職場復帰やママの服薬などの理由で、「断乳」を検討している人もいるかもしれませんね。
断乳の体験談の中には、「赤ちゃんがおっぱいを欲しがって泣いているのを見て、断念してしまった」という声もあります。
そして、その後、赤ちゃんの様子に変化があったという声も多く聞かれました。断乳を一度は断念した先輩ママに、そのときの体験談とアドバイスを教えてもらいました。
8人に1人は、断乳に失敗した経験が!
編集部でアンケート(※)を実施したところ、約8人に1人の割合で断乳を途中で断念した経験があることがわかりました。
断乳に失敗してしまった先輩ママの声
事前の準備が足りませんでした
保育園への入園が差し迫り、また、乳首を噛むようになったので1歳半で断乳を決意しました。
まず、夜間断乳から試したのですが、起きたらおっぱいをもらえると思っているので、大泣きして大泣きして大変でした…。
事前準備をしないで始めてしまったので私の心の準備も間に合わず、そこも辛かったです。
みゆママ
子どもの体調不良で断念…
生後10ヶ月のときに、夜間断乳からチャレンジしました。パパがお盆休みだったので付きっきりであやしてくれたけれど、1週間たっても成果が出ずに断念…。
1ヶ月後に再度チャレンジしたものの、今度は子どもが風邪を引いてしまい、断念せざるをえませんでした。
ちょんママ
断乳に失敗してしまった理由はそれぞれ。準備が足りなかった人もいれば、赤ちゃんの体調など、どうしようもない理由があった人もいたようです。
断乳に失敗すると、おっぱいの執着が増す?
大半の人が、断乳に失敗したあとは、赤ちゃんのおっぱいに対する執着がひどくなったと回答していました。
なかには、断乳前は1日2回程度だった授乳回数が、20回弱まで増えてしまったという人も。
おっぱいを飲みたいというより、眠くなったときや甘えたくなったときに、安心材料としておっぱいを求める気持ちがかなり強くなってしまったようです。
失敗後、次に断乳にチャレンジしたのは?
半数以上の人が、月単位での調整が必要になっていました。先にご紹介したとおり、断乳に失敗すると、赤ちゃんのおっぱいに対する執着が強くなってしまう現れとも取れます。
職場復帰など期限がある場合は、ママの焦りも強くなってしまいますね。
これから断乳をする人は、余裕を持って計画を立てることをおすすめします。
先輩ママの体験談!
断乳に失敗したいちばんの理由は?
順位 | 理由 | 割合 |
1 | グズられて根負けしてしまった | 50.1% |
2 | 体力が持たなかった | 18.2% |
3 | 言い聞かせが足りなかった | 13.6% |
3 | おっぱいが張ってしまった | 13.6% |
5 | 赤ちゃんが体調を崩した | 4.5% |
圧倒的に多かったのが、赤ちゃんにグズられてママや家族が根負けしてしまったという理由。
赤ちゃんが目の前で泣き続けていると、いてもたってもいられなくなってしまいますよね…。
その他、平日にチャレンジしたためにパパの翌日仕事に響いてしまったり、パパの翌日の仕事を考えてママが1人でチャレンジし、体力が持たなかったという声もありました。
断乳には、赤ちゃんへの言い聞かせ、ママや家族の心の準備、そしてタイミングもしっかり考える必要があるようです。
断乳の失敗談と、成功するコツは?
失敗した経験があるママだからこそ知っている、断乳に失敗しないためのコツを、助産師の河井先生のコメントと併せてご紹介します。
断乳の失敗体験談《1》
子どもの泣いている姿に、心が折れました…
Kままママ
● 断乳に初めて挑戦した月齢:10ヶ月
● 断乳を決意した理由:夜にまとめて寝られず、親子ともに睡眠不足のため
● 断乳の挑戦回数:6回
● 2回目に挑戦するまでの期間:1ヶ月
うちの子は夜にこまめに起きてしまうため、まずは夜間断乳からチャレンジしました。
ですが、子どもに「おっぱいとバイバイするよ」と言い聞かせていなかったこともあり、おっぱいを要求して大泣き…。泣いている姿に私が折れてしまい、最終的に6回もチャレンジしました。
断乳前の夜泣きはそれほどひどくなかったのに、断乳に失敗してからはどんどん夜泣きがひどくなってしまいました。ひどいときは、1時間ごとに泣いて起き、おっぱいを要求するまでに…。
それからは、おっぱいとバイバイすることを子どもに言い聞かせ続け、おっぱいがなくても安心できるようにスキンシップをたくさんとるようにしました。
最後の断乳で寝かしつけに苦労したのは3日目までで、そこを乗りきれば少し楽になります。私は、ひたすら抱っこと背中をトントンして落ち着かせてあげました。
助産師・河井先生のアドバイス
夜の授乳が最後まで残っていることが多いものですが、「夜の授乳が辛い」と感じているママもたくさんいます。
根負けしたとおっしゃっていますが、ママの中に「本当は母乳をあげたい」という思いがあったのではないでしょうか。多くのママからお話を聞いていると、そういうケースがじつは少なくありません。
断乳しようと決意したら、赤ちゃんには「おっぱいは終わり」ということをくり返し言い聞かせておくといいですね。
赤ちゃんは、少し不安になったのかもしれません。「ママはいつでもあなたのことを思っている」ということを言葉や行動で示し、しっかりスキンシップをとるといいですよ。
断乳の失敗体験談《2》
寝かしつけがうまくいかず、根負け
よしつぐママ
● 断乳に初めて挑戦した月齢:1歳
● 断乳を決意した理由:ママの職場復帰と薬の服用
● 断乳の挑戦回数:5回
● 2回目に挑戦するまでの期間:1ヶ月
我が家は、1ヶ月おきに断乳にチャレンジし続け、5回目でやっと卒業することができました。
私が職場復帰をするのと、薬の服用のために1歳で断乳を決意。ですが、寝かしつけがうまくいかず、私の体力が続かなくなり根負けしてしまいました。
おっぱいに絵を描いたり、絆創膏を貼るという対策も聞きましたが、「しないほうがいい」という意見もあったので、私は何もしませんでした。
断乳を失敗したあとは夜泣きがとくにひどくなり、寝る前はかならずおっぱいを要求されるようになりました。そのときは、眠ったフリをして子どもが寝付くのを待ちました。
断乳4日目からは寝かしつけも少しスムーズになり、1週間でやっとおっぱいとバイバイできました。
助産師・河井先生のアドバイス
職場復帰と薬の服用という理由があったようですが、薬は飲めるものも多くあります。薬の服用を理由に断乳を検討しているママは、まずは医師に相談してみましょう。
職場復帰に関しては、仕事ではない、家にいる時間にだけおっぱいを与えるという方法も取れます。こうすると自然に母乳の量が減り、スムーズに卒乳できますよ。
断乳する必要がある場合は、おっぱいとバイバイすることをくり返し言い聞かせることも大事です。1歳頃になれば、ママの話していることをある程度は理解できます。
でも、「わかる」ことと「できる」ことは別。突然、断乳してビックリさせるのではなく、あらかじめ赤ちゃんにおっぱいとバイバイすることを伝えておきましょう。
また、寝かしつけるときに赤ちゃんがグズるのを想定して、夫婦が休みのときや他の家族に手伝ってもらえるときを選ぶと良いでしょう。
断乳の失敗体験談《3》
胸の張りと子どもの体調不良で断念…
ひめこ72ママ
● 断乳に初めて挑戦した月齢:1歳2ヶ月
● 断乳を決意した理由:おっぱいへの執着が強くなる前に断乳したかったから
● 断乳の挑戦回数:2回
● 2回目に挑戦するまでの期間:3ヶ月
1歳半頃になると、おっぱいへの執着が強くなって断乳しにくくなるという話を聞いたので、「その前に…」と思って1歳2ヶ月でチャレンジしました。
ですが、私のおっぱいが張ってしまい、痛くて痛くてガマンできず子どもに飲んでもらいました。ちょうど子どもが体調を崩してしまったこともあり、そのタイミングでの断乳は難しいと判断しました。
断乳に失敗したあとは、やはり、おっぱいへの執着が強くなってしまいました。家にいるとしきりにおっぱいを欲しがるので、なるべく外出してしのぎました。体力的にも、ちょっとキツかったです。
3ヶ月後に再チャレンジしたときは、断乳3日目までは寝かしつけにとても苦労しました。4日目から少し落ち着いたものの、1週間は寝かしつけに手こずりました。歌を歌ってあげて、とにかく楽しい雰囲気を作ってのりきりました。
断乳は、気候がいい時期に、赤ちゃんの体調も見極めて実践したほうがいいと思います。
助産師・河井先生のアドバイス
断乳中に赤ちゃんが体調を崩してしまったのでは、中断するのは仕方ありませんね。
1日に複数回、授乳しているときに断乳すると、搾らないと胸が張ってしまいます。これから断乳を考えている人は、搾乳の仕方をマスターしておきましょう。自分で搾乳できない場合は、助産師に搾ってもらう必要があります。
できれば、授乳回数が1日1〜2回まで減ってから断乳すると、おっぱいへの負担も軽くて済みますよ。
断乳は赤ちゃん・ママ・家族の協力が必要
断乳に失敗した経験のあるママの体験談から、断乳を成功させるには以下の5点が大切だとわかりました。
- 断乳するならしっかり決意すること
- 赤ちゃんにくり返し言い聞かせること
- たっぷりスキンシップをとること
- パパや家族の協力を得られるタイミングで行うこと
- 授乳回数が1〜2回に減ってから行うこと
そして、断乳すると決めたら「おっぱいを見せないことも効果的です」と河井先生は教えてくれました。
おっぱいを見ると、赤ちゃんは思い出して母乳を飲みたくなってしまうからです。
断乳をする場合はタイミング、赤ちゃんへの言い聞かせ、家族の協力をよく検討して行ってくださいね。
取材協力:河井恵美先生
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。さまざまな診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方のサポートをしています。Web上でエミリオット助産院を開設し、助産師オンラインサービスでさまざまな相談も受けています。
※アンケート概要
実施期間:2019年2月7日~2019年2月9日
調査対象:子育てアプリ「ninaru baby」利用者
有効回答数:220件
収集方法:Webアンケート