妊娠中は体重が増えるのが自然なこととはいえ、思っている以上に増えてしまうこともありますよね。妊娠中はどのように体重のコントロールをしていけば良いのでしょうか。
そこで今回は、妊婦さんにもできるダイエット方法についてご説明します。
妊娠中の体重増加の目安は?
厚生労働省は、妊娠中の体重増加の目安を上表のようにしています。
妊娠中の体重増加の適正値の目安は、妊娠前の体型によって変わります。
もともと普通体型の人は10~13kg、瘦せ型の人は12~15kg、肥満気味の人は個別に対応となっています(※1)。
妊娠中にどれくらい増えたら良いのかを事前に把握しておいてくださいね。
妊娠中はダイエットで体重を減らすべき?
医師からの指示がない限り、妊娠中にダイエットをして体重を減らす必要はありません。妊娠中の適正な体重増加は、赤ちゃんの発育にとって必要なことです。
もし妊娠中にダイエットを行うのであれば、事前に医師に相談したうえで、今の体重を維持する、これ以上増加させない、増加を緩やかにするといった目的で行いましょう。
これから紹介する方法で無理なくストレスなく、体重が減ったという妊婦さんもいます。しかし、それぞれの体質や元の体重によることも多く効果には個人差があるものです。
自分自身で無理がないと思える範囲で、取り組んでくださいね。
妊婦でもできるダイエット方法とは?
妊娠中は、食生活や生活習慣を見直し、健康的な生活を送ることが基本になります。
以下に妊娠中でもできるダイエット方法の具体例を挙げたので、自分に合ったスタイルを見つけてみてくださいね。
和食中心の食事にする
日々の食事内容に和食を取り入れてみましょう。食べる量を減らすわけではないので、無理なく続けられますよ。
特に根菜類をたっぷり含んだお味噌汁は腹持ちがよく、体を温め、食物繊維も豊富なのでおすすめです。一汁三菜を基本にすれば、栄養をバランス良く摂ることができます。
おやつはヘルシーなものを選ぶ
妊娠中は3食の間にお腹が空いてしまうこともよくあります。ついお菓子をつまんでしまいたくなりますが、ここはぐっと我慢しましょう。
どうしても耐えられない場合は、アーモンドなどのナッツ類や寒天で作ったゼリーなど、ヘルシーなおやつで空腹を満たしてくださいね。
しらたきご飯
和食中心の食事からもう一段階効果を上げたい人には、しらたきご飯がおすすめです。白米にしらたきの細切れを混ぜて炊飯するだけで作れます。
食べる量を減らさずにカロリーだけ減らすことができるので、ストレスに繋がりにくいですよ。
● しらたきご飯の作り方
- 白米をといで、水を吸わせておく(いつもの炊飯時と同じ)
- しらたきを乾煎りして、しっかり水気を飛ばす
- しらたきをごはん粒サイズに刻む
- 刻んだしらたきを白米に混ぜて、いつもと同じように炊く
お米2合に対してしらたき160~200gが目安ですが、好みにもよるので、いろいろな比率で試してみてくださいね。
揚げ物は控える
「妊娠すると揚げ物が食べたくなる」という妊婦さんもいますが、食べる量には気をつけましょう。
天ぷらや唐揚げなどの揚げ物は、週に1回◯曜日だけというように決めておくと、続けやすいですね。
ノンフライヤーなどを使って少ない油で調理するのもおすすめです。
ただし、脂質にはビタミンの吸収を助ける働きもあります。完全に控える必要はないので、バランス良く摂れるようにしましょう。
ウォーキングをする
妊娠中は激しい運動、お腹に力を入れるような運動はできません。軽いウォーキングは妊娠中のダイエットとしておすすめの方法です。
お腹の張りや体調と相談しながら、今日は一駅分歩いてみるなど目標を立ててみてくださいね。
マタニティヨガをする
マタニティヨガは、妊婦さんでも無理なく運動ができるので人気です。体調が安定してきた妊娠中期以降に医師の許可をもらってから行うようにしましょう。
ストレッチ効果や呼吸法で、心の安定にも繋がります。マタニティヨガ教室に通えないという人は、自宅で動画やDVDなどを見ながら行うのもいいでしょう。
マタニティスイミングに通う
マタニティスイミングも妊娠中期以降に医師の許可をもらってから行いましょう。
水中の負荷のなか体を動かすことで、むくみやストレス、肩こり、腰痛などにも有効です。
最近ではスイミングスクールだけでなく、フィットネスジムでも妊婦さん専用の講座が開かれています。特にレッスンを受けなくても、水中ウォーキングをするだけで効果がありますよ。
ただし水の中は冷えやすいので、注意が必要です。適度に休憩を取る、長時間水の中に浸かることのないようにするなど、自分の体と相談しながら行ってくださいね。
食べたものを記録していく
食べたものを細かく記録する、レコーディングダイエットも効果的です。
日々の体重と一緒に細かく書き残してみましょう。自分がどんなもので体重が増えてしまいやすいのかが分かったり、昨日は食べ過ぎたから今日は控えるなど、意識的に体重をコントロールできるようになりますよ。
妊娠中は無理のないダイエットを心がけて
妊娠中は体重が急激に増えすぎないよう意識することも大切ですが、あまり気にして空腹状態が続くと貧血を引き起こしたり、胎児の成長に必要な栄養が不足する危険性があります。
医師から指導されていないのであれば、過度に体重増加を気にしないようにしてくださいね。
ダイエットは産後から始めても遅くはありません。ママの体とお腹の赤ちゃんを最優先にしながら、ストレスのないマタニティライフを送りましょう。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくり」