授乳中の摂取カロリーはどれくらいが理想?母乳に必要な栄養素は?

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母乳育児中は食事の内容になにかと気を遣うもの。また、母乳をあげていると食べても食べてもお腹が空いてしまうので、「どれくらい食べたらいいのかな」とお悩みのママも多いですよね。

そこで今回は、授乳中に必要な摂取カロリーや栄養素についてご紹介します。

授乳中は食事に気をつけたほうがいいの?

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授乳中に特別なものを食べたり、特定の食事を避けたりする必要はありません(※1,2)。

ただし、アルコールやカフェインを含む飲み物は、母乳を通して赤ちゃんの体に悪影響を与えることがあるので注意しましょう。

母乳はママの血液から作られ、ほとんどが水分です。母乳育児中のママは授乳によってたくさんの血液と水分、エネルギーを失うことになるため、栄養と水分をしっかり摂る必要があります。

不足しがちな野菜や果物、豆類などを意識的に摂ってバランスのいい食事目指しましょう。「偏ったものを大量に食べない、食べ続けない」といったことを心がけてくださいね。

授乳中の摂取カロリーはどのくらい必要?

厚生労働省は母乳育児をしている場合、授乳していないときに比べて350kcal多くとる必要があるとしています(※3)。

「1日たったの350kcalを増やすだけでいいの?」と感じる人もいるかもしれませんが、早足で行うウォーキング1時間分に相当する量です。

授乳は体に負担がかかっているので、食事でしっかりと補給してくださいね。

一方で、食事内容によっては、あっという間に1日のカロリー摂取量を超えてしまうこともあります。たとえば、菓子パンには、1個で350kcalを超えるものも珍しくありません。

また、成人女性の1日に必要なカロリーは、年齢や身長、体重、身体活動レベルによって異なります(※3)。

まずは、自分自身の身体活動レベルや普段の必要エネルギー量を確認したうえで、必要に応じて授乳中に必要な追加の350kcalを摂るようにしましょう。

授乳中に積極的に摂りたい栄養素って?

授乳中はさまざまな栄養素が奪われやすいので、カロリーだけでなく栄養も食事でしっかり補いましょう。

ここでは、授乳中のママが積極的に摂りたい栄養素をいくつかご紹介します(※3)。

出産直後は出産による出血が原因で貧血になりやすく、母乳は血液から作られるため、慢性的な貧血になるママも多いです。

鉄分をしっかり摂って貧血を予防してくださいね。

鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収がよくなります。ゆでたほうれん草と油揚げをしょうゆと砂糖であえた「ほうれん草と油揚げの和えもの」などがおすすめですよ。

葉酸

葉酸は妊活中や妊娠中に摂りたい栄養素として有名ですが、貧血予防や赤血球の生成、細胞の生まれ変わりを助けるといった働きもあるので、産後もしっかり摂りたい栄養素です(※4)。

キウイは半分食べるだけで多くの葉酸を摂取できるので、特におすすめですよ。

カルシウム

カルシウムは骨を丈夫にする作用があるため、赤ちゃんだけでなく産後の授乳でカルシウムを失いがちなママの骨や歯もケアしてくれます。

牛乳やチーズといった乳製品や、小魚や野菜といった食べ物を意識して食べるようにしましょう。

授乳中の食事を楽しもう

授乳中の食事は、よほど食材が偏らない限り、難しく考える必要はありません。食べたいものをおいしく食べることは、ストレス解消になり心にゆとりができます。

おいしい食事を食べて、心身ともに健康的に過ごせるといいですね。

監修医師:産婦人科医 藤東 淳也

産婦人科医 藤東淳也先生
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。

※1 日本助産師会「乳腺炎ケアガイドライン2020 第2版」
※2 南江堂『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』
※3 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※4 新星出版社『図版オールカラー 栄養成分の事典』

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