妊娠初期に「なんだか胃がムカムカする」といった症状に悩まされる人は少なくありません。この胃のムカムカはつわりなのか、他に原因はあるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠初期に胃がムカムカする理由や対処法について説明します。
妊娠初期に胃がムカムカする原因は?つわりなの?
妊娠初期に感じる胃のムカムカは、以下のような原因が考えられます。
つわり
妊娠初期の胃のムカムカはつわりの症状であることが多いです。
つわりと聞くと吐き気や嘔吐を想像するかもしれませんが、症状の感じ方は人によって違います。
吐き気とまではいかないけれど、胃がムカムカする、胃が重く感じるという人も少なくありません。
つわりの原因ははっきりとはわかっておらず、妊娠したことによるホルモンバランスの変化などが影響しているのではないかと考えられています。
ホルモンの影響
妊娠すると増加する「プロゲステロン」というホルモンの影響で胃のムカつきが起こっている可能性もあります。
プロゲステロンには胃腸の働きを弱める作用があるので、消化不良や胃もたれが起きやすくなり、胃のムカムカを感じることがあります(※1)。
ストレス
妊娠初期は疲れを感じやすくなっているため、胃の働きが弱くなってしまうことも。
体調やホルモンの変化などのストレスによって胃が荒れてしまい、ムカムカを引き起こしている可能性もあります。
胃のムカムカはいつからいつまで続く?
一般的に、胃のムカつきなどのつわり症状は妊娠5~6週頃から始まり、妊娠12~16週頃まで続くといわれています(※1)。
ninaruシリーズのユーザーに行ったアンケート(※)では、ムカムカするなどの胃の症状が出たと回答した妊婦さんの約7割が12~16週頃につわりが落ち着いたと回答していました。
ただし、胃のムカムカなどの症状が落ち着く時期には個人差が大きく、10週以前に症状が収まったり、20週以降も症状が続いたりする人もいました。
胃がムカムカするときに薬は飲める?
胃のムカムカがひどい場合は薬を飲みたくなるかもしれませんが、妊娠中に服用するとお腹の赤ちゃんに影響するものもあるため、自己判断で服用するのはやめましょう。
症状がつらい場合は、早めにかかりつけの産婦人科で相談してくださいね。
妊娠週数にもよりますが、症状に応じて妊婦さんでも飲める安全な薬を処方してもらえることもあります。
胃がムカムカする時の対処法は?
胃のムカムカがひどく、吐き気がしたり、何も食べられなかったりするときは以下の対処法を試してみてくださいね。
1回の食事量は少なめにして複数回に分ける
一度にたくさんの量を食べると胃に負担がかかり、胃のムカつきがひどくなることがあります。1回あたりの食事量を減らし、1日の食事の回数を5回、6回と増やしてみるのもおすすめです。
食べられるものを食べたいときに食べる
食べたいものだけを食べていたら、赤ちゃんへ届く栄養も偏るのではないかと心配になるかもしれませんが、妊娠初期の赤ちゃんはママの体に蓄えられた栄養で育ちます(※1)。
まずは体調を優先しつつ、少しずつでもいいので食べられるものを食べられる分だけ食べるようにしましょう。
しっかり休む
ストレスが原因となっている場合は、しっかりと体を休ませることが大切です。忙しい日々のなかでついつい無理をしてしまいがちですが、自分なりのリラックスできる方法をみつけてストレスを溜め込まないようにできるといいですね。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』p.42,86,87
※アンケート概要
実施期間:①2022年9月7日〜9月30日 ②2022年10月25日〜11月1日
調査対象:妊娠中につわりを経験したninaruシリーズユーザー
有効回答数:①1097件 ②277件
収集方法:Webアンケート