街中の整体や整骨院などでよく目にする「骨盤矯正」。産後に行った方が良いと耳にして、気になっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、骨盤矯正とは何かや、産後に骨盤まわりに痛みがでたらどのようなケアを行ったらいいのかをご紹介します。
そもそも骨盤矯正って?どんな効果があるの?
「骨盤矯正」とは医学的な用語ではなく、整骨院や整体などで行われる施術のことを指します。
出産すると骨盤が歪んだり、開いたりするので骨盤矯正をした方がいいと耳にしたことがある人は多いかもしれませんが、医学的にはこの表現は正しくありません。
妊娠すると、ホルモンの影響で骨盤まわりの靭帯や関節が緩みますが、骨盤自体の構造が大きく変化することはないのです(※1)。緩んだ靭帯や関節は何もしなくても数ヶ月で元の状態に戻ります。
骨盤矯正をすることで骨盤の形が変化するようなことはありませんが、痛みの原因にもつながる筋肉の凝りや張りが和らいで、ラクになった!という報告は多いですよ。
産後の骨盤矯正をするならいつからいつまで?費用はどれくらい?
骨盤矯正は、いつからいつまで行うという明確な基準はありません。
出産して妊娠前の体の状態に回復するまでの期間である「産褥期」は、無理せずゆっくりと体力回復をした方がいいでしょう。
骨盤まわりや足の付け根などの痛みが強く、処方された痛み止めを飲んでも良くならないという場合や、授乳中だから薬は飲みたくないという場合は、産後に対応している整骨院や整体などを頼ってもいいかもしれません。
ただし、まずは医師から許可をもらってから行くようにしてくださいね。
骨盤矯正のメニューがある整骨院や整体からは、大体6〜20回程度通うようにいわれることが多いようです。費用は1回数千円〜、トータルで数万から数十万円かかることもあるので、費用面に納得した上で施術を申し込むとよいでしょう。
骨盤まわりに痛みが出たらどんなケアをしたらいいの?
骨盤まわりに痛みがある場合は、以下の方法を試してみてもいいかもしれません。
骨盤ベルトや産後ガードルをつける
骨盤ベルトや産後ガードルは、産後の骨盤まわりをサポートしてくれます。
ただし、産後ガードルはあまり早い段階からキツくしめすぎると、お腹に圧力がかかりすぎて傷の回復が遅くなったり、弱っている骨盤底筋に負担がかかったりする可能性があるので、産後の時期ごとに適切なものを選ぶようにしましょう。
出産後すぐに着用可能とされているものであっても、医師や助産師に使用してもいいか確認してから使うと安心ですよ。
骨盤体操や骨盤スクワットを実践する
骨盤まわりの筋肉を鍛えると痛みが出にくくなります。自宅でできる体操やスクワットでも簡単に鍛えることができますよ。
産後の体調や週数に合わせて内容を確認しながら、体に負担のないようにじっくり進めてくださいね。
ヨガやピラティス
ヨガやピラティスは骨盤まわりの筋肉を鍛えるほか、カロリーを消費することもできるので、産前産後に人気のエクササイズです。
気分もリフレッシュできるので、医師から運動の許可が出たら、体調と相談しながらはじめてみるといいかもしれませんね。
産後は体調の回復を最優先にしよう
出産後のママの体はたくさんのエネルギーを使って疲労困憊の状態です。骨盤痛などの痛みが続く場合は、まずは産婦人科医に相談しましょう。
慣れない育児で大変ですが、まずはゆっくりと休む時間を作って体調を回復させてくださいね。
※1 坂本飛鳥ら他『妊娠・産後の骨盤痛が歩行に及ぼす影響:システマティックレビュー』