「離乳食が始まった」「職場復帰を控えている」「そろそろ二人目が欲しい」など、さまざまな理由で断乳を考えるママもいますよね。断乳にはさまざまな方法がありますが、「夜間断乳」が気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、夜間断乳の方法や時期についてご紹介します。
夜間断乳とは?
夜間断乳とは、昼間はいつもどおり授乳を続け、赤ちゃんが就寝したあとは朝起きるまで授乳をしないという方法です。
断乳のファーストステップとして採用するママも多く、アンケートでは約200名のママのうち、1/4以上が「夜間断乳から始めた」と回答しました(※)。
夜間の授乳回数には個人差がありますが、赤ちゃんが何度も起きたり、夜泣きが激しかったりすると、睡眠不足になることも多く、産後うつや育児ストレスにつながることも指摘されています(※1)。
健康な状態で子育てするためには睡眠も大切なので、寝不足でつらい場合は夜間断乳を検討してみてくださいね。
夜間断乳のメリットは?
夜間断乳のメリットは授乳回数を減らしやすく、うまくいけば赤ちゃんが朝までぐっすり寝るようになることです。
おっぱい以外の飲み物や離乳食からも水分・栄養を摂れるようになる生後5〜6ヶ月を過ぎると、夜間にお腹が空いて起きることが減り、まとまって眠ることができるようになってきます。
また、朝ごはんをよく食べるようになり、昼間の断乳も進めやすくなるというメリットも。
赤ちゃんだけでなく、ママも夜中に何度も起きる必要がなくなるので、まとまった睡眠を取れるようになり、育児のストレスが少し減るかもしれませんね。
夜間断乳の方法は?いつから始めればいい?
夜間断乳を始めるタイミングは人それぞれですが、離乳食が始まり、夜間の授乳量が減ってきた時期がおすすめです。
先輩ママの中には、「おっぱいばかり欲しがって、なかなか離乳食が進まない」という理由から、夜間断乳を始めた人もいます(※)。
夜間断乳の方法は「寝る前に授乳をしたら、夜中に泣いても授乳をしない」というだけです。
泣いて起きてしまったときは、背中をトントンしたり、泣きやむまで抱っこしたりして寝かしつけるママが多いようです。
夜間断乳を始めてしばらくは、赤ちゃんが夜中に大泣きすることもよくあります。
すぐに母乳をあげたい気持ちになってしまいますが、赤ちゃんも徐々に慣れてくるのでぐっと我慢しましょう。
3日目は朝まで寝てくれました!
夜間断乳の初日は、深夜に泣いて起きたとき、抱っこしながらマグで白湯をあげると、10分くらい泣いたあと、5分くらいウトウトして寝ました。朝方に再び起きたときは、抱っこしてゆらゆら揺らすと10分ほどで寝つきました。断乳2日目は、深夜に泣いて起きましたが10分ほどの抱っこで寝つき、3日目は朝まで寝てくれるようになりました。
ぽんぽんぽにーさん
夜間断乳を進めるときのポイントは?
夜間断乳をするときは、以下のようなポイントを押さえるといいですよ。
生活リズムを整える
夜間断乳をうまく進めるには、まず赤ちゃんの生活リズムを整える必要があります。
月齢に合わせた昼寝の時間を取りつつ、夕方以降はお昼寝を控えるようにして、夜にぐっすり睡眠できる体制を整えましょう。お風呂に長めに入ったり、寝る前までにしっかりと体を動かして疲れさせたりするのもいいですね。
言葉で伝える
この頃になると、赤ちゃんもある程度理解できるようになっています。
「もう夜だから、ねんねしようね。おっぱいはまた朝飲もうね」と言い聞かせると、案外通じたというママも多いです。まだ分からないからと思わずに、言い聞かせてみてくださいね。
おっぱい以外のあやし方を探す
なかなか夜間断乳が上手く進められないという場合は、おっぱいに代わるものを見つけると、スムーズに進むことも。
おしゃぶりやぬいぐるみ、タオルなどを与えると、安心して寝てくれることがあります。
おっぱいをあげる時間や回数が減る分、抱っこなどでたくさんスキンシップをとってあげてくださいね。
夜間断乳は赤ちゃんの成長に合わせることが大切
夜中に何度も起きて授乳するのはとても大変です。まとまった睡眠がとれず疲労が溜まってつらいときは、赤ちゃんの成長に合わせて夜間断乳を検討してみましょう。
断乳方法に迷ったときは、母乳ケアをしている助産院や母乳外来に行って相談してみてくださいね。
※アンケート概要
実施期間:2017年6月30日~7月9日
調査対象:卒乳・断乳を完了した/検討している「こそだてハック」読者
有効回答数:207件(うち卒乳・断乳を完了したママは169名)
収集方法:Webアンケート
監修協力:看護師・助産師小児科 岡 美雪さん
看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日本に帰国後、現在は大学院で助産学の研究活動をしている。
【参考文献】
※1 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』pp.156-157