまり心配しなくて大丈夫ですよ。

どうしても気になるときは、乳児健診や小児科を受診するときに相談してみましょう。

赤ちゃんのクーイングにはどう応える?

赤ちゃんがクーイングを始めて「あー」「うー」と発したら、ママやパパも応えるように話しかけてあげましょう。

オウム返しのように「あー」「うー」と言うのではなく、「どうしたの?」「おはなしするのじょうずだね」といったように言語的に返すと、赤ちゃんの成長につながるといわれています。

ママやパパの反応を聞いて、赤ちゃんはだんだんと声の出し方や話し方がわかってきます。また、親子の絆が深まり赤ちゃんに安心感を与えることもできます。

ママやパパの言葉の返しに、赤ちゃんが喜んだり再びクーイングをしたりする様子が見られたら、聴覚や応答反応が順調に育っていることが確認できますよ。

クーイングが始まったら気をつけたいことは?

クーイングを始めた頃は、自分の出す声に驚き、おもしろくて仕方のない赤ちゃんも、次第に興味の対象がママ・パパや周りの人の声へと移ります。

赤ちゃんはまだ小さくて言葉がわからないからと思って、大人が乱暴な言葉使いをすると、赤ちゃんが大きくなったときに同じ言葉を真似する可能性もあります。

赤ちゃんは、たくさんのことを聞いて覚えていきます。クーイングを始めたら、ママやパパをはじめ、周りにいる大人や子どもは、言葉使いや声の大きさに気を配るようにできるといいですね。

赤ちゃんがクーイングをしたら、ママやパパが言葉を返したり、喜んだり褒めてあげたりすることを忘れないでくださいね。

クーイングに応えてあげることで、コミュニケーション能力を高めることにつながっていくはずです。

クーイングは赤ちゃんの成長の証

クーイングは、これから言葉を覚えていくための大切な成長過程です。クーイングをしている姿を見たら、成長の証としてぜひ動画に残しておきましょう。

クーイングの次は、濁音などを伴う喃語を発し、その後で少しずつ意味を含んだ言葉を話すようになります。赤ちゃんが正しい言葉を覚えて楽しくおしゃべりできるように、赤ちゃんのクーイングに応えてあげてくださいね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


子育ての情報が満載の無料育児アプリ「ninaru baby」

ninaru baby

記事一覧に戻る