ママの職場復帰やおっぱいのトラブルなどから、「断乳」を検討している人もいるかもしれませんね。
この記事では、1歳半で1度目の断乳にチャレンジしたもののうまくいかず、半年後に再チャレンジして2歳で断乳したママの体験談をご紹介します。
● 授乳回数:1回(寝かしつけのみ)
● 断乳を決意した理由:ママの仕事が忙しくなってきたから
1歳4ヶ月:夕方の授乳をやめたい…
私が断乳を意識し始めたのは、息子が1歳5ヶ月になろうとした秋のこと。
1歳ちょうどで保育園に入園し、離乳食もしっかり食べていたので「そろそろかな…」と思っていました。
慣れない環境に息子も疲れるのか、保育園から帰るとまずはおっぱいを飲んでウトウトするのがクセになっていました。
「急いでご飯を作らなければ…」という気持ちと、夕方に寝てしまうと夜の寝かしつけに時間がかかることから、「そろそろ断乳したいな」という気持ちが強くなっていきました。
1歳5ヶ月:まずは夕方の授乳をやめてみる
断乳に向けて、まずは夕方の授乳をやめることからスタート。
息子がおっぱいを欲しがったら牛乳を飲ませ、絵本やおもちゃを使って気をそらせることに。
さらに、おっぱいがなくてもスムーズにねんねできるように、眠そうにしていたら話しかけて起こすようにしていました。
その間、私は断乳の体験談を読んで基礎知識をインプット。
「やっぱり赤ちゃんは泣いてしまうんだ」
「なんとかうまく断乳できたらいいなぁ」
今思うと、そのときの私には「断乳をする!」という明確な決意はなかったのだと思います。
「ダメならやり直せばいいか。そういう人もいるみたいだし」という気持ちが、心の底にあったのかもしれません。
1歳6ヶ月:10日前から断乳を言い聞かせる
おっぱいを欲しがって泣き、睡眠不足になることを踏まえて断乳は金曜日に実行することに。
そういえば、夫には「●月●日に断乳するね」ではなく、「タイミングを見て、今月の金曜日におっぱいをやめようと思っている」と伝えていました。
思い返すと、やっぱり明確な決意ができていなかったんだな…。
息子には、10日前から「おっぱいとバイバイするよ」ということを言い聞かせ始めました。
言葉を出るのが少し遅かった息子は、このとき、私が言っている内容を理解しているようには見えませんでした。
断乳前、最後の授乳
当時の寝かしつけは、9時頃。
おっぱいをくわえているうちにウトウトしてしまうので、おっぱいを出す前に「これで最後だよ。おっぱいとバイバイするよ」と言い聞かせました。
当の息子はキョトンとして、私の言っている意味は理解していない様子。
おっぱいが入眠儀式になっていたので、おっぱいをくわえるとそのまますーっと寝入ってしまいました。
なんともあっけない、最後の授乳でした。
断乳当日。帰宅〜お風呂〜寝かしつけ
断乳当日の流れは、以下のとおり。
時間 | 内容 |
8:00 | 起床・朝食 |
8:45 | 保育園へ登園 |
9:00〜17:30 | 保育園で過ごす |
18:00 | 保育園から帰宅 |
19:00 | 夜ごはん |
20:00 | おふろ |
21:00 | 寝かしつけ |
夫の帰宅が遅いため、その日も私が1人でお風呂に入れることになりました。
おっぱいは入眠儀式だったので、おふろの中で触ったりすることはありませんでした。
いよいよ寝かしつけ
いつもと同じ時間に、ベッドへ移動。おふろ上がりから気をつけたのは、以下の2つ。
● 前開きのパジャマを着なかったこと
● 授乳を連想させる仕草をしなかったこと
手を胸の前に持っていくと授乳を連想させてしまうと思い、それだけは意識して避けるようにしました。
まずは絵本を読んで、電気を暗くしてから背中をトントンしながら寝かしつけを開始。
口を開けて、おっぱいを待つ息子
ベッドに横になると条件反射のように口をパクパクさせ、息子はおっぱいが口に入るのを待っていました。
「なんでないの?」「なんでおっぱいないの?」とでも言いたいそうな、不安そうな顔をして、息子はおっぱいを待ち続けていました。
背中をトントンしながら「おっぱいはナイナイだよ」と説明しているうちに、ついに泣き出してしまいました。
顔を真っ赤にして泣く。見たことのない嗚咽
抱っこをするとおっぱいの存在を感じて逆効果になると思い、向かい合って座り、必死に語りかけました。でも…
ー顔を真っ赤にして泣くー
ー声が続く限り、叫び続けるー
ー嗚咽をもらし、息もできないほど泣き叫ぶー
息子が生まれてこの方、一度も目にしたことのないほどの泣き方でした。
そんな時間が1時間以上も続き、もう、私の心が限界でした。
だって、目の前に息ができなくなるくらい泣き叫ぶ息子がいるんです。
断乳に失敗したママの体験談はもちろん読んでいたけれど、「目の前の息子をなんとかしなくては…」ただその一心でした。
すごい勢いでおっぱいに吸い付いた息子
いてもたってもいられずにおっぱいを出すと、すごい勢いで息子は吸い付いてきました。そして、安心しきった表情で、あっという間に寝入ってしまったのです。
その様子を見た私は、いろいろな気持ちが入り乱れていました。
「おっぱいにはこんなにも安心感があったんだ」
「こんな思いをさせてごめんね」
「断念してごめん。もう一度こんな思いをさせなくてはいけないのか」
明日から、おっぱいに執着させないようにしなくては…。それしか考えられませんでした。
断乳失敗。夜、寝るときは不安そうに…
息子にとっておっぱいは寝入るときの安心材料だったので、翌日以降も、日中におっぱいを要求されることはありませんでした。
おふろに入るときも絆創膏を貼ったりはしなかったけれど、おっぱいを触ってくる様子はありませんでした。
その様子を見て「今日もチャレンジしたら、断乳できるかも」と思ったものの、現実はそう甘くありませんでした。
いざ、寝かしつけをしようとすると、不安そうな表情で必死におっぱいを探してきたのです。
前日の出来事は、私が思う以上に息子の中に深く刻み込まれていることを思い知らされた瞬間でした。
もう一度断乳にチャレンジするには、時間がかかるな…と覚悟を決めました。
1歳8ヶ月:おっぱいと息子の関係に変化が
それまでも、寝入るときに寝ぼけて乳首を噛むクセがあったのですが、1歳8ヶ月頃からそれがひどくなりました。
歯も生え揃ってきて、噛む力も強くなっているので、悲鳴をあげるほどの激痛…。
「おっぱいを噛んだら、ママが痛いでしょ!」当時、何度も何度も息子に言い聞かせました。
「おっぱいを噛んだら、もう、おっぱいはおしまい」そう言って、息子の口からおっぱいを離すこともありました。
ーおっぱいを噛むと、ママが痛そうにするー
ーおっぱいを噛んだら、おっぱいはおしまいー
ーおっぱいはママのものー
息子が言葉を理解し始めたのも、この頃だった気がします。
断乳は2歳の誕生日に。今度こそ…
私の言うことを息子が理解し始めたこと、そして、おっぱいはママのものだとわかり始めたのを機に、2歳の誕生日に断乳することを決めました。
乳歯が生え揃い、虫歯が気になっていたことも理由の一つです。
2度目の断乳では、1ヶ月前から言い聞かせをスタートしました。
言葉を理解し始めていたけれど、身振りも加え「おっぱいとバイバイする」ということを息子がきちんと理解できるようにくり返し言い聞かせました。
一瞬、不安そうな表情を息子がしたことを覚えています。きっと、私が言うことを理解できていたのだと思います。
息子の誕生日に印をつけたカレンダーを見せ、「2歳になったら、おっぱいとバイバイだよ」と1ヶ月間、くり返し言い聞かせました。
2度目の嗚咽。でも私の心に余裕があった
2度目の断乳も、同じように寝かしつけをしました。おっぱいは出さず、背中をトントン、トントン。
すると、前回と同様の泣き方をしました。全身を使って、声の限りを振り絞って叫び、全力で訴えてきました。
でも、前回と決定的に違うことがあったのです。それは、私の心に余裕があったこと。
息子が全身で泣き叫ぶ姿を初めて見たときは、正直、動転しました。平静ではいられませんでした。母親ですから。
でも、2度目は平静でいられました。「そうだよね、さみしいもんね」と、息子の気持ちを受け止める余裕がありました。母親ですから。
あぁ、新生児の頃みたいだなぁ
そのときの私には、なんだか新生児の頃を懐かしむくらいの余裕すらありました。
ひたすら抱っこして、トントンして、寝付くのを待ったあの日々。
「久しぶりだなぁ。いつの間にか、大きくなったなぁ」そんな風に思いながら、泣きたいだけ泣いて、息子が泣き疲れて寝るのを待ち続けました。
保育園でしっかり遊んでいるとはいえ、もう2歳。やっぱり体力があります。1時間は全力で泣き続けました。
1時間が過ぎて、泣き方に変化が
泣き始めて1時間が過ぎると、泣き方が変わってきました。
全力で泣き叫んでいたのが、やがてグズグスと疲れた泣き方に変わってきたのです。
グズグズ泣きになってから30分、息子がやっと疲れて眠りに落ちました。
「おつかれさま」「全力で泣いて、疲れたよね」と心の中で息子に語りかけながら、深い眠りの寝息に変わるまで抱っこしていました。
泣き始めてから2時間半、やっと息子を布団におろしました。
あぁ、おっぱいとバイバイしたんだなぁ。2年間って長くて、短かったなぁ。
「本当に断乳しますか?断乳できますか?」
『私が1度、断乳を失敗してしまったのは「断乳をする!」という確固たる決意がなかったからだと思います』と、体験談を語ってくれたママは言います。
ママにもいろいろな事情があると思いますが、「断乳する!」と決めたら、その気持ちを突き通したほうがいいと多くの先輩ママも言います。
「うまくいったらいいな」「ダメならやり直せばいいか」ママの気持ちが中途半端だと、赤ちゃんは混乱してしまうのかもしれません。
いつかは、赤ちゃんはおっぱいとバイバイする日がやってきます。その日まで、ママと赤ちゃんのとっておきの時間を楽しんでくださいね。