赤ちゃんがハイハイをするのを心待ちにしている人も多いですよね。ハイハイをする前に「ずりばい」をする赤ちゃんもたくさんいますが、「そもそもずりばいって、ハイハイと何が違うの?」と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ずりばいとハイハイの違いや、いつから始まるのか、ずりばいをしないときの練習法についてご説明します。
赤ちゃんのずりばいとは?ハイハイと何が違う?
「ずりばい」とは、ハイハイの前段階で行うもので、赤ちゃんが手の平や足の裏で床を押したり引っ張ったりして、前や後ろに這って進む「ほふく前進」のような動作のことです。
ハイハイは手の平と膝、膝から足先までを床につけ、お腹は持ち上げた状態で進みます。
一方ずりばいは、顔だけを床から持ち上げた状態で、腕や足、体幹は床につけた状態で進みます。活発に動き回れるようになるための、筋肉を発達させる準備の一つとも考えられています。
赤ちゃんのずりばいはいつから始まる?
赤ちゃんがずりばいを始める時期は個人差が大きいですが、ハイハイが始まる前の生後4~10ヶ月頃が多いようです。
ただし、すべての赤ちゃんがずりばいをするわけではなく、いきなりハイハイを始める子や、ずりばいとハイハイをしないうちに立てるようになる子、ずりばいをした後にハイハイをしないで歩くようになった子など、赤ちゃんによってさまざまです。
乳児健診で特に問題がなければ、ずりばいをしないからといって心配する必要はありませんよ。
赤ちゃんのずりばいに練習は必要?いつから始める?
ずりばいの練習を焦って始める必要はありませんが、寝返りができるようになってから無理のない範囲でさせてあげてもいいですよ。
寝返りをマスターしたての赤ちゃんは、まだうつぶせの姿勢に慣れていません。
赤ちゃんが寝返りに慣れて、うつぶせを楽しめるようになってから、ずりばいの練習をするか検討してみてくださいね。
赤ちゃんのずりばいの練習方法は?
赤ちゃんのずりばいの練習方法は3つあります。
赤ちゃんの様子を見ながらずりばいの練習を進めていきましょう。ただし、赤ちゃんが嫌がる場合は無理にしないでくださいね。
足裏を押してあげる
赤ちゃんがうつぶせで足をばたばたさせていたら、足裏を軽く押してあげましょう。キックすることで、前進するずりばいの感覚がつかめるようになってきます。
おもちゃを置く
赤ちゃんの手が届きそうで届かない場所に、お気に入りのおもちゃなどを置いてみるのも効果的です。
手が届かない距離を頑張って縮めようとすることで、赤ちゃんはずりばいの感覚をつかみます。
声をかける
赤ちゃんの少し先で、ママやパパが声をかけてあげましょう。赤ちゃんとスキンシップをとりながらずりばいの練習ができます。
赤ちゃんがずりばいを始めたら注意することは?
赤ちゃんがずりばいを始めると、行動範囲が一気に広がります。赤ちゃんの手が届く範囲に危険なものがないか、チェックしましょう。
小さな物を誤飲したり、角のとがったものに衝突してケガをしたり、テーブルクロスを引っ張って机の上からものが落ちてきたりなど、思わぬ危険がたくさん潜んでいます。
赤ちゃんがずりばいをすることで、ホコリやチリなどが舞い上がって吸い込みやすくなるのでこまめな掃除も必要ですね。
赤ちゃんがずりばいを始めた時の危険防止グッズは?
ここでは、赤ちゃんがずりばいを始めたときに危険を防止するグッズをご紹介します。赤ちゃんが安心してずりばいができる環境作りの参考にしてくださいね。
引き出しストッパー
引き出しを開けて中のものを出したり、手を挟んだりしてしまう可能性があります。引き出し用のストッパーを活用しましょう。
コーナークッション
テーブルなどの家具の角に頭をぶつけてケガをしないように、家具の角を覆うグッズがあると安心です。
コンセントカバー
コンセントの穴も、赤ちゃんは興味本位で触ってしまいます。感電してしまわないように、コンセントカバーでガードしておきましょう。
ベビーガード/ゲート
テレビなど触ってほしくないものや、赤ちゃんに立ち入って欲しくないキッチン、階段にはベビーガードをつけると安心です。
赤ちゃんがずりばいをしなくても焦らないで
赤ちゃんの体は時間とともに成長し、ずりばいをしなかったとしても、やがて歩いたり走ったりできるようになります。
赤ちゃんの成長は個人差が大きいものなので、ほかの赤ちゃんと比較するようなことはせず、我が子の成長をゆっくり見守ってあげてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。