暑い?寒い?赤ちゃんの体温調節機能とは?新生児は調節できない?

生まれたばかりの赤ちゃんや新生児の体温調節に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。暑い・寒いときの赤ちゃんのサインを知っておきたいですよね。

今回は赤ちゃんや新生児の体温調節について、仕組みや発達、暑いときや寒いときに注意すべきことについてご説明します。

赤ちゃんは体温調節ができないの?新生児は?

生まれたばかりの赤ちゃんや新生児は、体温調節をスムーズに行うために必要な自律神経の「体温調節中枢」の働きが未熟です。

赤ちゃんや新生児は体も小さいため気温の影響を強く受けやすく、外気温が暑ければ体温が上がり、寒ければ下がってしまいます。

赤ちゃんが寒いときには「褐色脂肪」という脂肪を分解することによって熱を作りますが、褐色脂肪は肩や背骨、腎臓の周りなど一部に集まっているため、全身の体温調節をすることは難しいのです(※1)。

赤ちゃんはいつ頃から体温調節できる?

赤ちゃんが活発に動きまわるようになってくる生後8ヶ月頃に少しずつ体温調節ができるようになってくるといわれています。

ただし、赤ちゃんの体は小さく、体温調節中枢の機能は大人と比較するとまだまだ未発達です。暑い・寒いといった温度の管理にはしっかりと気を配ってあげてくださいね。

暑い?寒い?赤ちゃんや新生児の体温調節に気づくには?

赤ちゃんや新生児は、「暑い」「寒い」といった不快症状を伝えることができません。

ここでは、赤ちゃんの様子から暑い・寒いを見極めるポイントをご紹介します。

赤ちゃんが暑いときのサイン

● 背中などに汗をかいている
● 顔がほてっている
● グズグズして機嫌が悪い
● 体をさわって脇や首だけでなく顔にも熱感がある

赤ちゃんが寒いときのサイン

● お腹や背中が冷たくなっている

冬場、赤ちゃんがニコニコしているからといって手足が冷たいままにしておくと、体調を崩すこともあるので注意してくださいね。

暑い・寒いときの赤ちゃん・新生児の体温調節法は?

赤ちゃんの体温調節機能はまだまだ未発達です。赤ちゃんに暑い・寒いときのサインが見られたら、次のようなことに注意してあげましょう。

温度や湿度を調整する

エアコンなどの風が赤ちゃんに直接当たらないように注意しながら、夏は外気よりも4〜5℃低いくらい、冬は20〜25℃程度の室温になるように設定するといいですよ(※2)。

湿度は50%前後を目安にして、冬に乾燥対策として加湿器を使用する場合も60%以上にならないようにしましょう。

肌着を変える

肌着を着ると、服と肌の間に空気の層が加わって冬場は保温に効果があります。

夏場は、通気性や吸湿性のいい肌着を選び、こまめに着替えをさせましょう。

暑いからといって、夏場は赤ちゃんに肌着を着せない人もいますが、赤ちゃんはよく汗をかくので肌着を着せたほうが汗を吸って快適に過ごせますよ。

着せる枚数を変える

赤ちゃんの服装について、「大人よりも少なめ」ということを聞いたことがあるかもしれませんが、赤ちゃんの様子を見て着せる枚数を判断しましょう。

活発に動き回るような赤ちゃんや、暑くて汗をかいているときには服を脱がしてあげてくださいね。大人よりも1枚少ないくらいでも問題ありませんよ。

外出時には着替えや羽織るものを持っていく

暑いと汗をよくかきますが、夏はお店に入るとエアコンが効いているので、汗が冷えて赤ちゃんが寒がることもあります。

夏の暑い時期にお出かけするときには、着替えを1着用意しておくと安心ですね。また、エアコンで赤ちゃんの体が冷えないように、薄いブランケットなどを用意しておいてもいいですよ。

冬も屋内と屋外の気温差が大きく、体温調節が未熟な赤ちゃんの体に負担がかかることがあります。お出かけ時は、脱ぎ着がしやすい服装にしておきましょう。

ベビーカーやチャイルドシートでの体温にも気をつける

ベビーカーやチャイルドシートは熱がこもりやすいので、特に暑い夏場は、赤ちゃんの体温調節に気を配ってあげましょう。

取り付けると体を冷やせる保冷ジェル付きのシートを利用するのも一つの手ですね。

赤ちゃん・新生児が快適に過ごせる体温調節を

初めての子育てだと赤ちゃんや新生児の服の着せ方に迷ってしまうところですが、だんだんと「暑いかな?寒いかな?」といったことがわかってくるようになります。

暑い・寒いを判断する自信がないうちは温度計や湿度計も活用しながら、赤ちゃんが快適に過ごせる環境作りに取り組んでみてくださいね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。

※1 日本生化学会「多様な環境ストレスに応じた褐色脂肪熱産生調節の中枢メカニズム」
※2 東京都福祉保健局「赤ちゃんのための室内環境」

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