妊娠・出産を経験して、ぽっこりお腹や頻尿などに悩んでいる人は多いですよね。このような症状は、体を支えている骨盤まわりの筋肉を鍛えると、改善しやすいことをご存知でしょうか。
今回は、産後ママにおすすめの骨盤まわりのトレーニング方法についてご紹介します。
骨盤まわりはどんな構造をしているの?
骨盤は体の中心にあり、大きく「仙骨」「尾骨」「寛骨」という3つの骨からできており、ハートのような逆三角形をしています。
上半身と下半身をつなぐ重要な役割を果たすとともに、骨盤底筋が体の内側と外側から支えてくれるおかげで子宮や腸、膀胱などの内蔵を正しい位置に保つことができます。
また骨盤底筋には、尿道や膣、肛門を締めたり緩めたりする働きもあります。
妊娠・出産で骨盤まわりにはどんな症状が起きやすいの?
妊娠・出産により、骨盤まわりには以下のようなさまざまな症状が起こりやすくなります。
腰や足のつけ根、骨盤の痛み
妊娠すると、ホルモンの影響で骨盤まわりの関節や靭帯が緩みます(※1)。そのため、腰や足のつけ根、骨盤などに負担がかかって痛みが出やすい状態になります。
頻尿・尿もれ
骨盤底筋は、尿道や膣、肛門を締めたり緩めたりする動きがあるので、働きが低下すると、頻尿や尿もれ、失禁などの症状が起こります。
ぽっこりお腹
骨盤の下部分が開くことで、骨盤の中に収まっている子宮や腸といった内臓の位置が下がって、お腹がぽっこりして見えることがあります。
子宮脱
骨盤底筋が衰えて内蔵を支える力が弱くなると、子宮が膣の外に出てしまう「子宮脱」になることもあります。
骨盤まわりを鍛える方法は?
ホルモンによる靭帯や関節の緩み、出産による骨盤底筋のダメージは、何もしなくても産後数ヶ月で元の状態に戻ることがほとんどです。
ただ、妊娠中や産後は体を動かしにくい状態が続くことから、骨盤底筋が衰えてしまうことも。
以下のような簡単なストレッチや運動で骨盤底筋を鍛えておくのがおすすめですよ。
お尻歩き体操
1. 足を真っ直ぐ前へ伸ばして座る
2. 手は胸の前で浮かせて交差させる
3. お尻を交互に前に出して前に進む
4. 10歩前進したら今度は10歩後進する
骨盤底筋ストレッチ
1. 立った状態でひざにタオルやクッションをはさむ
2. タオルやクッションを押しつぶすようにしながらかかとをつけ、つま先を90度以上開く
3. 5秒ほどかけて膝の曲げ伸ばしを行う
4. 屈伸を30回繰り返す
産後は骨盤まわりを鍛えよう
妊娠・出産によって、骨盤まわりの不調は起こりやすいもの。骨盤底筋を鍛えることで、産後の気になるぽっこりお腹などに効果がありますよ。
骨盤底筋は簡単にできるトレーニングで鍛えることができるので、体調と相談しながら無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。
※1 妊娠・産後の骨盤痛が歩行に及ぼす影響:システマティックレビュー