授乳中のダイエット食品、食べてはいけないものはある?

出産を終えると、妊娠で太ってしまった分をダイエットで減らしたいと考えるママも多いでしょう。

しかし、赤ちゃんを産んでからすぐは、運動もできず、授乳中はお腹もすくため、ダイエットがしにくいという面もあります。そこで頼りたくなるのがダイエット食品。

ただ、授乳中にダイエット食品を食べてもいいのでしょうか?今回は、そんな疑問を専門家の方に聞いてみました。

授乳中のダイエット食品、「こんにゃく麺」は食べてOK?

ダイエット食品として定番のこんにゃくを使った麺。最近はスーパーなどでも手に入りますね。さて、このこんにゃく麺、授乳中のダイエットでは食べていいのでしょうか?管理栄養士の安蒜ゆいさんに伺います。

【安蒜さん】
食べ過ぎた日が続いたときに、ごはんを少しだけこんにゃく麺に置き換えるのは気分転換にもなっていいかもしれません。しかし、こんにゃく麺だけで必要な栄養を全て補うのは難しいです。

授乳中のダイエット食品、「難消化性デキストリン」は摂ってOK?

「糖の吸収をおだやかにする」や「脂肪の吸収を抑える」といったキャッチコピーが書かれた商品を、目にする機会が増えてきました。それらのコピーの根拠となっているものの一つが「難消化性デキストリン」です。

トクホのコーラなど、難消化性デキストリンを含む飲み物や食べ物は、授乳中のダイエットのときに食べてもいいのでしょうか?

【安蒜さん】
難消化性デキストリンは毎日摂取しなければ効果は出ないといわれています。そのため、授乳中に難消化性デキストリンが入った清涼飲料水などを飲んでも問題はないのですが、1本飲んだからといって「脂肪がつきにくくなった!」という効果は、期待できません。

授乳中のダイエット食品、「プロテインドリンク」は飲んでOK?

運動した後の筋肉の増強に効果があるとされているプロテイン。一昔前は、「筋トレする人のもの」という印象でしたが、最近ではコンビニの飲料コーナーにプロテインドリンクが並ぶほど、一般的になりつつあります。

【安蒜さん】
プロテインドリンクは、食事で少しタンパク質が足りなかったと思うときや、運動前後に利用することはいいと思います。しかし、授乳中のダイエットにおいて、食事自体をプロテインドリンクで置き換えることはおすすめしません。人工甘味料などが使われている製品もあるため、基本的には食事でタンパク質を補うようにしましょう。

授乳中のダイエット食品、「サラダチキン」は食べてOK?

いつのまにかコンビニ各社の定番商品になっている「サラダチキン」。低脂肪がウリで新しいダイエット食品として注目されているこの商品ですが、授乳中のダイエットでは食べてもいいのでしょうか?

【安蒜さん】
時間がないときや育児で疲れているときなど、簡単に料理をしたいときに活用することはおすすめです。ただ、サラダチキンだけを食べるのではなく、野菜も組み合わせて食べるようにしましょう。

授乳中のダイエット食品、「おから」は食べてOK?

日本古来より伝わる健康食品「おから」。授乳中のダイエットでは食べてもいいのでしょうか?

【安蒜さん】
おからは授乳中のダイエット時におすすめの食品です。乾燥おからパウダーなどは日持ちするので購入しておくと、少しの量だけ料理に使いたいときにも使いやすいです。

授乳中のダイエットで食べてはいけないものは?

では、授乳中のダイエットで食べてはいけない食品はあるのでしょうか?ここからは管理栄養士の安蒜さんに加え、助産師の河井恵美さんにも聞いていきます。

【安蒜さん】
ファストフードや既製品は脂質や塩分、添加物が多くなりがちなのでとりすぎないように注意が必要です。

最近はカット野菜の種類も増えているのでうまく活用して簡単に調理できるといいですね。汁物や煮物用の乾物野菜の種類も増えているので、これらを活用するのもおすすめです。

【河井さん】
カフェインは脂肪燃焼効果があるとも言われていますが、コーヒーや紅茶などの飲み過ぎはおすすめしません。なぜならママが摂取したカフェインは、その約1%が母乳に移行すると考えられているからです。

ただし、ティーカップ1〜2杯程度なら問題ないとされているので、飲まないことでストレスを感じるくらいなら飲んでもいいでしょう。

授乳中のダイエットの食事で気をつけることは?

授乳中のママの体は、産前とはもちろん状態が違います。そんな授乳中のダイエット食で気をつけることを教えてもらいましょう。

ー授乳中の食事によるダイエットで気をつけることはありますか?

【安蒜さん】
授乳中の場合は母乳として失われる栄養素を補う必要があります。また、体力、免疫力が落ちていることや貧血なども起こりやすくなっているため、無理な食事制限はよくありません。

1日3回の食事が基本ですが、1回に食べられる量が少ない場合は間食なども取り入れましょう。栄養のバランスの良い、和食中心の食事がおすすめです。

【河井さん】
出産を終えたママの体は、産前に比べ、体力が低下しています。特に母乳育児中の場合は、350kcal多めに摂る必要があります。そのため、産後はママの体を回復させるために栄養バランスの良い食事を心がけましょう

極端な食事制限は体を作るための栄養不足の原因になるのでNGです。

お二人の答えに共通するのが、「バランスのいい食事」「食事制限はNG」ということ。

授乳中のダイエットでは、自分の体の回復と、赤ちゃんにあげる母乳を優先することが大切なんですね。

出産後、体型の崩れが気になる人も少なくないでしょう。しかし、無茶な食事制限や、ダイエットで体調を崩してしまっては、自分はおろか、授乳中の赤ちゃんまで影響が及びます。

まずは無理せず、バランスの取れた食事で、焦らず、ゆっくり体を戻していってくださいね。

取材協力:管理栄養士 安蒜ゆいさん

安蒜ゆいさん
病院・保育園にて管理栄養士として献立作成・衛生管理や食育活動に携わり、現在は独立しフリーランス管理栄養士・彩り時短食プランナーとして活動しています。「季節や行事を通して食事・家族の時間の大切さを伝えていきたい」という想いのもと、レシピ提供や撮影、コラム執筆などを行っています。

取材協力:看護師、助産師 河井恵美さん

河井恵美 助産師 看護師
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。救急、外科外来等も経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方に関わっています。インターネットでエミリオット助産院開設中。

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