赤ちゃんがつかまり立ちができるようになる日を、心待ちにしているママも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんは危険を認識できないかため、ママや家族が予想もしないものにつかまって転倒してしまうことも。
赤ちゃんがつかまり立ちできるようになるとどんな危険があるのか、そして転倒防止するために先輩ママはどんな工夫をしているのか調査しました!
7割の赤ちゃんがつかまり立ちで転倒!
赤ちゃんは、まだまだ危険を認識できません。そのため、軽いもの・簡単に動いてしまうものであっても、近くにあれば手を伸ばし、つかまって立とうとしてしまいます。
「ninaru baby」がアンケート調査(※)を実施したところ、7割を超える赤ちゃんが、つかまり立ちから体勢を崩して転倒・転落したり、頭をぶつけていることがわかりました。
つかまり立ちができるようになる生後8〜9ヶ月ごろの身長は65〜75cm程度にもなり、その分、転倒したときに受けるダメージも大きくなります。
家の中は危険が多い!
赤ちゃんの転倒はこうして起きた
赤ちゃんがつかまり立ちをしていて体勢を崩したりして、転倒・転落を体験したことのあるママにそのときの様子を教えてもらいました。
軽い物につかまり立ちして赤ちゃんが転倒!
アイロンのコードにつかまって…
義理の姉が体験した話です。
ダイニングでアイロンをかけていたときに宅配便が来て、ほんの一瞬目を離した隙に、赤ちゃんがアイロンのコードをつかんで立とうとしたことがあったそうです。
赤ちゃんの大きな泣き声がしてリビングに戻ったところ、赤ちゃんが転倒し、すぐそばにはアイロンが落ちていたそうです。運悪く赤ちゃんのかかとにアイロンが当たってしまい、すぐに病院へ。
火傷をして水ぶくれができてしまい、しばらく抗菌薬の軟膏を塗ったりして大変だったそうです。この話を聞いて、他人事ではないな…と思いました。
みーママ
包丁や食器が落ちそうに…
子供が生後10ヶ月ごろの出来事です。
シンクの横に大判のふきんを広げ、洗った食器や包丁を乾かしていました。ふきんの端が手を伸ばしたら届く高さにまで垂れていて、もう少しで子供の頭を上に食器などが落ちるところでした。
つかまり立ちが始まると、高い位置まで手が届くようになるので注意が必要です。
かこママ
動く物につかまり立ちして赤ちゃんが転倒!
キャスター付きの椅子につかまって転倒
一度、キャスター付きの椅子につかまって立とうとした瞬間を目撃したことがあります。
つかまったものが前に動いて行ってしまうことに焦ったようで、子供のこわばった表情が今でも忘れられません…。そのまま転倒し、おでこをぶつけてしまいました。
ひでみママ
冷蔵庫の扉をつかんで…
足の力が強かったのか、生後7ヶ月でつかまり立ちをするようになりました。
ちょっと目を離した隙にキッチンに行き、冷蔵庫の引き出しでつかまり立ちをしようとしたことがありました。冷蔵庫の引き出しが勢いよく開き、そのまま転倒して後頭部をぶつけてしまいました。
それ以来、家の中に危険な場所がないかチェックするようになりました。
ゆうママ
バランスを崩して赤ちゃんが転倒!
目の前で転倒、角にごっつん!
子供が生後7ヶ月のときのこと。リビングのローテーブルにつかまり立ちをして、そのままバランスを崩してテーブルの角にこめかみをごっつんしたことがあります。
すぐ隣にいましたが、一瞬のことで子供を守れませんでした…。それ以外、テーブルの角にはクッションガードを取り付けています。
ゆきママ
ガラス戸につかまって…
つかまり立ちを覚えたばかりで、まだ自分でしゃがめなかった生後8ヶ月のときにヒヤッと体験をしました。
ベランダに続くガラス戸につかまり立ちをし、バランスを崩して後ろに転倒したことがありました。もしこれが、ガラス戸側に転倒していたら…と思うと、不幸中の幸いだったと思います。
しゅうちゃんママ
以上の体験談からも、赤ちゃんは思いもよらないものにつかまって立とうとすることがわかりました。
そのほかにも、赤ちゃんがつかまり立ちをできるようになると、家の中には危険がたくさん潜んでいるのです。
赤ちゃんがつかまり立ちをしたら
危険な場所はどこ?
先輩ママからの体験談をいくつかご紹介しましたが、赤ちゃんがつかまり立ちを始めたら転倒しやすいポイント、危険な場所はそのほかにもたくさんがあります。
全部見つけられますか?
赤ちゃんがつかまり立ちを始めて
危険なポイントは5つ!
1. 当たるとケガにつながる角はガードを!
テレビボートやローテーブルの角など、赤ちゃんが転倒したときに頭をぶつける可能性がある家具は、クッション材などでガードをしましょう。
● プレジュール コーナーガード
2. 動きやすいものは撤去か固定を
キャスターがついたワゴンなどは、赤ちゃんがつかまり立ちをしようとして体重をかけると簡単に動いてしまいます。
赤ちゃんの手の届かないところに移動するか、動かないように固定しましょう。
ダイニングの椅子などは壁側に移動させ、赤ちゃんの手が届かないようにするのも一つの手です。
● アイリスオーヤマ 家具転倒防止伸縮棒
3. コードは引っ張れないように固定を
コードを頼りにつかまり立ちをするだけでなく、つかまり立ちをマスターしたことで赤ちゃんの視界に入り、引っ張ってしまうこともあります。
赤ちゃんの頭上に重いものが落ちてこないように、コードにも対策をしたほうが安心です。
● HIEI コードクリップ
4. テーブルクロスは外すか、ビニール製に
ダイニングテーブルのクロスを引っ張ってしまい、テーブルに乗せている食器が落ちてくる危険性があります。
テーブルクロスは外すか、動かないビニール製のものに変更しましょう。その際、天板と同サイズのものを購入するといいですよ。
● Forhomelife テーブルクロス
5. 赤ちゃんの靴下は滑り止めつきのものに
赤ちゃんがつかまり立ちをするとき、裸足のほうが踏ん張りが効きます。ですが、寒い日は靴下を履かせるおうちもありますよね。
その際は、足の裏に滑り止め機能がついた靴下を選んだほうが、転倒を防止できます。
● BEHELE 滑り止めベビーソックス
つかまり立ちで転倒!ケアと受診の目安は?
赤ちゃんがつかまり立ちをマスターし、上手にバランスが取れるようになるまでは時間がかかります。
どんなにママや家族が気をつけていても、赤ちゃんが転倒してしまうことはあります。
どんな症状なら自宅で様子を見てよいのか、逆にどのような症状なら受診したほうがよいのか、小児科医の武井先生に教えてもらいました。
自宅で様子を見てもいい症状
- いつもと様子が変わらない
- 手足や体を動かしている
- 機嫌がよい
- 食欲がある
ぶつけた場所が腫れたり赤くなっていたりしたら、冷やしてください。
小児科を受診したほうがいい症状
- 顔色や機嫌が悪い
- 食事や水分を摂らない
- 呼びかけに対する反応が、いつもより鈍い
救急車を呼んだほうがいい症状
- 意識状態が悪い(呼びかけに反応しない)
- けいれん症状がある(手足をガクガクさせる)
これらの様子があるときは呼吸の状態もチェックし、すぐに救急車を呼んでください。
赤ちゃんがつかまり立ちから転倒したときは、転倒したときの高さ、どこに、どのように、体のどこをぶつけたのかを確認してください。診断時の大切な情報になります。
赤ちゃんの機嫌や顔色、手足の動きに変化がないか、しばらくは赤ちゃんの様子は注意深く見守るようにしてください。
つかまり立ちをする前に部屋を見直そう
赤ちゃんは、昨日までできなかったことが、突然できるようになります。
「つかまり立ちはまだ先だから…」と安心せず、今のうちから室内に危険なものがないか確認して対策を始めましょう。
大人がしゃがんだ高さは、赤ちゃんがつかまり立ちをしたときの高さに近しくなります。その姿勢で、家のなかを見直してみるといいですよ。
取材協力:小児科/高座渋谷つばさクリニック 武井智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。