離乳食を始める頃になると、「そろそろ乳歯が生えるかな?」と気になるママも多いですよね。じつは、乳歯が生えるタイミングには個人差が大きく「気がついたら乳歯が顔を出していて、慌ててケアグッズを買いに行った」という人もいます。
乳歯はいつ、どの順で生えるのか、そして生える前はどんな前兆があるのか、ご紹介します!
乳歯はいつ、どの順で生えるの?
乳歯は全部で20本。赤ちゃんの顎は大人より小さいため、乳歯は永久歯より8〜12本(親知らずを含める)少ないのです。
乳歯が生える順番はほぼ決まっていて、日本小児歯科学会では、上のタイミング・順番で生えるとしています(※1)。
ですが、歯が生えるタイミングは個人差が大きいと言われているため、「ninaru baby」では乳歯が「いつ」生えてきたのかアンケート(※2)を実施しました。
赤ちゃんの乳歯、実際はいつ生えた?
1歳代で生えることが多い4種類の歯について、いつ生えた赤ちゃんが多いのかご紹介します。
【目安は生後8〜10ヶ月】中央の前歯
まず、下の前歯が2本生え、約1ヶ月後に上の前歯が2本生えることが一般的です。
全体的に、目安の月齢より早く生え始めた赤ちゃんが多いようですね。
【目安は生後11〜12ヶ月】中央両隣の前歯
続いて、先に生えてきた前歯の両隣に、さらに前歯(乳側切歯)が生えてきます。
先に生えてくる中央の前歯は下→上の順に生えることが一般的ですが、外側の前歯は上→下の順に生えることが多いとされています。
ですが、「ninaru baby」のアンケートでは上・下同時に生えてきた赤ちゃんが多いことがわかりました。
生えてきた月齢だけでなく、生えてきた順番にも個人差が大きいことがわかります。
【目安は1歳4〜5ヶ月】手前側の奥歯
前歯が上下4本生えそろってから数ヶ月後に、手前側の奥歯(第一乳臼歯)が生えてきます。ポツリと離れ小島のように新しい歯が生えてくるので驚くママもいますが、問題ありません。
奥側の奥歯が生えてくるのはさらに1年後なので、それまでは歯の奥側に磨き残しがないように気をつけましょう。
【目安は1歳6〜7ヶ月】前歯と奥歯の間の歯
続いて、2本の前歯と手前側の奥歯の間に、糸切り歯とも呼ばれる犬歯が生えてきます。
1歳6〜7ヶ月頃に生えることが多いとされていますが、実際は、それまでに生えている赤ちゃんが多いようです。
先輩ママに聞きました!
乳歯が生える前、こんな様子がありました
乳歯が生える前には、いろいろな前兆があるようです。どんな様子が見られたのか、先輩ママに聞きました。
行為や変化 | 割合 | |
1 | いろいろなものを噛む | 80% |
2 | 唾液の量が増えた | 66% |
3 | 唾液をブクブクさせた | 21% |
4 | 口の中をしきりに触った | 20% |
4 | 機嫌が悪かった | 20% |
※複数回答
ちゃぽママ
むずがゆさがあるのか、いろいろなものを噛んでいました。また、唇をブブブーッとさせて唾液を呼ばす様子もありました。
はるりママ
グズグズと不機嫌になることが多かったですね。まさに生え始めの数日間は、夜泣きもありました。
うたぺそママ
はじめは、唾液が増えたな〜と思っていました。その後、自分の指を口に入れて歯茎を触ったり、指を歯茎に引っ掛けて引っ張ったりしていました。やはり、違和感を感じていたのだと思います。
先輩ママから寄せられた体験談は、やはり、乳歯が生える前兆だったのでしょうか?歯科医の茂山先生に教えてもらいました。
茂山医師
乳歯が生える前兆として、歯茎に若干の炎症を起こすことがあります。そのため、かゆみや違和感を感じ「むずがゆそうにする」「唾液が増える」「不機嫌になる」といった赤ちゃんもいます。
最初の乳歯は生後6〜8ヶ月に生えることが多く、3歳ごろにかけて徐々に生え揃っていきます。歯ぐずりは主に生後6ヶ月から1歳4ヶ月にかけてがピークで、徐々に落ち着いていきます。とくに心配する必要はありません。
赤ちゃんがむずがゆそうにするときは、歯固めを与えたり、ガーゼで拭ってあげたりするといいでしょう。少し冷やしてあげると、炎症が楽になるかもしれません。強くこすり過ぎたり、冷やし過ぎないように注意してください。
乳歯が生えるときに「微熱を出した」という体験談もあるようですが、関連性はとくにないようです。風邪やほかの病気だったのかもしれませんね。
乳歯が生える前兆が見えたらケアを開始!
赤ちゃんの歯が生えたら、離乳食の食べカスなどの汚れを取り除くといったケアが必要になります。
ですが、口の中はとっても敏感。口の中に髪の毛1本入っただけで、違和感を感じますよね。
歯が生えるという違和感を感じている赤ちゃんが、突然、口の中を触られると嫌がって泣いてしまうことも珍しくありません。
歯が生える前から、スキンシップの延長として赤ちゃんのほっぺや口周を触ってみましょう。
1. まずはほっぺや唇を触りましょう
赤ちゃんをママの膝に座らせて、スキンシップの一環としてほっぺや唇をやさしく触ります。
2. きれいな指で口の中を触ります
ほっぺや唇に触られることに慣れたら、次のステップに進みます。
爪を短く切り、清潔にした指先で赤ちゃんの口の中をやさしく触れます。
口の中を触れられることに慣れさせておくと、歯のケアをスムーズに進められますよ。
茂山医師
赤ちゃんが嫌がらなければ、これらのケアは毎日行った方がいいですね。
あまりに嫌がるときは無理強いはせず、機嫌を見ながら行いましょう。歯のケアを「イヤなこと」にしないことが大切ですよ。
赤ちゃんに乳歯が生えて…アイタタ事件簿
乳歯が生えるタイミング、乳歯が生える前兆、事前にやっておくとよいケアまで知っておくと、あとは、その日を楽しみにするだけ。
赤ちゃんが笑ったときにちょこんと除く白い歯はとっても愛らしいのですが、じつは、全国の家庭で嬉しい悲鳴が上がっているのだとか。
その、アイタタ報告をいくつかご紹介します。
ねこママ
うちは、添い乳をしながら寝かしつけをしています。私も息子もウトウト眠りかけていたときに、息子が寝ぼけて乳首をガブリッ!
突然の激痛に私が「イターイッ!」と悲鳴を上げたら、その悲鳴に驚いて息子が大泣きギャーン!その晩は寝かしつけに苦労しました…(笑)。
みぽりんママ
授乳をしようと思っておっぱいをくわえさせたら、乳首をカブッ!一度口を外して、くわえ直させてもガブッ!そして、私を見上げてニッコリ♡
お腹が空いていないときは乳首をガブッとするので、授乳の度にヒヤヒヤしています…。
くらげママ
子供と遊んでいるとき、よそ見をしながら相手をしてしまうこともあります。先日、私のその様子が不満だったのか、私の指をガブリッ!
きちんとわかっているんだな…と、文字通り痛感しました(笑)。
乳歯は永久歯の土台!
生える前からケアを開始しましょう
乳歯は6〜12歳で永久歯に生え変わりますが、1歳6ヶ月頃には、乳歯の下に永久歯がすでにスタンバイを始めています(※3)。
歯は、一生付き合っていく大切なもの。
乳歯のうちから歯のケアをしっかりして、歯磨きも習慣づけていきたいですね。
取材協力:茂山久夫
歯科医師/茂山歯科医院
九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Comprehensive Dentistry)、日本顎咬合学会、北九州歯学研究会若手会に所属。「一生を通じて付き合える歯医者さん」をコンセプトに、本人以上に患者さんのお口を分かっている、そんな信頼できる歯科医師を目指しています。大切な歯を守る第一歩は子どもの頃に作られる習慣と正しい知識です。子育てのお悩みの解消に少しでも貢献できたらと思っております。
※1 日本歯科医師会「テーマパーク8020『歯とお口の発生と育ち方』」
※2アンケート概要
実施期間:2018年11月17日~11月19日、11月25日〜11月27日
調査対象:「ninaru bany」利用者
有効回答数:423件
収集方法:Webアンケート
※3 医歯薬出版株式会社『親と子の健やかな育ちに寄り添う 乳幼児の口と歯の健診ガイド 第2版』p.21