赤ちゃんの鼻水が透明・黄色!原因や対処法は?緑にもなるの?

赤ちゃんは、空気の乾燥や気温の変化に敏感に反応して鼻水を出しやすいものです。ただ、鼻水の状態がいつもと違うと心配になりますよね。

今回は、赤ちゃんの鼻水が透明のときや黄色・緑色のときの原因と対処法、自宅でのケア方法などをご紹介します。

赤ちゃんはなぜ鼻水が出やすい?

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鼻水の大きな役割は、外から侵入してきた細菌やウイルスを体の外に出すことです。

ウイルスが鼻の粘膜につくと炎症が起こり、粘膜の神経が刺激を受けることで鼻水が分泌されます。

赤ちゃんの鼻の粘膜は温度差や乾燥などに敏感なので、ウイルスに感染していなくても鼻水が出てきてしまうこともあります。

赤ちゃんの透明な鼻水の原因は?どう対処する?

赤ちゃんが透明でサラサラとした鼻水を出している場合、細菌やウイルスによる感染ではなく、気温や湿度などの外部環境の変化が原因である可能性が高いかもしれません。

発熱や咳といった風邪の症状がなく、食欲もあって元気であれば、しばらく様子を見ましょう。

もし、鼻詰まりやくしゃみもあるようであれば、アレルギー性鼻炎によって起こっている可能性もあります。

アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に鼻の粘膜が刺激されて起こります。症状が繰り返し出ている場合は、早めに病院を受診しましょう。

病院でアレルギー検査を行うと、何に対してアレルギーを持っている可能性があるのかを調べることができます。アレルゲンを避けることでアレルギー症状は軽快します。

例えば、ハウスダストがアレルゲンだった場合は家の掃除をこまめにする、花粉がアレルゲンだった場合は、花粉の飛散が多いときは窓を閉めたり、マスクをしたりするなどして対処します。動物(犬・猫)であることもあります。

症状が強いときには、赤ちゃんでも使えるアレルギーを抑える薬を処方してくれますよ。

赤ちゃんの黄色・緑色の鼻水の原因は?

赤ちゃんの鼻水が黄色や緑色をしていたら、風邪だけでなく以下のような病気にかかっている可能性があります。

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は、特に0歳の赤ちゃんで症状が重くなりやすく、生後6ヶ月未満でも多く発症します。

症状は鼻水から始まり、発熱と咳が続きます。呼吸が急激に苦しくなる細気管支炎や肺炎になることがあり、特に赤ちゃんは感染に注意が必要な病気です(※1)。

アデノウイルス感染症

アデノウイルスはいわゆる「かぜ症候群」を引き起こす主要な病原体の一つで、鼻水や咳、発熱、発疹、白目の充血、下痢など、様々な症状を引き起こすことがあります(※2)。夏季に流行する傾向があり、発熱が4~5日程度続くこともあります。

百日咳

百日咳はその名の通り、咳が長引くのが特徴です。
しかし最初の症状としては、咳と共に鼻水、くしゃみが出ます。RSウイルス感染症と同様に、0歳の赤ちゃんに多く発症し、肺炎や無呼吸や脳炎になることもあり、重症化に注意が必要です(※3)。

この他にも、インフルエンザなど赤ちゃんが鼻水が出る病気にはさまざまなものがあります。

赤ちゃんが色の付いた鼻水を出しているときは、病気にかかっている可能性があるので、早めに病院を受診するようにしましょう。

原因が風邪だった場合は、基本的にこまめに水分を補給しながら安静にして、症状を和らげる治療法を行っていきます。

鼻水の量があまりに多いときは、市販の吸引器を使ったり、小児科や耳鼻科で鼻水を吸い取ってもらったりして対応しましょう。

赤ちゃんの透明や黄色・緑色の鼻水に対する自宅でのケアは?

赤ちゃんは自分で鼻をかむことができないので、鼻水の色が透明でも、黄色・緑色でも、こまめにとってあげてください。赤ちゃんの鼻の穴は小さく、すぐに鼻水が詰まって息苦しくなってしまいます。

透明でサラサラな鼻水なら、清潔なガーゼで優しく拭いてあげ、黄色や緑色で粘り気のある鼻水なら市販の吸引器などで吸ってあげましょう。

また、鼻水が出ている間は横にされるよりも立っている状態の方が鼻の通りがよく呼吸がしやすいので、できるだけ縦抱きにしてあげると良いですよ。

赤ちゃんの鼻水にはしっかり注意しよう

赤ちゃんは鼻水をしょっちゅう出しているため、普段と多少違う鼻水が出ても、それほど気にならないかもしれません。

しかし、鼻水の原因が病気だった場合、何もせず放っておくと症状が悪化する恐れがあります。

こまめに拭きとったり吸引したりして対処しながら、鼻水の状態に気を配り、他にも熱や咳が出ていないかを見てあげることが大切です。鼻水の状態は体調の変化を示す大切なサインと考え、赤ちゃんの健康を守ってあげてください。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


※1 国立感染症研究所「RSウイルス感染症とは」
※2 国立感染症研究所「アデノウイルスの種類と病気」
※3 国立感染症研究所「百日咳とは」

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