【先輩ママ600人のデータ】授乳中の食事は母乳に影響するの?

母乳で赤ちゃんを育てているママの中には、「授乳中だから、食べるのを我慢している食事がある」という人も少なくないでしょう。

でも、「あれもダメ」「これもダメ」ではストレスが溜まってしまいますよね…。

そこで今回は、先輩ママに「授乳中に我慢できずに食べてしまった食事とその影響」について教えてもらいました。

知ってる!わかってる!
でも、授乳中でも食べたい食事もあるの!

産院や健診などで、授乳中の食事内容についての指導やアドバイスを受けたママも多いのではないでしょうか。

育児書やネット上にも「授乳中に食べたほうがよい食事、食べないほうがよい食事」の情報が溢れています。

授乳中のママの食事内容によって乳腺炎を引き起こしたり、症状を悪化させるという因果関係は、現時点ではわかっていません(※1)。

ですが、授乳中は控えるように指導されている食事を口にしたところ、「おっぱいに違和感があった」と感じているママが多いのは事実のようです。

食事と母乳に関係がないとされていても、実際におっぱいに違和感を覚えたママたちは、我が子のために食べるのを我慢してしまうのです。

我慢しているのに!!
義理の両親がお見舞いにケーキを持ってきてくれたのですが、胸が張るのが嫌だったので食べずにいたら「食べないの?おいしいのよ〜」としつこく言われ、断れず…。

その日の夕方に胸がパンパンに張り、脇の下まで痛くなってしまったので「ケーキは我慢しよう」と心に決めました。

授乳中だからときっぱり断っても義両親はお構いなしにケーキを持ってくるので、本当に嫌でした…。(さやママさん)

断乳をした先輩ママの、衝撃のひと言
育休中に会社の友人がランチ会を開いてくれたのですが、それがなんとピザ専門店…。

ずっとチーズを我慢してきたし「少しくらいならいいかな…」と思って手を伸ばしたら、「授乳中なのにおっぱい詰まらない?食べてもいいの?」と…。

じゃあ、ピザ屋に呼ばないでよ〜!とイラっとしてしまいました。(のうママさん)

ママだって人間だもの。

慣れない育児に奮闘するなかで、大好物をどうしても我慢できないときもあるんです。

我慢できずに食べちゃった…
「その後、おっぱいはどうだった?」

編集部では、授乳中のママに「我慢できずに食べてしまい、おっぱいに違和感を覚えた食事・食べ物」についてアンケート(※2)を実施しました。

前述のとおり、食事内容とおっぱいのトラブルについて明確な報告はありませんが、多くのママが同じような経験をしていることがわかりました。

それでは、「我慢できずに食べてしまい、おっぱいに違和感を覚えた食べ物」をご紹介します。

1位 ショートケーキ

 

産院へのお見舞いや、赤ちゃんの顔を見に来てくれた際のお土産としてもらい、食べてしまったという声が目立ちました。

相手にお祝いの気持ちがあると、なおさら断りにくいですよね…。

どうしても我慢できず、ショートケーキを食べたことがありました。すると、半分も食べないうちからみるみるおっぱいが張ってきて、カッチカチに…。

子供に頑張っておっぱいを吸ってもらって乳腺炎になるのは免れましたが、それ以来、ショートケーキは我慢しています。(こもまろママさん)

それまでは甘い物を食べても問題はなかったのですが、クリスマスにケーキを食べたらおっぱいが詰まってしまいました。

おっぱいが美味しくないのか子供の機嫌は悪いし、おっぱいは痛いし、散々な思いをしました…。(げんたママさん)

2位 チョコレート

疲れているときに個包装の小さいチョコレートを口にしたところ、つい止まらなくなってしまったという人もいました。

もともと胸が張りやすいのですが、ストレス解消のためにチョコレートについつい手が伸びてしまいました。

チョコレートを食べた日は決まって胸が張り、しこりができたことも。チョコレートを我慢できればもう少し授乳が楽だったかな…と、今になれば思います。(さくももママさん)

チョコレートを食べると、なぜか娘がおっぱいを飲みたがらなくなりました。その結果、乳腺炎になってしまったことはあります。(あややんママさん)

3位 ポテトチップス

妊娠中からずっと薄味を心がけてきたママにとって、濃い味付けのポテトチップスは、1口食べたら手が止まらなくなる代表選手だったようです。

塩分に加え油分も多いせいか、他の食べ物と違う違和感を覚えた人も見られました。

ポテトチップスを食べると、その日のうちに胸が張って痛くなりました。子供に吸ってもらっても張りは取れず、搾乳もしました。手に着いた母乳を舐めたら、いつもと味が違うように感じました。(ままママさん)

ポテトチップスを食べて授乳したら、子供に湿疹ができました。食べるのをやめたら湿疹はできなくなったので、ポテトチップスが影響したのかな、と思っています。(かなやんママさん)

4位 おだんご

和菓子=ヘルシーという印象や、年配の人からの差し入れでお団子を食べ、胸が張ってしまったという人が多いようです。

かつては、お餅は母乳の出をよくする食べ物として重宝されていました。ですが、食糧事情が変わった昨今ではお餅を食べると胸が張ってしまう人もいるようで、お団子やもち米を使ったお赤飯などは食べるのを控えるように指導する産院も多いようです。

みたらし団子を食べたらおっぱいが岩のように硬くなり、40度を超える発熱が。昔はお餅は母乳にいいとされていたなんて、私には信じられません…。(Mmママさん)

串団子を1本食べたらおっぱいがカチカチに張って痛くなり、母乳パッドから漏れるくらい母乳が出て止まらなくなりました。 夜中にしばらく搾乳を続けたことで治まりましたが、あのときは本当に焦りました。(ちこママさん)

5位 シュークリーム

1位のケーキ同様、差し入れでもらった人が大半でした。食べ過ぎないようにプチシューを購入したものの、クリームの甘さに疲れを癒されて次々食べてしまったという声もありました。

シュークリームを食べたらおっぱいが詰まってしまい、高熱に苦しんだことがあります。病院に行けないほどの状態だったので、必死におっぱいを絞りました。ドロッとした母乳が出て驚いたし、反省しました。(ありさんママさん)

私は生クリームがことごとくダメでした…。シュークリームを食べると、おっぱいの出が悪くなりました。(ゆうしょうママさん)

【番外編】
コーヒーで赤ちゃんの目がらんらんに?

妊娠中から、コーヒーなどのカフェイン入り飲料を我慢してきたママも多いのではないでしょうか?

アルコールを飲んだり、薬を服用したりしたときの母乳への影響については理解していたものの、カフェインについては無意識のうちに摂取してしまったママが多いようです。

寝つきが悪くなりました

カフェインレスのコーヒーを飲むように心がけていたのですが、うっかり、カフェイン入りのコーヒーを飲んでしまったことがありました。その日はグズグズしてかなり寝つきが悪かったので、カフェインは睡眠に影響するのかな、と思いました。(きゃりママ)

興奮してずっとおしゃべりを…

義実家に帰省した際に、1日半の間に500mlのペットボトルの紅茶を2本飲みました。授乳後から子供が興奮してずーっとおしゃべりをして寝てくれず、「カフェインの影響かな?」と思いました。今、2人目を妊娠中なので、カフェインには気をつけています。(よたこママ)

混合から完ミになりました

カフェイン入りのコーヒーを飲んで授乳をしたらおっぱいの味が嫌だったのか、おっぱいを嫌がるようになってしまいました。結局、そのまま完ミになってしまいました。(らんママ)

こんなに似たような体験談が寄せられるとは…。カフェインも気をつけたほうが良さそうですね。

それでは続いて、6位以下の食べ物をご紹介します。

6位 ドーナツ

上の子と一緒に出かけ、ひと休みをしにドーナツショップに立ち寄ったという人が多く見られました。子供におねだりをされてしまうと、ママとしては断りにくいですね。

ランチを兼ねてドーナツショップに寄り、ドーナツを食べたらその日のうちにおっぱいがパンパンに。夜中に高熱を出し、悪寒と倦怠感がひどく、受診したところ乳腺炎になっていました。(あいママさん)

7位 揚げ物

友人が遊びにきたときにデリバリーを頼んだり、外食した際に口にした人が大半でした。

中には、「自宅で新しい油を使って揚げ焼きにしたら、おっぱいが張ることはなかった」という人もいて、油の質や量も関係しているのかもしれません。

揚げ物を食べたら、おっぱいが張って痛くなりました。そのとき搾ったおっぱいは黄色くて、味もしょっぱいように感じました。(リリネコママさん)

8位 カレーライス

カレーライスでは、おっぱいそのものに違和感を覚えた人、赤ちゃんの反応が異なった人、2パターンの意見がありました。

カレーを食べた半日後くらいから泣いておっぱいを嫌がり、途中で飲まなくなってしまいました。それから卒乳までは、辛いものや香辛料を使ったメニューは避けるようにしました。(りんごママさん)

9位 キムチ

野菜を使っているので一見ヘルシーに思えますが、辛味や香辛料が母乳に影響を与えたケースは少なくないようです。

キムチを食べると、決まっておっぱいを飲みたがらなくなりました。数回そのようなことがあって、「キムチが嫌なのかな?」と気づきました。(ぐみママさん)

10位 クリームパン

赤ちゃんのお世話に追われているとゆっくり食事を摂る時間がなく、菓子パンなどで済ませているママも多いのではないでしょうか。

同じ菓子パンでも、あんぱんよりクリームパンのほうが、おっぱいに違和感を覚えた人が圧倒的に多い結果となりました。

クリームパンを食べた後は子供の吸いが悪くなりました。病院を受診したところ、「ちょっとドロっとしているね。飲みにくかったのかも」と助産師さんに言われました。(a-mimuママさん)

教えて助産師さん!
母乳と食事ってやっぱり関係あるの?

授乳中のママの食事内容と母乳の味などに関係はないとされていますが、多くのママは特定の食べ物は母乳に影響を与えると感じているようです。

そこで、助産師として25年以上に渡って多くのママに接してきた河井さんに、母乳と食事について聞きました。

母乳と食事内容は関係があるように思います

油っこいものや甘い食べものが原因で、乳腺が詰まるという科学的な根拠は示されていないのですが、特定の食べものを食べるとおっぱいに違和感を感じるママもいるようですね。

また、母乳にはママが食べたものの風味がうつるとも言われています。赤ちゃんがいろいろな風味を味わうことができる反面、その風味が赤ちゃんの好みではないということもあるかもしれません。

もし、そのような食べ物があるのなら、少量にしたり、食べないでおくほうがいいですね。

「授乳中は食べないほうがいい」と言われているものを食べるときは、お見舞いやお祝いの席など、特別なケースも多いですよね。そうなると、避けられないこともあります。

授乳の間隔が空くとそれだけおっぱいは詰まりやすくなるので、そのような物を食べたときには、いつもよりこまめに授乳するか、搾乳するようにしましょう。
(助産師 河井さん)

育児中は、ストレスを溜めないで!

どうしても食べたいときは、私は「食べてみてはどうですか?」と言っています。

食べたいものをガマンし続けるのはストレスになるし、ママにはおいしく、楽しく食事をしてもらいたいと思います。

ただ、一度にたくさん食べるのではなく、少しずつ、様子を見ながら食べるようにしてください。

そして、もしおっぱいが張ってしまったり、調子が思わしくないときは、早めに母乳外来を受診するようにしてくださいね。
(助産師 河井さん)

いかがでしたか?科学的な根拠はないものの、これだけの声が集まったという今回の結果は、決して無視できないものですよね。

先輩ママたちの体験談や助産師さんのアドバイスを参考に、授乳中のおっぱいと食事の上手な関係を探ってみてくださいね。

取材協力:助産師、看護師/エミリオット助産院 河井恵美さん

河井恵美 助産師 看護師
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。救急、外科外来等も経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方に関わっています。

※1 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』pp,190-191

※2 アンケート概要
実施期間:2017年2月24日~2017年3月31日
調査対象:「こそだてハック」読者
有効回答数:594件
収集方法:Webアンケート

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