「排卵検査薬が陽性で妊娠していた!」という体験談を耳にしたことがある人もいますよね。本当に排卵検査薬で妊娠判定ができるのか気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、排卵検査薬で妊娠判定が可能かどうかや、妊娠判定ができると言われている理由についてご説明します。
排卵検査薬で妊娠判定はできる?
排卵検査薬は「排卵が近づいていること」がわかるものなので、妊娠を判定することはできません。
ネットやSNSなどには排卵検査薬が陽性で妊娠していたという体験談もありますが、これはあくまで一部の声であり、排卵検査薬では正しい検査はできないと考えましょう。
排卵検査薬は、排卵前に分泌量が急激に増加する「黄体形成ホルモン(LH)」、妊娠検査薬は妊娠が成立すると女性の体内でつくられる「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」というホルモンに反応します(※1,2)。
検出するホルモンの種類が異なるため、妊娠しているかどうかを調べたいときには妊娠検査薬を使うようにしてくださいね。
排卵検査薬が妊娠にも反応すると言われるのはなぜ?
排卵検査薬で妊娠判定できると言われることがあるのは、排卵検査薬と妊娠検査薬が検知するホルモンが似た構造を持っているためです。
市販の排卵検査薬がその2つのホルモンの違いを正確に検出できない場合に、排卵検査薬が誤反応して「陽性」を示してしまうことがあるようです。
妊娠に心当たりがある場合は、排卵検査薬で陽性になったときでも必ず妊娠検査薬を使いましょう。
妊娠検査薬以外で妊娠判定できるものはある?
自宅でできる方法のなかでは妊娠検査薬が最も正確ですが、以下のような症状も妊娠したかどうかの目安となることがあります。
妊娠初期症状
妊娠が成立すると、胸の張りや微量の出血、吐き気、腰痛、おりものの変化、胃痛などの「妊娠初期症状」と呼ばれる症状が現れることがあります。
ただし、これらの症状は月経前症候群(PMS)と似ていたり、現れ方には個人差があったりするため、妊娠しているかどうかの判断を確実にはできません。あくまで参考程度にしてくださいね。
高温期が続く
普段から基礎体温をつけている女性の場合は、基礎体温も妊娠の目安になります。
女性は生理開始から排卵日までの「低温期」と、排卵後から次の生理開始までの「高温期」を繰り返していますが、妊娠すると高温期が続きます。
高温期が17日以上続いた場合、妊娠している可能性があります(※3)。妊娠検査薬を使って判定をし、陽性が出たら産婦人科できちんと検査をしてもらいましょう。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 ロート製薬「ドゥーテストhCGa 添付文書」
※2 ロート製薬「ドゥーテストLHⅡ 添付文書」
※3 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』p.25