赤ちゃんの肌に、ぽちっと虫に刺されたような跡を見つけたことがあるママやパパもいるのではないでしょうか。「蚊に刺された跡とは違うしダニ…?」と思うこともあるかもしれません。
今回は赤ちゃんのダニ刺されについて、症状や対処法、予防法などをご紹介します。
赤ちゃんはダニに刺されやすい?
赤ちゃんや子どもの虫刺されというと、蚊や蜂などをイメージしますが、ダニに刺されることもよくあります。ダニは非常に小さく、肉眼ではほとんど見えません。
ダニは風通しが悪く高温多湿のところを好み、人の皮脂や髪の毛を餌にしています。特に、布団やカーペット、じゅうたんの中はダニの格好の生息場所です。
汗をかきやすく体温が高い赤ちゃんはダニの標的になりやすいため、赤ちゃんのダニ刺されには注意が必要です。
赤ちゃんのダニ刺されの症状は?
ダニに刺されると、赤い発疹がぽつぽつと現れます。そして多くの場合、激しいかゆみを伴います。
ダニは床に接している皮膚のやわらかい部分を刺して血液や体液を吸うことが多いです。
また、ダニは服で隠れている部分(肌が露出していない部分)も刺すため、赤ちゃんがダニに刺されたことにママやパパがなかなか気づかないこともよくあります。
お風呂あがりや着替えの際に、赤ちゃんの太ももやわきの下、腕の内側あたりを日頃からチェックしておくと、ダニ刺されにすぐに対処できるようになりますよ。
赤ちゃんのダニ刺されの対処法は?病院に行くべき?
赤ちゃんのダニ刺されを見つけたら、まずは患部を水で洗って清潔にします。
赤ちゃんがかゆそうにしている場合は、濡れたタオルやガーゼで患部を冷やしてあげてください。
また、赤ちゃんがかき壊してしまう可能性もあるため、爪は短く切っておきましょう。
ダニに刺されたときに着ていた衣類にはダニが生息している可能性があります。
ダニを死滅させるために、脱がせた服は洗濯するだけでなく、乾燥機やアイロンなどで高温にさらしましょう。
かゆみがあまりにひどく、赤ちゃんがずっとぐずっていたり寝つきが悪かったりしていたら、早めに皮膚科を受診しましょう。
ダニ刺されがひどくなると、細菌感染などによりとびひなど別の病気を引き起こすことがあるため注意が必要です。
皮膚科では、赤ちゃん用のかゆみ止めの塗り薬や飲み薬が処方されることがあります。
赤ちゃんのダニ刺され予防法は?
ダニ刺されを予防するには、身の回りでダニを増やさないようにすることが大切です。具体的には、以下のような方法でダニの繁殖を防ぎましょう。
湿度が上がりすぎないようにする
ダニは湿気が多い場所を好むため、湿度が上がりすぎないように注意しましょう。
特に梅雨の時期はダニ刺されが増えるので、晴れの日にはこまめに窓を開けて換気をして室内の湿度を下げます。
洗濯物を部屋干しするとどうしても湿度が上がってしまうので、洗濯乾燥機や浴室乾燥機、布団クリーナーなどを活用しましょう。
こまめに掃除する
掃除機をかけて、ダニのえさとなるフケや髪の毛、食べかすなどをしっかり取り除きましょう。
寝具は可能なら丸洗いができるといいのですが、難しいときは掃除機をかけるだけでも表面にいるダニの数を減らすことができます。
ぬいぐるみやカーテン、ソファーにもダニがいることがあるので、ぬいぐるみやカーテンはこまめに洗濯をしてしっかりと乾燥させ、ソファーは定期的に掃除機をかけるようにしましょう。
コインランドリーなどで高温乾燥させるとダニを完全に死滅させられますよ。
家の中を清潔にして赤ちゃんをダニ刺されから守ろう
どんなに家の中を清潔にしていても、ダニを完全に駆除するのは難しいものです。ただ、ダニが好む環境を少しでも減らしていけば、ダニに刺されることも減っていきます。
晴れの日にしっかり換気を行ったり、寝具類やぬいぐるみを定期的に洗濯して天日干ししたりして、赤ちゃんの肌をダニ刺されから守っていきましょう。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。