切迫流産・切迫早産の体験談を教えて!お腹の張りは危険なの?

妊娠中はさまざまなトラブルが起こるもの。なかには医師から切迫流産や切迫早産の診断を受けることもあり、不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、切迫流産や切迫早産になった先輩ママたちの体験談をご紹介します。

切迫流産や切迫早産はどんな状態?

妊婦 お腹 張り

切迫流産と切迫早産は、それぞれ以下のような状態です。

切迫流産

切迫流産とは、妊娠22週より前に流産の一歩手前の状態であることをいいます(※1)。

流産の予防効果を持つ薬は存在しないため、切迫早産と診断されると安静にして過ごすことになります。

流産は母体の感染症などでも起こることはありますが、多くは胎児の染色体などの異常によるもので、妊婦さんが気をつけていても防げるものではありません。

切迫早産

切迫早産は感染症や体質などが原因で、正期産に入る妊娠37週より前の時期に早産しそうな状態をいいます(※2)。

お腹の張りや痛みが規則的かつ頻繁に起こり、子宮口が開いて赤ちゃんが出てきそうになっています。

子宮口が開かないように薬を使ったり、破水をしてしまっている場合は感染を予防するために抗生物質が投与されたりします。

切迫流産・切迫早産の体験談1. 下腹部痛や腰痛があった

切迫流産や切迫早産の兆候で現れるのが、下腹部痛や腰痛です。子宮収縮が起こることで、これらの症状が見られますが、子宮収縮を抑える処置が必要になります。

軽い生理痛のような下腹部痛を感じました。キリキリと痛むというよりは、鈍痛でした。そのあと少し出血があり、病院に行くと「切迫流産」という診断が。仕事を休める状況ではなかったのですが、遅めの出勤にしたり、外出しないようにしたりと、少しでも立ち歩かないように、なるべく座ってすごすようにしていました。

Aさん 30代

安静にしていてもお腹の張りや痛みが強くなるときは子宮収縮が続いている可能性があります。

入院が必要になるケースもあるので、お腹の張りや痛みがあって治まらない場合は早めに病院に相談しましょう。

切迫流産・切迫早産の体験談2. お腹の張りがあった

妊娠中は常にお腹が張りやすいのですが、切迫流産や切迫早産の兆候かもしれません。

安静にしていてもお腹が張る頻度が高く、病院を受診したら「切迫早産」と診断され、薬を処方してもらいました。最初は処方された薬を飲んでもお腹がパンパンに張って苦しく、「自分のせいでこのまま赤ちゃんがいなくなってしまうのではないか」とかなり不安な気持ちになりました。張りがひどいときはなるべく仕事も休み、家でも家事は週一回にしてゆっくり過ごしていたら、無事に正期産で出産することができました。

Aさん 30代

妊娠初期に風邪を引いたのですが、妊娠中なので薬が飲めず、かなり長引いていました。この頃にお腹がよく張るようになって、少しつらかったものの、流血などはないし、「風邪のせいかな」くらいに思って、病院に行くか迷っていました。念のために電話で相談して診てもらうと、切迫流産ということがわかりました。不安で仕方なかったし、精神的にも落ち込みましたが、薬を飲んでトイレ以外はベッドで過ごし、無事に乗り切ることができました。

Rさん 30代

すぐに治まるお腹の張りだと問題ありませんが、頻繁にお腹が張る、カチカチにお腹が固くなるといったときは妊婦健診のときにかかわらず、電話などで医師に相談しましょう。

特に妊娠中期以降に規則的なお腹の張りと痛みがある場合は、陣痛が起きている可能性もあるので、早めにかかりつけの産婦人科に相談してくださいね。

切迫流産・切迫早産の体験談3. 不正出血が見られた

不正出血も切迫流産や切迫早産の兆候です。子宮口が広がっていたり、炎症を起こしていたりしている可能性があります。

妊娠5週で出血して病院に行きました。医師は落ち着いていて、よくあることのように説明してくれたけど、はじめての妊娠だったし、欲しかった赤ちゃんがやっと来てくれた矢先のことだったので、不安で悲しくて仕方ありませんでした。周りにもまだ妊娠を伝えていない時期だったので、会社の上司にだけは伝え、周りには体調不良ということにし、会社を1週間以上お休みしました。

Mさん 30代

妊娠初期に突然大量出血し、タクシーで病院へ。病院の入口を開けた瞬間、助産師さんに「動かないで!」と叫ばれ、そのまま車椅子に乗せて運ばれました。初めての妊娠で、動いてはいけないことも知らなくて、ここまでタクシーで来た自分を少し悔やみました。切迫流産と診断されてからは、止血剤と張り止めの薬を飲んで、2ヶ月以上寝たきりの生活。安定期に入ってようやく活動できるようになりましたが、体力ががくんと落ちていたので、出産に向けて少しずつリハビリをしていました。

Tさん 30代

切迫流産と切迫早産の兆候を知っておこう

切迫流産や切迫早産になる可能性は誰にでもあります。違和感があれば早めに産婦人科医に相談しましょう。

いざ診断されると不安な気持ちになると思いますが、切迫流産や切迫早産と診断されても、元気な赤ちゃんを出産した先輩ママはたくさんいます。赤ちゃんとママ自身を信じて、できるだけ前向きな気持ちで毎日を過ごしてくださいね。

監修医師:産婦人科医 藤東 淳也

産婦人科医 藤東淳也先生
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。


※1 日本産婦人科医会「流産・切迫流産」
※2 日本産婦人科医会「早産・切迫早産」

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