妊娠すると体に様々な変化が現れます。「つわり」もその一つで、人によっては吐き気や嘔吐のような症状が続き、何も食べられないという人も。
そこで今回は、つわりの症状を軽減する効果があると言われている栄養素についてご紹介します。
妊娠するとつわりが現れるのはなぜ?
つわりとは、妊娠5〜6週目頃の初期に起こる吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器症状の総称です。つわりは妊婦の50~80%が経験し、特に初産婦の方がつわりになりやすいとされています(※1)。
ninaruユーザー1097人にアンケートをとったところ、約86%の人がつわりがあったと回答していて、多くの人が悩まされていることがわかります(※)。
ただ、つわりの原因はよくわかっていません。妊娠中に多く分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といったホルモンが、つわりを引き起こしているのではないかと考えられていますが、医学的にはっきりと解明されているわけではありません。
つわりで気持ち悪いときに摂りたい栄養素は?
残念ながら、つわりに劇的に効果のある食べ物や栄養素はありません。ただし、余裕があるときに以下の2つの栄養素を意識して摂ってみてもいいかもしれません。
ビタミンB6
ビタミンB6にはつわりを軽くする効果があると言われています(※1)。
効果には個人差がありますが、つわりの症状が重いときの治療として医療機関ではビタミンB6を含む点滴が使われることもあり、つわりで吐き気がするときは、ビタミンB6を多く含む食べ物を食べてみるのも一つの方法です(※2)。
ビタミンB6は玄米、バナナ、鶏肉などに多く含まれているので、玄米で作ったおにぎりやバナナ、サラダチキンなどを小分けにして常備しておくと、すぐに食べられるのでおすすめです。
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギーを生み出すときに使われる栄養素で、不足するとイライラや倦怠感、むくみ、手足のしびれなどが起こります。
つわりの症状が重く、水分も摂れない状態のままビタミンB1が足りなくなってしまうと、歩行時のふらつきや意識障害などの症状が現れることもあるので注意が必要です。
ビタミンB1は玄米や、豚肉、豆類などに多く含まれています。蒸したり、まるごと食べられるスープにしたりすると効率よくビタミンB1を摂取できますよ。
つわりで気持ち悪いときは食べられるものだけで大丈夫
つわりで気持ち悪いときは、栄養素を意識しすぎてストレスを溜めてしまうよりも、自身の体調を優先して「食べられるものを少しでも摂取すること」が大切です。
つわりの症状がつらい場合は、無理せず産婦人科の医師へ相談してくださいね。
※アンケート概要
実施期間:2022年9月7日〜9月30日
調査対象:ninaruシリーズユーザー
有効回答数:1097人
監修専門家:管理栄養士 渡辺 亜里夏さん
神奈川県立保健福祉大学卒業後、予防医学に興味を持ちドラッグストアへ就職。その後独立し、現在はフリーランスの管理栄養士として特定保健指導、ダイエット指導、コラムの執筆、企業様での研修などを中心に活動。いつまでも体と心を健康に保ち、人生を輝かせられる女性のサポートがしたいという想いで、食の大切さをお伝えしています。
【参考文献】
※1 メディカルビュー社『プリンシプル産科婦人科学 産科編 第3版』p.290
※2 日本産婦人科学会『産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020』