離乳食中の赤ちゃんが下痢…食事を与えるときの注意点は?

赤ちゃんが下痢をすると、「離乳食をこのまま同じように続けてもいいのかな」と迷ってしまいますよね。脱水症状なども気になり、食事や飲み物は特に気をつけたいところです。

そこで今回は、離乳食を与えて赤ちゃんが下痢をしたときに、その後も離乳食を与え続けていいのか、離乳食の与え方と注意点などについてご紹介します。

赤ちゃんの下痢は離乳食が原因?

離乳食の後期(生後9~11ヶ月頃)にあたる生後10ヶ月頃になると、これまで食べてきた離乳食よりも固形物が増え、食べる食材も増えてくるので、下痢や便秘をしやすくなります。

この時期に赤ちゃんの下痢が目立つ場合は、新たに食べ始めた食材がないか、特定の食材を食べたときに限って下痢をしていないかをチェックしましょう。

嘔吐や血便、盛り上がった発疹を伴っていれば、食物アレルギーの場合があります。新しい食材を与えるときは便の変化に対して常に気を配り、記録をつけておくと安心です。

ウイルスや細菌感染による病気の場合は、ぐったりとして発熱や嘔吐を伴っていることが多いので、早めに病院を受診しましょう。

離乳食で赤ちゃんが下痢になったら病院に行くべき?

離乳食を食べた赤ちゃんが以下のような便をしている場合は、病院を受診しましょう。

● 血が混じっている
● 黄色の粘液が混じっている
● 白色をしている

直前にどんな離乳食をあげたのか医師に伝えると、診察がスムーズに進みやすいですよ。

普段よりも水っぽく下痢をしていても、食欲があって元気であればしばらく様子を見ましょう。

赤ちゃんが下痢のときの離乳食は?

赤ちゃんが離乳食が原因で下痢をしていると考えられるときは、新しく食べさせた食材を与えるのを一時的にやめてみましょう。食欲があれば、食べ慣れた食材に戻してあげてくださいね。

ただし、下痢がひどく食事を摂る気力さえ起きないようなら、無理に離乳食を食べさせる必要はありません。

母乳やミルク、または赤ちゃん用のスポーツドリンクなどでこまめな水分と塩分の補給を心がけて、脱水症状にならないように気をつけてあげましょう。

同じ食材を与えると明らかに下痢を繰り返すという場合は、消化管アレルギーや食物アレルギーのおそれがあります。早めにかかりつけの小児科医に相談してみてくださいね。

赤ちゃんが下痢のときの離乳食の注意点は?

赤ちゃんが離乳食が原因で下痢になったときは、症状や赤ちゃんの状態によって、消化しにくいものを避けるようにしましょう。

大きさや形は基本的に普段通りで良いですが、なかなか食が進まなかったり、栄養が摂れていなかったりする場合は、離乳食の進み具合に応じて、その時期の目安の硬さよりやわらかくなるように調整します。

量も少し減らしておなかに負担をかけないようにしてくださいね。

下痢のときは腸などの消化器官が敏感になっているので、消化しやすいもの、温かいものを中心に食べさせてあげましょう。

以下を参考に、赤ちゃんの下痢の状態に合わせた離乳食に変えてみるのがおすすめです。

下痢のときの食事・食材

● 激しい下痢(水様便):湯冷まし、薄めた麦茶、スープ など
● 水っぽい下痢が少し固形になってきたとき:おかゆ、パン粥、やわらかく煮たうどん など
● 少しゆるい程度の便:普通の食事をいつもより煮てやわらかくした形状のもの

下痢のときに避けたい食事・食材

● 脂肪の多いもの:脂肪が多い肉や魚、バター、卵 など
● 繊維質の多いもの:バナナ、イモ、海草類、豆類 など
● 砂糖分の多いもの:ジュース、くだもの、ヨーグルト(プレーンは除く) など

離乳食を食べて下痢になったら、赤ちゃんの機嫌を確認しよう

赤ちゃんの便の状態は、見えない体調の変化を知る機会でもありますが、機嫌の良し悪しも、体調が悪いときの症状の程度を知る目安になります。いつもと違うと感じたり、不機嫌な状態が続いたりする場合は、体調の変化に気をつけましょう。

また、下痢の症状で病院を受診するときは、直前に与えた離乳食だけでなく、下痢をしたときのおむつと、飲んだ水分の量、下痢の回数を記録したメモなどを持参すると、診断がより一層スムーズに進みますよ。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


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