赤ちゃんへの坐薬の使い方まとめ!入れ方や使うタイミングは?

赤ちゃんが発熱して病院を受診すると、坐薬(座薬)を処方されることがありますよね。はじめて坐薬を使う場合は、入れ方や使うタイミングを迷ってしまうのではないでしょうか。

今回は、赤ちゃんに坐薬を使うタイミングや入れ方、坐薬が出てきてしまった場合の対応についてご説明します。

坐薬とは?解熱剤としての効果がある?

「坐薬(座薬)」とは肛門から挿入して使う薬の総称で、解熱剤や吐き気止め、下剤、抗けいれん薬などがあります。

薬の成分が腸から直接吸収されるので、飲み薬に比べて確実に体に入り、効果が早いことがメリットです。

解熱剤の坐薬は、処方されたからといって必ず使わなければいけないものではありません。

一般的には、以下のような症状が見られ、体の回復のためにも一時的に熱を下げたほうがよいと考えられる場合に使用します。

● 高熱でぐったりしている
● 熱のせいで不機嫌になり、水分も十分取れていない
● 熱のせいで眠れない

医師から坐薬を処方されたときに、赤ちゃんの熱が何度以上になったら使用したほうがいいのか、よく確認しておくことが大切です。

赤ちゃんに解熱剤の坐薬を使うタイミングは?

坐薬は、高熱がでているなど症状がはっきりと現れているタイミングで使いましょう。

一般的に、坐薬を使用しても熱が下がらなかった場合、2回目の坐薬の使用までは6時間程度あける必要があります。

坐薬の種類により必要な間隔や1日に使用できる回数は異なるので、薬を受け取るときに必ず確認するようにしてくださいね。

赤ちゃんの坐薬の入れ方は?

初めて赤ちゃんの肛門に坐薬を入れるときに緊張するかもしれませんが、やり直すこともできるので落ち着いてくださいね。

ここでは、赤ちゃんによく処方される解熱剤の坐薬の正しい入れ方を順を追ってご紹介します。

1. 赤ちゃんの熱を測る

赤ちゃんの熱が高く、ぐったりしているなどの症状があるなら坐薬を使用します。

赤ちゃんの熱が下がってきている、熱があっても元気で食欲もあるといった場合は、坐薬を使用せずに少し様子を見てくださいね。

2. 手を清潔にし、坐薬を準備する

坐薬を扱うときは、手を清潔な状態にしておきましょう。

解熱剤の坐薬は冷蔵庫に保管することが多いですが、冷えたままでは赤ちゃんがびっくりしてしまいます。少しの間常温におくか、手のひらで温めてあげてくださいね。

また、そのままの状態だと坐薬が挿入しにくく、赤ちゃんが痛がることもあります。オリーブオイル・ベビーオイルを塗るとスルッと入りますよ。

もし1回の量が半分と指示されている場合は、清潔なハサミやカッターなどでパッケージごとカットしておきましょう。

3. 肛門へ挿入する

赤ちゃんを仰向けのおむつ替えのときの体勢にして、坐薬を肛門の中へ一気に入れます。坐薬はロケットのような形をしているので、とがったほうから入れます。

4. 挿入後は肛門を押さえる

入れた直後の坐薬は出てきやすいので、30秒〜1分間ほど赤ちゃんの肛門をティッシュなどを添えて押さえておきます。

赤ちゃんが下痢気味のときや排尿が心配なときは、おむつの上から押さえましょう。坐薬を入れた時間はメモしておくのがおすすめですよ。

赤ちゃんに入れた坐薬が出てきたときはどうすればいいの?

赤ちゃんに坐薬を入れても、すぐに出てきてしまうこともありますよね。

もし赤ちゃんに坐薬を入れた直後に出てしまった場合、坐薬が溶けずに出てきていたら、出てきた坐薬か新しい坐薬をもう一度挿入しましょう。

もし坐薬を入れて5分ほど経ってから出てきたり、うんちをしてしまったりした場合は、既に薬の成分の多くは吸収されています。

坐薬が溶けずにそのまま全部残っているようなことがなければ、再挿入せず様子を見てくださいね。

坐薬が溶けた状態で出てきた場合でも、薬の成分は吸収されているので入れ直さなくても大丈夫ですよ。

赤ちゃんの様子を見ながら坐薬を入れる判断をしよう

赤ちゃんが高熱を出すと動揺してしまうかもしれませんが、すぐに坐薬を使用するのではなく、赤ちゃんの機嫌や状態をよく見て、必要に応じて正しいタイミングで坐薬を使用しましょう。

赤ちゃんに坐薬を挿入しても、なかなか熱が下がらないときや上手に使用できないときは、小児科の医師に相談するようにしてくださいね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


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