授乳は、ママと赤ちゃんにとって大切なコミュニケーション。幸せなひととき…ではあるものの、「乳首が切れる」というトラブルに見舞われるママも多いですよね。
この記事では、乳首が切れることで悩んでいるママに試してほしい対処法を、先輩ママの体験談や、助産師さんの見解とともにご紹介します。
乳首が切れる経験は、6割以上のママがしていた!
上の円グラフは、ninaru babyが行った「授乳中に乳首が切れる」という経験をしたことがあるかというアンケートの結果です(※)。授乳中に乳首が切れる経験は、6割以上のママがしていることなんですね。
授乳中に赤ちゃんの歯があたったり、乳首をくわえる角度が浅かったり、乳首が乾燥していたりと、様々な原因で乳首は切れるもの。なかには「乳首が切れることで血が出てつらい」という人もいました。
授乳で乳首が切れる!みんなはどう乗り切った?
乳首が切れることで何が1番つらいかというと、そんな状況のなかでも、授乳が毎日続くということではないでしょうか。
そこでまずは、乳首が切れるときの対処法をご紹介します。
先輩ママたちは、乳首が切れることに対してどのように対処したのでしょうか?そして助産師さんの見解とは?
乳首が切れるときの対処法1. 乳頭保護器をつける
・乳房の上に保護ニップルを付けて授乳していました。(リサ)
・乳頭保護器を使用していました。リペアニプルはとても効きましたよ。(けーびー)
乳頭保護器は、乳首が切れるママにとっての定番アイテム。ただし「赤ちゃんが違和感を覚えて嫌がった」という声もありました。
助産師の河井さんは、一時的なケアとしての使用を推奨しています。
河井さん
【どうしても痛いときには、つけてみても良いでしょう】
乳頭保護器を使うことによってママの痛みが軽くなって、赤ちゃんもおっぱいを飲めるようであれば、しばらく使ってみてください。
傷が良くなってきたら、徐々につける回数を減らしてみましょう。
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乳首が切れるときの対処法2. 軟膏やクリームを塗る
・産院で貰った、赤ちゃんがなめても安心の軟膏を塗っていました。(あーさん)
・乳頭に馬油を塗り、そのうえからラップをして、保湿していました。(なほ)
・乳首が切れたときは、ランシノークリームで保湿しています。(3人の母)
乳首が切れるときは、病院から処方してもらった軟膏や、市販のクリームを塗っているというママも多いよう。市販のクリームは、「馬油」と「ランシノー」が人気でした。
河井さん
【肌に合うものを選びましょう】
乳頭用のクリームにはいくつか種類があります。ただしかぶれることがあるので、皮膚の状態を確認しながら使ってくださいね。
肌に合うようなら、傷が良くなるまで使用してみてください。乾燥も防いでくれるので、傷の予防のために使ってもいいですね。
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乳首が切れるときの対処法3. キズパワーパッドを貼る
・ジョンソン&ジョンソンの「キズパワーパッドスポットタイプ」を張りました・・・歯があたるのが本当に痛くて。(sato*chi)
・大きめのキズパワーパッドの真ん中を切って、乳首の周りを覆うように貼っていました。(ひか)
「絆創膏」ではなく、バイネームで「キズパワーパッド」と回答している人が多かったのが印象的!様々な種類があるので、切れる場所にあわせて選んでも良さそうです。
河井さん
【使ってみてもいいでしょう。◎ただし誤飲には注意して!】
キズパワーパッドを貼ると、傷が程よく潤いを保って治っていくので、利用しても良いと思います。
ただし肌の色と似ているで、授乳のときに取るのを忘れないように。誤飲の恐れがあります。
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乳首が切れるときは病院を受診しても良い?
ここまで自宅でできるケア方法をご紹介してきましたが、乳首が切れることで痛みが強く、授乳が大変なときなどは、病院を受診してももちろん構いません。
しかし「乳首が切れるくらいで病院にかかるなんて…」と思っていませんか?
アンケートでも、下記のようなコメントが見受けられました。
・乳首が切れることへの対処はとくにせず、とにかく、耐えました…。(ぽんちゃん)
・乳首が切れたけど放置していた。いつのまにか治った…。(ショコラ)
そこで助産師の河井さんに、乳首が切れることで病院を受診するタイミングを伺いました。
河井さん
乳首が切れたら、そこから細菌などに感染する可能性があります。
乳房が痛い、赤い、腫れている、熱があるなどの症状が改善しないときには、迷わず病院を受診するようにしてください。自分で工夫してみても改善しないときが、受診の目安です。
自己判断で対処を続けると、症状が悪化します。早めの相談、対処が大切ですよ。
早めに病院を受診すれば、乳首が切れることで起こる症状も早めに治ります。一人で悩みすぎず、気軽に受診してみてくださいね。
授乳で乳首が切れる前に!これでケアしよう!
さて、授乳で乳首が切れる経験は多くのママが通る道ではありますが、切れる経験をしないに越したことはありません!
そこで最後に、乳首が切れる前にやっておきたい、予防法をご紹介します。先輩ママたちは、どのような工夫をして乳首が切れるのを防いでいるのでしょうか?
乳首が切れる前の予防法1. 保湿する
・乾燥には気をつけて、授乳後とにかく保湿をする。(ショコラ)
・保湿を忘れずに行うようにしています!(sato*chi)
やはり1番の対策は、保湿。乳首が切れるときの対処法でも名前が挙がったクリームや、乳頭保護効果が期待できるクリームを、切れる前の予防として毎日塗っているというママが多いようです。
河井さん
【しっかり保湿しましょう】
保湿は大事なことですね。特にお風呂の後は肌の水分が蒸発して乾燥しがちなので、乾燥する前に、乳房用のクリームなどで保湿しましょう。
乳首が切れてしまったときのケアとしても効果的です。
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乳首が切れる前の予防法2. 深くくわえさせる・抱き方を変える
・乳首をなるべく深く赤ちゃんの口に入れて、吸わせるようにしました。(アキライム)
・赤ちゃんのおっぱいのくわえ方に気をつけていた。特に新生児期は、きちんとくわえられるように誘導していました。(まにょママ)
・痛みが出ないように、いろいろな体勢でおっぱいをあげるようにしました。(ひろみん)
授乳時に赤ちゃんの乳首のくわえ方が浅いと、乳首が切れる原因になります。乳輪が隠れるくらいまで深くくわえこませるのがおすすめですよ。
また、赤ちゃんが同じ角度ばかりでおっぱいを吸っていると、いつも同じ場所に歯があたってしまい、乳首が切れる原因になります。いろいろな角度から飲ませてあげると良いようですよ。
河井さん
【飲ませ方に工夫を】
傷を作らない、傷を悪化させないために、くわえ方や抱き方の工夫は大事なことです。
横抱きの場合は、ママのお腹と赤ちゃんのお腹が向き合っているかどうかを確認し、赤ちゃんができるだけ大きな口を開けたときに乳房を含ませるようにしましょう。
乳首が切れるときは無理せずケアを
たとえ乳首が切れるとしても、毎日の授乳をやめるわけにはいかない…という責任感から、痛い思いをしながら授乳しているママも多いかもしれませんね。
しかし、乳首が切れることで授乳がつらいときは、「搾乳器で搾乳した母乳を、哺乳瓶であげる」という手もあります。
乳頭のケアは続けつつ、乳首を休ませる選択肢もあるということは、頭に入れておいてくださいね。
※ アンケート概要
実施期間:2018年9月13日~9月17日
調査対象:授乳経験のあるママ
有効回答数:25件
収集方法:Webアンケート
取材協力:河井恵美先生
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。さまざまな診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方のサポートをしています。Web上でエミリオット助産院を開設し、助産師オンラインサービスでさまざまな相談も受けています。