赤ちゃんに乳歯が生えはじめると、歯並びが気になってくるママやパパは多いのではないでしょうか。歯と歯の間に隙間があったり、指しゃぶりする癖がなかなかとれなかったりすると、歯並びが悪くなるのではと心配になりますよね。
そこで今回は、赤ちゃんの歯並びについて、生え始めのすきっ歯の状態は問題ないのか、歯並びが悪い原因や対処法、予防法などをご紹介します。
赤ちゃんの歯並びとは?すきっ歯でいいの?
数ヶ月程度の個人差があるものの、乳歯は生後6ヶ月から8ヶ月にかけて下の中央の歯から生えてきて、3歳頃には奥歯まで生え揃います(※1)。
赤ちゃんの歯並びは、乳歯よりも一回り大きな永久歯が生えてこられるように、隙間があるのが一般的です。
乳歯の隙間や歯並びが気になっても、今後成長しながら変わってくることは多いので、心配しすぎないでくださいね。
もし気になることがあれば、かかりつけの歯医者さんに相談したり、1歳半健診のときに行われる歯科検診や歯磨き指導のときに相談したりしてみましょう。
赤ちゃんの歯並びが悪くなる原因は?
子どもの歯並びやかみ合わせが悪くなる原因は、以下の4つとされています(※2)。
虫歯
永久歯がきれいに生えてくるためには、スペースが必要になります。虫歯などで乳歯が想定よりも早く抜けてしまうと、両側の乳歯の歯並びがずれ込んでしまい、永久歯の歯並びに影響してしまうことがあります。
歯と顎の骨のバランス
主に遺伝的な要因で、歯や顎の骨が大きすぎたり小さすぎたりすると、バランスがうまくとれずに歯並びが悪くなりやすいです。
顎の骨の発達が不十分
離乳食が終わってしっかりと歯が生えてからも、硬いものを食べなかったり、よく噛まなかったりすると顎の骨が十分に発達せず、歯並びが悪くなってしまうこともあります。
生活習慣
おしゃぶりや指しゃぶり、舌を前に出す癖、口呼吸、頬杖、うつぶせ寝などの生活習慣は歯並びに影響することがあります。
赤ちゃんの歯並びが悪いときの対処法や予防法は?
3歳以降になると、だいたいの歯が生えることで噛み合わせが安定し、歯並びも決まってきます。それまでは経過を見つつ、歯が生えそろった時点でも気になるようならかかりつけの歯医者さんに相談してみましょう。
また、遺伝以外の要因に関しては、事前にある程度の予防をすることができます。以下を参考に、生活習慣に気をつけてあげてくださいね。
おしゃぶり・指しゃぶりは2歳過ぎまでに卒業する
おしゃぶりや指しゃぶりの力で歯が動いてしまうこともあります。乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃からやめる準備をはじめて、2歳過ぎまでには卒業させられるといいですね(※2)。
頬杖をつかせない
2歳近くなると、頬杖をつくような姿勢をすることもあります。どちらか一方ばかりに体重がかかると歯並びに影響することもあるので注意しましょう。
虫歯を作らない
食事やおやつのあとには、歯磨きを習慣化して虫歯予防につとめましょう。
乳歯が1本でも生えてきたらガーゼで拭き取りからはじめて、できれば本数が少ないうちから仕上げ用歯磨きを使うようにしましょう。歯と歯の隙間は歯ブラシでは届かないので、なるべく子ども用のフロスを使ってくださいね。
かかりつけの歯医者さんで定期的にフッ素化物を塗ってもらい、虫歯予防するのもおすすめですよ。
食生活、食べ方に気をつける
食事をするときは、バランスよく左右で噛んで食べるようにしましょう。離乳食でも、進み具合にあった硬さのものをしっかり食べさせてあげてくださいね(※1)。
うつ伏せばかりで寝ない
寝方には好みがありますが、うつ伏せ寝ばかりしていると歯並びに影響することがあります(※2)。寝るときの姿勢にも気を配ってあげてくださいね。
赤ちゃんの歯並びは、歯科検診で定期的にチェックしよう
月齢が低いうちから歯並びをあまり気にする必要はありませんが、異変があったときに少しでも早く気がつけるよう、乳歯が生え始めたら毎日ケアをしながら口の中もチェックしてあげましょう。
乳歯の健康は、永久歯の歯並びをつくるうえでも、とても大切なことです。定期的に歯科検診を受けるようにして、赤ちゃんの歯を管理してあげてくださいね。
監修医師:歯科医師 角田 智之
1992年に明海大学卒業後、日本大学医学部歯科口腔外科にて診療に従事。久留米大学医学部口腔外科などを経て、2008年に開業。現在は福岡市博多区にて診療を行う。予防歯科や心理的要因にて発症するといわれている舌痛症を専門的に診察している。
※1 日本歯科医師会 テーマパーク8020「歯とお口の発生と育ち方」
※2 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱」