赤ちゃんの離乳食が進んだり、ママの仕事復帰が近くなったりすると、「卒乳」や「断乳」のことを考えるのではないでしょうか。授乳を止めることで、おっぱいトラブルが起こりやすいという話を耳にして、その後のケア方法に不安を感じることもありますよね。
そこで今回は、卒乳後・断乳後のおっぱいのケア方法や注意点をご紹介します。
そもそも、卒乳と断乳の違いってなに?
卒乳や断乳は、「おっぱいをやめる」という意味では同じように聞こえますが、進め方が異なります。
卒乳とは子どもの意志で自然に母乳を飲まなくなること、断乳はママの意志や計画で授乳をやめることを指します。
卒乳・断乳は時期も異なることが多く、卒乳を選んだ場合は母乳を与える時期が少し長い傾向にあります。
卒乳後・断乳後のおっぱいの変化は?ケアしないと乳腺炎になるの?
母乳の回数が減ったり、飲まれなくなったりすると、母乳を出すホルモンの量が減るため徐々に母乳の量も減ってきます。
ただし、もともと母乳の量が多い場合や断乳をする場合は、母乳が貯まることでおっぱいがパンパンに張ってしまうこともあります。
そのままの状態にしておくと、場合によっては乳腺炎を引き起こすおそれがあります。卒乳でも断乳でも、おっぱいの状態をみながら適切なケアを行うことが大切です。
卒乳後・断乳後のケア方法やコツは?
自分で母乳を搾ってケアする場合は、少しずつおっぱいを搾る間隔を開けていき、残乳を出してあげましょう。
卒乳・断乳開始から3日間が、もっともおっぱいが張りやすく、痛みも出やすいといわれています。おっぱいが張ってつらいときは、両手でおっぱいを握るようにして圧を抜く「圧抜き」という方法で、残乳を少し搾ってください。
搾り過ぎると母乳を分泌するホルモンが出続けてしまうため、おっぱいがやわらかくなるまで搾るのは控えましょう。
自分で行うだけでは搾り方が偏ってしまうことや、搾りが不十分なこともあるので、母乳外来や母乳相談室で、おっぱいマッサージなどのケアをしてもらうのもおすすめです。
卒乳後・断乳後は子どもの精神面もケアしよう
おっぱいをやめることをすんなり受け入れられる子もいますが、なかなか受け入れられない子もいます。卒乳・断乳後に不安そうにすることや甘えるようなことがあれば、たっぷりとスキンシップをとって愛情を伝えてあげましょう。
眠る前にぎゅっと抱きしめてあげたり、「大好きだよ」と声をかけてあげたりすることで、少しずつ安定してきますよ。
監修専門家:助産師 佐藤 裕子
日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助産院では、日々多くのママたちからの母乳相談や育児相談を受けています。具体的に悩みを解決でき、ここにくると安心してもらえる、そんな助産師を目指しています。
※1 WHO『Complementary feeding: family foods for breastfed children』