赤ちゃんに安心の日焼け止めは?皮膚科医に教えてもらった選び方!

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赤ちゃんのスキンケアの1つとして大切な日焼け対策。大事だとは知りつつも、どの日焼け止めを買ったらいいのかわからない…というママは多いのではないでしょうか?

そこで今回は、おすすめの赤ちゃん用日焼け止めをご紹介します。

あわせて、日本皮膚科学会の専門医であり、子供のスキンケアについて詳しい巣鴨千石皮ふ科の小西先生に赤ちゃんの日焼け止めの選び方や使い方などを聞いてきたのでご紹介します。

赤ちゃんに日焼け止めを使うのはいつ?

巣鴨千石皮ふ科 小西先生
Q. 赤ちゃんにはいつ頃から日焼け止めを使うと良いですか?

A.赤ちゃんと外出するようになったら、日焼け止めを塗ってあげてください。


Q. 日焼け止めは夏以外は使わなくてもいいですか?

A.できれば季節問わず、1年を通して日焼け止めを塗ってあげるのが理想です。

紫外線には、直射日光として当たる周波数の短いUVBと、気づかない間にじわじわと日焼けをする周波数の長いUVAという2種類があります。

UVBは夏の方が多いですが、UVAは1年を通して量が変わらないので、冬の外出時も赤ちゃんに日焼け止めを塗ってあげましょう。


Q. 日焼け止めは絶対に塗らないとダメですか?

A.直射日光を当たるのは良くないので、なるべく日焼け止めを塗ってあげるのがおすすめです。

日焼け止めを塗らなかったとしても、ベビーカーに日よけカバーをかけたり、抱っこ紐のときは日傘を差したりと、対策してあげるのがおすすめです。

初夏の5月くらいからは、日焼け止めを使ってお出かけするようにしましょう。

赤ちゃんの日焼け止めで防ぎたい
紫外線「UVB」「UVA」


Q. 紫外線UVBとUVAにはどんな違いがありますか?

A.UVBは直射日光として肌に当たることが多く、皮膚の比較的表面に影響があり、シミや皮膚がんのもとになりやすい種類です。

UVAは、UVBよりも肌へ刺激は弱いものの、周波数が長いので室内にも入ってきます。皮膚の奥まで入り込み、じわじわと皮膚に影響を与えるため、シワやたるみにつながりやすいもの。

UVBと違って意識することが少ないので、皮膚が大人より薄い赤ちゃんは、UVBと同じように意識しておきたいですね。

赤ちゃんの日焼け止めでおすすめの
「SPF」「PA」はいくつ?

Q. 日焼け止めのパッケージに書いてあるSPFやPAの違いは何ですか?

A.簡単にいうと、UVBから肌を守るのがSPFで、数字が高いほど守る力はありますが、肌への負担もあります。

UVAから肌を守るのがPAで、「+」の数で表記されます。「+」のが多いほど、守る力が高いという意味です。

日焼け止めは主にSPFの数字で選ぶことが多いですよね。SPFを基準に選ぶと、それに適したPAが設定されていますよ。


Q. 赤ちゃんにおすすめの「SPF」「PA」は?

A.日常のお散歩くらいならSPF10~20もあれば十分ですね。

日差しが強い日のお出かけやレジャーならSPF30くらいがおすすめです。


Q. 赤ちゃんや子供用にSPF50という日焼け止めを見かけたこともありますが、どんなときに使うものなのでしょうか?

A.強い日差しの日に長時間お出かけするときなどは、SPF50くらいを使うことはあります。

SPF30よりも肌に負担がかかりやすいので、長く肌につけているのはおすすめできません。外出が済んだら早めに落としてあげましょう。

肌に負担のかかりやすいとはいえ、何も塗らずに日焼けするよりは、塗ってあげた方が良いと思います。

赤ちゃんの日焼け止めを選ぶポイント!

Q. 赤ちゃん用の日焼け止めを購入するときに注意することはありますか?

A.一番重要なのは、紫外線吸収剤が入っていないことです。「ノンケミカル」という日焼け止めを選びましょう。ベビー用と書いてあるものは、ほとんどがこのタイプかもしれませんね。

紫外線吸収剤は、肌に塗って紫外線に当たることで成分が変化し、変化した成分によって赤ちゃんの肌がかぶれることがあります。

一方で、紫外線散乱剤というものがありますが、こちらは成分が変化せずに紫外線を反射するため、赤ちゃんの肌にもやさしく使えます。

紫外線吸収剤を使わないものや、紫外線散乱剤を使っているもので、SPF10~30くらいであれば「ベビー用」と書かれていなくても、赤ちゃんに使うことができますよ。


Q. 赤ちゃんの日焼け止めを選ぶときに、どんなテクスチャがおすすめですか?

A.テクスチャについては、ママが使をいやすいものなら、好きなタイプで良いと思います。

ただし、スプレーやミストタイプを使う場合は、赤ちゃんが吸い込まないように注意してください。

【編集部おすすめ】
赤ちゃんの日焼け止め

それでは、編集部がおすすめするノンケミカルの赤ちゃん用日焼け止めをご紹介します。

太陽油脂 パックスベビー うるおいUVクリーム

おすすめポイント!
良質な脂肪酸を多く含んだマカデミアナッツ油や、カミツレエキスなどの保湿成分が配合されている肌にやさしい日焼け止めです。PA値が低めですが、やさしく使えるのがメリットです。

アトピタ 保湿UVクリーム

おすすめポイント!
肌トラブルを起こしやすい赤ちゃん向けに開発された日焼け止めです。「うるるんバリア」と呼ばれる作用により、肌の奥に水分をたくわえながら肌荒れを防ぎますよ。ウォーターベースで伸びが良いのもうれしいポイントです。

赤ちゃんに塗った日焼け止めの落とし方

ベビーソープ 泡 スキンケア

Q. 赤ちゃんの日焼け止めを落とすときに、クレンジングは必要ですか?

A.赤ちゃんの日焼け止めは、基本的にお湯や石鹸で落とせるようなものを選ぶのがおすすめです。

天然由来成分のものやノンケミカルであれば、お湯や石鹸で落とせるのでクレンジングは必要ありません。

海などのレジャーでベビー用のウォータープルーフタイプを使った場合は、日焼け止めによってはクレンジングが必要なこともあります。

ベビー用のクレンジングシートや、ベビーオイルをクレンジング替わりに使って、洗う前に落としやすい状態しておきましょう。

ウォータープルーフでも石鹸だけで落とせるタイプもありますよ。


Q. 赤ちゃんの日焼け止めの落とし方を教えてください

A.お湯やベビーソープで、ガーゼやママの手指を使いながら、肌に強くこすりつけないように洗いましょう。

洗ったあとは保湿することも忘れないようにしてください。

注意したいのが、洗い残しです。洗い残した日焼け止めが肌トラブルのもとになるので、洗った後に匂いやぬめりが残っていないかチェックしましょう。

お湯で落とすタイプ

  1. ガーゼに水っぽさが残る程度にお湯を含ませる
  2. 焼け止めを塗った部分を数回にわけで拭き取る(3回程度が目安)
  3. しっかり落ちたら最後に保湿をする

ポイント!

  • 肌に強くこすりつけない
  • 複数にわけて拭くときは、1回ずつガーゼを洗ってから拭きなおす
  • 日焼け止めのにおいやぬめりが残っている場合は、拭き取ったあとにベビーソープで洗う

石鹸で落とすタイプ

  1. ベビーソープをたっぷり泡立て、ママの手や指で日焼け止めを塗った部分をやさしく洗う
  2. お湯でしっかり泡を流し、日焼け止めのにおいやぬめりが残っていないことを確認する
  3. 顔や体の水分をタオルで拭いてから保湿する

ポイント!

  • 手や指の腹をくるくる回すようにして洗う
  • 洗い流すときに顔にお湯をかけるのが難しい場合は、ガーゼにお湯を含ませて数回にわけて泡を流す

クレンジングが必要なタイプ

  1. ベビー用のクレンジングシートでやさしく拭き取る、またはベビーオイルを肌に馴染ませ、湿らせたガーゼでオイルを拭き取る
  2. 石鹸で落とすタイプと同様の方法で、日焼け止めを塗った部分を洗う
  3. 顔や体の水分をタオルで拭いてから保湿する

ポイント!

  • オイルを馴染ませるときは、ママの指の腹を使い、くるくる回すようにして馴染ませる

赤ちゃんの日焼け止めによる
肌トラブルを防ぐ方法

赤ちゃん 肌 敏感

Q. 肌が特に敏感でアトピーなどもある場合、日焼け止めを使っても良いですか?

A.アトピーだからといって、日焼け止めを使ってはいけないということはありません。

大切なのは、肌に合うかどうかです。心配なときは、使う前にパッチテストをしてから塗るようにしましょう。

自宅でパッチテストをする方法

赤ちゃん パッチテスト 二の腕

赤ちゃん パッチテスト 背中

  1. 二の腕や背中に日焼け止めを薄く塗布
  2. 最低でも24時間は様子を見る
  3. 肌が赤っぽくなっていたら使用を注意/何も変化がなければ、少量ずつ肌に使用する

パッチテストをする場所は、赤ちゃんが触りにくいところにしましょう。

塗った後に赤ちゃんが触って日焼け止めをとってしまうと、テストの結果が分かりにくくなってしまうので注意してください。

赤ちゃんに日焼け止めを塗らないと
どういう影響がある?

Q. 赤ちゃんが日焼けをすると具体的にどんな影響がありますか?

A.赤ちゃんが日焼けをすると、大人よりも皮膚の細胞が傷つきやすいのが特徴です。

その場は「赤くなっちゃったな」と感じる程度でも、後になってひどい色素沈着が出てきてしまうことや、あまり長く日に当たっている状態だと皮膚がんのリスクがあるなど、大人が日焼けするよりその確率が高くなります。

影響がでるのはずっと後で、赤ちゃんや子供の頃に蓄積した日焼けが、大人になってからいっきに症状として表れることがあります。

赤ちゃんが日焼けをしたときの対処法

保冷剤

Q. 万が一、日焼け止めを塗らずに赤ちゃんが日焼けをしてしまった場合は、どう対処すればいいですか?

A.日焼けをした状態によって対処法も変わります。

肌が赤くなっている状態であれば、保冷剤などで冷やしてから、たっぷり保湿をしてあげてください。

日焼けをすると肌の水分が蒸発し、皮膚のバリア機能が低下してしまうので、保湿は重要です。クリームタイプの保湿剤だと塗るときにこするので痛いかもしれません。水っぽいローションタイプがおすすめですよ。保湿で蒸発した肌の水分を補うと、炎症がおさまりやすくなります。

ただし、水ぶくれのようになって肌から汁が出ていたり、症状が見られなくても赤ちゃんが痛がっている様子があれば、小児科や皮膚科を受診しましょう。

病院では、炎症を抑えるためにステロイドで治療することもあります。

赤ちゃんの肌を日焼け止めで守ろう!

赤ちゃんとお出かけする直前は、色々準備をしなければならず、日焼け止めを塗ることをうっかり忘れてしまうこともあるかもしれません。

最近は小さいサイズの日焼け止めもあるので、ママの化粧ポーチやおむつバッグに入れておくと、外出先でもサッと塗ることができるのでおすすめですよ。

肌にやさしい日焼け止めを使って、赤ちゃんの肌を守ってあげてくださいね。

取材協力

巣鴨千石皮ふ科
大学や総合病院などで培った経験を活かし、2017年5月に出生地である巣鴨に新規開院。「目に見える異変は何でも相談できるホームドクター」として、プライマリーケアに重点をおいた診療を行う。

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