妊婦もシートベルトは必要?妊娠中は着用が免除されるの?

妊娠中期に入るとだんだんお腹が大きくなってくるので、車に乗ったときにシートベルトを締めるのが大変になります。

シートベルトでお腹を締めつけてしまうと、赤ちゃんに悪影響があるのではと心配になっている人も多いのではないでしょうか。

今回は、妊娠中のシートベルトについて、着用の必要性や法律での決まり、締めるときのポイントをご紹介します。

妊娠中もシートベルトを着用すべき?

妊娠中にお腹が大きくなるにつれて、ついついシートベルトを締めずに乗車してしまうこともあるかもしれません。また、「妊娠中はシートベルトをしなくてもいい」といった噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。

しかし妊娠中であっても、シートベルトは着用するようにしましょう。

シートベルトをしていないと、急ブレーキ時にハンドルやダッシュボード、前の座席にお腹をぶつける可能性があるため、お腹の赤ちゃんのためにも着用したほうが安全です。

実際に、運転中に衝突事故が起きた際にシートベルトを着用していなかったせいで、死産になったり、妊婦さんが亡くなったりした事例もあります。

日本産科婦人科学会も、「シートベルトがお腹の膨らみ部分を横断しないように着用すれば、母体と胎児にかかる交通事故時の障害を軽減できる」という意見を出しています(※1)。

妊婦のシートベルト着用義務は?

道路交通法によると、自動車の運転者や同乗者にはシートベルトの着用義務があります。しかし、「やむを得ない理由があるとき」は、着用しなくてもいいとされています(※2)。

さらに道路交通法施行令には、「妊娠中であることにより座席ベルトを装着することが療養上又は健康保持上適当でない」場合は、シートベルトの着用義務が免除されると記載されています(※3)。

つまり、妊娠中で健康上に問題があるときに限って、シートベルトの着用義務が免除されることになります。

妊娠中の健康上の問題というのは以下の場合が考えられます。

● 出血や激しい腹痛といった緊急事態が起こり、車のシートに横になりながら病院に行くとき

● 多胎妊娠でお腹が大きくてシートベルトができない場合

健康に過ごしている妊婦さんは、「やむを得ない理由がある」には該当しないと考えられます。

ママ自身とお腹の中の赤ちゃんの安全のために、妊娠中もシートベルトを着用してください。

つわりで気持ち悪いときも、胃や胸を圧迫しない方法でシートベルトを締めましょう。安定期に入ったから安全ということはありません。妊娠全期にわたって着用するようにしてくださいね。

妊娠中のシートベルト着用方法は?

「妊娠中でもシートベルトを着用すべき」とわかっていても、大きくなったお腹をシートベルトで締めつけるのは不安になりますよね。そこで、お腹に負荷をかけずにシートベルトを締める方法をご紹介します。

妊娠中にシートベルトを締めるときのコツ

● 腰ベルトは、できるだけお腹の下の位置に回して、太ももに近い場所を通す

● 肩ベルトは、胸から脇に抜ける位置に通して、お腹にかからないようにする

つわりや体調不良でシートベルトをするのがつらいときにも試してみてくださいね。

妊娠中はマタニティシートベルトもおすすめ

通常のシートベルトを締めることにどうしても不安がある妊婦さんは、「マタニティシートベルト」を活用することをおすすめします。

マタニティシートベルトとは、車の座席にベルトで固定して使う補助用具です。お腹を圧迫せずにシートベルトを装着できるので、臨月でも安心して車に乗ることができますよ。

妊娠中もシートベルトを着用しよう

体調が急に悪化して後部座席に横になって病院へ向かうような事情がない限り、妊娠中もシートベルトをきちんと着用しましょう。もちろん、事故にあわないようにくれぐれも安全運転を心がけてくださいね。

※1 内閣府「すべての座席におけるシートベルト着用に向けた取組」
※2 道路交通法 第七十一条の三
※3 道路交通法施行令 第二十六条の三の二

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